妄想小説
恥辱秘書
第十五章 地位の逆転
四
その格好を沢村は座った位置から真正面に見ると、相好を崩すように笑みを浮かべた。
「やあ、裕美ちゃん。贈ったものをちゃんと着てきてくれたんだね。似合うよ。」
「裕ちゃんたら、結構このセクシーなスーツ、気に入っているみたいよ。身体にもぴったりだし。少し丈が長いかしらね、あはっ。」
これ以上短くしたら下着が常時覗いてしまいそうなほど丈が短いのを知っていながら、美紀は冗談めかして言うのだった。
美紀はさっと沢村のすぐ隣の席を取ってしまう。裕美がその反対側に行こうとすると、美紀は沢村の真正面の席を裕美に指し示し、芳賀を沢村のもう一方の横に座らせる。これで常時、沢村から真正面に股間を覗かれる丸見えの位置にされてしまう。美紀が裕美に酒を用意するように顎で合図するので、膝の上にポシェットを置いて裾の奥をガードしながら、沢村と美紀、そして自分の分の酒を用意する。芳賀は「運転があるから、ボーイにウーロン茶を頼んでくれ。」というのを聞くと、さっと美紀が立ち上がり、ボーイに注文にゆく。この時、わざとどんと裕美の膝にぶつかる。膝上に置いたポシェットが跳んで床に落ちたのを、いち早く美紀のほうが拾い上げる。
「あら、ご免なさい。これ、邪魔だからここに置いておくわ。」
そう言うと、裕美のポシェットを沢村の席の後ろ側の壁際に置いてしまうのだ。咄嗟に膝の上に片手を置いて、裕美は股間が露わになるのを防ぐ。が、グラスに酒を注ぐのに、片手だけでは出来ない。こんな超ミニを穿きなれていない裕美には、脚を組んで器用に隠すことも出来ないし、そうしたとしても、酒のグラスをサービスできない。
仕方なく、沢村の目が裕美の膝頭の間の奥を注視しているのに気づきながら、もう隠すのを諦めた。
「あの、沢村さん。グラスをどうぞ。」
片手でグラスを差し出すわけにもゆかず、両手でグラスを持って沢村に差し出すが、短いスカートの裾の奥はすっかり無防備になってしまっている。
「さっ、沢村さん。お煙草に火をお点けしますわ。」
美紀のほうは、裕美がグラスを差し出しているのを完全に無視して、ライターを沢村のほうに差し出す。沢村は視線は裕美の下半身に向けたまま、ゆっくりとポケットから煙草の箱を取り出し、ゆっくりと一本を取り出して、美紀に火を点けてもらう。その間、裕美は沢村に向かってグラスを掲げたまま待たされるのだ。裕美の股間はすっかり沢村への晒し物になっていた。
あらかた酒が進んできた頃、美紀が席を立って、裕美に代わるように目配せした。裕美が懼れていた通り、沢村は裕美の身体に触ってくる。特に膝に手をおいて、前をガードしようとするのを、手相を見るからなどと言って、裕美の手を取り自分に引き寄せる。ボーイが飲み物などを持ってくる度に、ボーイの目が裕美のスカートの奥を注視してゆくのを防ぐことも出来なかった。
その日も沢村に飲ませる代わりに裕美自身も相当飲まなくてはならなかった。酒にはそんなに強いほうではない裕美だったが、酔い潰れてしまうことよりも、水分を多く採ることで尿意が募ってくることのほうが気になった。前回のおむつから漏れ出した小水のことがどうしても頭をよぎってしまうのだった。
裕美が沢村の手に気を取られている間に、裕美のグラスに利尿剤を仕込むのは美紀にはたやすいことだった。知らずに呑まされてしまった強力な利尿剤の効き目はすぐにやってきた。
仕込んだ張本人の美紀には、裕美がもじもじ身体を動かし始めたことで、薬が効いてきているのを体で感じとっていた。ドアに近いほうの席を取った美紀は、ボーイに何か頼むなどの外に出ることは全て美紀のほうで処理して、裕美に席を立つ隙を与えなかった。それでなくても、沢村の手が裕美の手をしっかり取っているので、簡単に振り払うことも出来ない。
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