粗相3

妄想小説

恥辱秘書






第十三章 新たなる調教の罠


 三

 長谷部の執務室は、事務本館の最上階の南の端にあった。南側は全面ガラス張りで、崖に面して立っているので、窓際に立てば、はるか下に街並みが見下ろせる。逆に、崖の上の最上階なので、ガラス張りでも外から覗かれることはない。その明るいガラス窓を背にして、大きなマホガニー製の執務机が置いてある。あとは、部屋の奥に応接セットと、長谷部専用の書棚があるだけのがらんとした部屋だ。
 その部屋の長谷部の執務机を背にして、裕美は廊下側から入ってくる扉に向かって後ろ手の手錠を掛け、目隠しをしたまま立ち、男が現れるのを待った。

 もう後には戻れない格好になってしまってから、裕美は(もし男が現れなかったら・・・)という思いがチラッと頭をよぎった。
 執務室の鍵は、自分が今開けたのだから、誰でもは中に入ってこれるのだが、ドアの上の不在・在室を示すランプは、スイッチが秘書室にあり切ったままなので、長谷部以外が入ってくることは考えなれない。
 もし午後まで、放っておかれたら、長谷部が帰ってきてしまうかもしれない。目隠しをされ、後ろ手に手錠を掛けられた裕美を見つけたら、何と言うだろうか。自分は何と言えばいいのだろうか。
 (暴漢に襲われ、ナイフを突きつけられて脅され、手錠を掛けられたと言ったら、信じて貰えるだろうか・・・。いや、そんなことを考えても仕方ない。男はきっとやってくる。これまでのように。)

 その時、真っ暗闇の視界の向こうで、ガチャリとドアノブが回る音が聞こえた。無言で誰かが入って来るのを気配で感じた。声を掛けたものか、判断に迷ったが、言葉を呑みこんで向こうから声を発するのを待った。しかし、入ってきた者は無言のままだった。
 突然裕美は髪を掴まれ、床に跪くように肩を押された。手が自由でないので、為されるがままだった。裕美を倒した闖入者は、裕美の背後に回ったようだった。首に何かが巻かれるのを感じた。感触から革の帯のようなものだと思った。
 (首輪・・・?)そう思っていると、裕美の首のサイズぎりぎりに引き絞られて固定され、カチンと言うラッチの音とジャラジャラいう音で、首輪に鎖が繋がれたのが判った。
 それからごそごそという音が背後でしていたが、何の合図もなく、首輪の鎖が上に引かれ、喉が詰まって、堪らず立ち上がる。更に首輪が引かれて、苦しさから逃れる為に、裕美は背後の長谷部の机に手をついて、背伸びをせざるを得ない。きつい力ではないが、ぐいぐい力を篭めたり緩めたりで、上へ、上へと伸び上がるように曳かれている。首を絞められる苦しみから逃れる為に、裕美は長谷部の執務机によじ登るしかない。鎖を曳く闖入者の意図も裕美を机に上がらせようとしているようだった。両手が繋がれて不自由なために、裕美は脚を大きく開いて、机によじ登るしかない。スカートの裾が大きく割れて、下着が覗いてしまっているかもしれなかった。裕美は裾を乱しながらなんとか机の上に腰を載せた。そして遂には首を曳かれるままに、長谷部の執務机の上に立ち上がらせられてしまった。鎖は執務机の真上のシャンデリアを吊るす頑丈なフックを通して曳かれているようだった。
 一旦机の上に立たされたが、徐々に鎖が緩められ、裕美は何とか机の上に膝を付くことが出来るようになったが、それ以上は降りることもかなわなかった。裕美は立て膝になって机の上にしゃがまされていた。スカートの裾からは下着が丸見えかもしれなかったが、裾を直す余裕もなかった。

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