妄想小説
恥辱秘書
第十九章 奈落の出向先
五
裕美がグラスを両手に掲げたままゆっくり芳賀の前に立ち上がる。芳賀は片手を裕美の太腿の後ろ側を触りながら滑らせるようにスカートの中に手を突っ込むと、ショーツをつまんでゆっくりずり下げてゆく。超ミニの裾からすぐに白い濡れそぼったショーツが露になる。膝まで下ろされたところで、裕美は片脚ずつあげてショーツを抜き取るように顎で指図される。
裕美の腰からショーツを奪い取った芳賀は、それを丁寧に広げて、ガラスのテーブルの上で晒し物にするのだった。
「あ、嫌っ。そんなところに・・・。」
しかし、それ以上の言葉は裕美は発することが出来なかった。裕美が気づいた時には芳賀の手には既にウィスキーのボトルが握られていた。
「溢しちゃった分、注ぎ足しておかなくちゃね。」
そう言うと、芳賀は立ったまま両手に持っている裕美のグラスの両方になみなみとウィスキーを注ぎ足すのだった。
「腕が疲れてきたみたいだね。いいよ、僕に口移しにしなくても。自分で飲んでもいいんだよ。もしグラスが両方とも空に出来たら、グラスを降ろしてもいいから。」
芳賀の言い方は非情だった。しかし、更に次の言葉が追い討ちをかける。
「もし、少しでも溢したら、また注ぎ足すからね。ちゃんと溢さずに飲み干せたら降ろすのを許してあげる。」
座っている芳賀の目の前に立たされていた裕美はスカートも濡れてしまっているので、座ることも出来ない。立ったまま、芳賀の意図を汲み取って、ウィスキーばかりを注ぎ足されて更に濃くなってしまった水割りを口に含んでみる。しかし思いっきり濃くされてしまった水割りは、簡単には喉を通らなかった。下戸である裕美にはきつ過ぎる濃さだった。裕美は目を瞑ってごくりとそのきつい水割りを喉に通す。
裕美は、最初に席に着いた時からずっとマジックミラーがあるらしい壁のほうに向いていた。ショーツを脱がされるのに、立ち上がらされた時もずっとそちらを向いたままだ。今では両手にグラスを掲げたまま、背後に座っている芳賀のほうに背を向けた格好で突っ立っていた。裕美は持たされたグラスを早く飲み干して楽になることばかりを考えていた。酔いが回ってしまうのも覚悟のうえで、更に口にグラスの酒を含もうとしていた時に突然違和感を感じた。
「ひっ・・・」
芳賀が後ろからスカートの中に手を入れてきたのだった。思わずバランスを崩してグラスの酒を少し溢してしまった。
「今、溢したよね・・・。そうだろ。溢した分、注いで欲しいっておねだりしてごらん。」
芳賀の意図が分かっている裕美には断ることも出来なかった。
「溢してしまった分、どうか注ぎ足して下さい。」
芳賀がウィスキーの壜を持って背後から注ぎ口を傾けてくる。裕美にはグラスを合わせてなみなみと芳賀が注いでくるのを受け入れるしかなかった。
「結構いける口なんだね。」
裕美が得意でないのを知りながら皮肉のように芳賀が言う。
「さ、遠慮しなくていいよ。全部自分で飲み干してしまったっていいんだから。」
それは暗に裕美に全部飲み干せと命令しているに等しかった。
次の一杯を口に含む。すぐには飲み干せない。次の瞬間、再び裕美の尻に違和感が走った。
前のマジックミラーのほうからは見えないようにしながら、芳賀がスカートの中に手を差し込んできているのは明らかだった。腿の後ろ側からナメクジが這い上がるように芳賀の指先が這ってきて、脚の付け根を後ろからこじ開けようとしていた。裕美は仕方なく、両脚を少しだけ広げざるを得なかった。隙間が出来て芳賀の指先が裕美の陰唇を捉えた。びちゃっという音がした。裕美には、せめてマジックミラーの先には音が届かなかったことを願うしかなかった。
芳賀の執拗な陰唇への責めを甘受しながら、疲れきった両腕を下げないように保つ。苦手な酒を飲み干さねばならないのは裕美には耐えようもない苦難だった。しかし裕美はそれに耐えた。いや、耐え切る筈だった。
最後の一差しを口に含んで、グラスを置こうとテーブルに手を伸ばした裕美の視界の中で、ガラステーブルがぐるぐる回っていた。そのまま、へなへなと倒れこんだ裕美は、意識が遠のいていくのを夢のように感じ取っていた。
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