逆襲4

妄想小説

恥辱秘書






第九章 美紀の逆襲


 四

 幸江はちゃんと聞いたのか、まぶたを擦りながら生返事をしている。美紀はそんな幸江を残してわざと音を立てながら螺旋階段を駆け上がり、扉を開けて外には出ずに再び閉め、今度は音を立てないようにして再び階段を忍び足で降りる。美紀が下に戻った時には幸江は机に突っ伏して完全に寝入っている。美紀は念の為に幸江の頬を軽くつねってみるがすうすう寝息を立てるだけで反応がないのを確かめる。昼休みに幸江のポットに仕込んでおいた睡眠薬がしっかり効いてきているのだ。美紀はこれも芳賀から渡された、電線などを束ねるのに使うプラスチック製のクリップを取り出す。片方の先が尖っていて、もう一方にその尖った先をいれる留め口があり、そこへ通して引っ張るとラッチが掛かって締めることが出来るクリップだ。そおっと幸江の手首を握ると背中へ回す。そして両手の親指を合わせて揃え、そのクリップをかけてぎゅっと引っ張る。
 親指と親指が付け根のところで繋がれるだけだが、完全に両手の自由を奪うことが出来、自分ではラッチがかかったクリップを外すことが出来ない。以前に自分自身も芳賀に嵌められて、情けないほどどうすることも出来なかったのを美紀も思い出していた。
 寝入っている幸江を抵抗出来ない格好にしてしまうと、芳賀から持ってゆくように命じられた何台かのデジタルビデオカメラを書棚の数箇所にセットする。高性能CCDカメラで暗がりでもかなりはっきりと写すことが出来るものだ。
 そして、最後に後からやってくる筈の矢作の目に付きやすいように、幸江のそれでなくても短いスカートを少しずりあげ、太腿をぎりぎりまで露わにして脚を軽く開かせる。そんなあられもない格好を目にすれば、矢作が理性を失うのは間違いない筈だった。

 準備が出来ると、再び螺旋階段を上がって外に出て、約束の時間になって矢作が現れるのを隠れて待つ美紀だった。

 午後になってそわそわ落ち着かない矢作だった。美紀にメールで命じた約束の時間は午後の3時だった。資料保管室に鍵を取りに現れる筈の美紀とは事務所で顔を合わさないように、わざと事務所を出ていた矢作だった。用もないのに油脂庫などを順に回って、約束の時間がくるのを待つ矢作だったが、逸る心は抑えきれない。前回の艶かしい美紀の痴態が目にちらついて、動悸がどうしても早くなる。
 約束の3時から5分経つのをやっと堪えて、鍵の開いている地下倉庫への扉を音を立てないように気をつけて忍び込んだ矢作だった。証拠を奪われてはと、わざと写真のデータを保存しているメモリカードは持ってこなかった。(口で脅せば、言いなりになるしかない筈だ)と自分に言い聞かせる。階段の途中まで降りてきて、地下の奥の調べ物机のところに女の影らしいものを認める。思わず、矢作の喉がごくっと鳴ってしまう。
 近づいてゆくにつれ、暗闇に目がなれてきて、剥き出しの白い太腿が目に入る。だらしなく脚を開いていて、真正面からみたら、スカートの奥は丸見えな筈の格好だ。何故か両手を背中に揃えて合わせていて、机に顔を突っ伏して寝入っているようだ。
 すぐ傍まで来て、矢作は女が美紀ではないことに気づいた。見た事のある女だったが名前までは知らなかった。不自然に背中で合わせられた指の付け根に戒めのクリップが嵌められているのに気づく。
 平静心ならば、若い女がそんな格好でそんな場所に独りで置かされていることに疑問を抱いた筈だろう。しかし、その日一日、美紀を思い通りに犯すことばかり思い描きながら時間を待ち、今目の前に自由を奪われて下半身を露わにさせている若い女の姿をみて、矢作は完全に理性を失っていた。
 思わず、女のスカートの中にそっと手を伸ばす。生温かい感触とともに指先に秘め所を探りあてる。そこをなぞろうとした時、女の身体がびくっと動いた。目を覚まそうとしているのに気がついた矢作は慌てた。顔を隠さねばならないと咄嗟に気づいた。まだ完全に目を覚ましていない幸江の身体を後ろから羽交い絞めにして押し倒すと後ろ向きに馬乗りになって短いスカートをたくし上げ、穿いているストッキングを剥がしはじめた。突然襲われ馬乗りになられたことで、朦朧とした中で幸江はだんだん意識がはっきりしてくる。
 「ううん、なんなの・・・。誰っ、・・・。」
 そう声を上げた時には、幸江は穿いていたストッキングをすっかり脱がされていた。矢作は素早くそれを半分に引き千切ると、片方を頭からすっぽり被った。そうしておいて、今度は両手が自由にならないのを何が起こったのかと不思議に思いながらもがいている幸江の肩を掴んで引き寄せ、鉄製の書棚の柱のところまで引き摺っていって、クリップで括られた幸江の手首を更に残りのストッキングで柱に縛り付ける。

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