看護3

ナイトバーでの痴態




  七

 圭子のパニックを待つ間にも、男は更に新たなものを仕掛けてきた。それもやはりテグスにつけたもので、今度のものには先に鋭い釣り針がついていた。それを何本も用意している。男は圭子の真正面に立つとにやりと笑う。その顔に圭子は不安というより恐怖を感じる。

 男は静かに手を圭子のスカートの中に伸ばしてきた。思わず逃れようと身をよじるが、圭子の両膝に結ばれたテグスが自由を許さない。男は圭子のスカートの中に数本の針を引っ掛けたようだった。
 用意が出来たのか、再び圭子の下からのテグスを緩め、天井からのテグスを引き上げ始めた。圭子はそれに従って再び徐々に腰を上げてゆかざるを得ない。中腰になりかけた時、男の意図が明らかになった。さっきの釣り針は圭子のストッキングとその下のパンティにしっかり食い込んでいる。テグスの反対側は圭子の眼下のスツールの背に結わえ付けられている為、立ち上がろうとすると、そのテグスが圭子のストッキングと一緒にパンティをおろしてしまうのだ。パンティもストッキングも圭子の腰にぴったり貼りつくように身に着けられてはいる。しかし、その分、釣り針とテグスも何本も仕掛けられているので、徐々に引かれるとだんだんずり落ちていってしまう。しかも、男は釣り上げた魚が糸を切って逃げようとするのを防ぐときのように、じわりじわりと圭子の首の糸を調節していく。客たちも圭子の下着が徐々にずり下げられているのに気づき、固唾を呑んで見守っている。圭子はもうパンティが股間から離れてしまおうとするので、何とか不自由な下半身をずり動かして何とかスカートをずりさげようと苦心する。やがて、圭子はすっかり立ち上がらされてしまった。圭子のストッキングとパンティは、既にミニスカートの裾より下にさげられてしまっていて、膝の少し上のところにかろうじて止まっている。スカートが今度は逆にずり下がってくれたので、何とか剥き出しの股間は晒さないですんだ。だが、高い位置に居るので、下から覗かれたら丸見えになってしまうかもしれなかった。
 暫く圭子は下着を膝まで下げた格好で立たされ、客たちの食い入るような視線の晒し者にさせられた。その間にも後ろから涼しいというよりも冷たい風が圭子の濡れた身体を冷やし、否が応でも圭子の尿意を募らせてゆく。圭子は最初に飲まされたスクリュードライバにも利尿剤が仕込まれていたことも、つゆとも知らない。したたかに呑まされたビールと利尿剤は確実に圭子をパニックへ向けて追い詰めていた。

 圭子は身体をもじもじさせ始めたのを見計らうように、男は次の仕掛けを準備しだした。今度は圭子の両脇の空に手を伸ばし何やら手繰り寄せている。これも針のついたテグスだった。あらかじめ丁度いい高さに吊り下げられいた様だ。それを掴むとその針先を今度は圭子のスカートの両端に引っ掛ける。左右から2本のテグスの針が圭子のスカートに繋がれた。圭子はもうどうすることも出来ないことを悟った。男の意図は明らかである。男がカウンターストリップと言った訳が今になって判った。

 「このまま、又しゃがませるつもりねっ。なんて卑劣なの。」
 圭子は男をカウンターの上から睨み付けた。しかし、それは何の報いにもならなかった。

 客席の者たちには、次に何が起こるのかは、分からずただずっと圭子のほうを凝視している。またある者は、次に起こることを予想して隣とひそひそ話しているものも居る。
 男の冷たい声が圭子の下方からぽつりと発せられた。
 「そろそろしたくなってきたろう。我慢できなくなったら知らせてくれ。そしたらしゃがませてやる。」
 「えっ、な、なんてことを。 ・ ・ ・ 」
 次第に募りくる尿意と闘いながら、いつになったらこの責め苦から逃れられるのか、それだけを考えていた圭子に、全ての期待を打ち砕く一言だった。圭子はまだこの男について甘かった。
 (ただ、私のあそこを剥き出しにさせるだけじゃ、済まさないつもりだったんだわ。)圭子が思いつきもしなかった、最悪のことをこの男は自分にさせようとしていると気づいて、あらためて男の周到さと意地の悪さを思い知り、辱められる自分の身を呪った。



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