妄想小説
恥辱秘書
第十九章 奈落の出向先
二
「じゃあ、その部屋へ入ったら俺をお客として扱うんだ。分かっているな。これは雇い入れのトライヤルで、面接試験のようなものなんだ。あの部屋にはマジックミラーが付いていて、奥からこっちの様子を全部覗けるようになっている。勿論、覗いているのは新しい雇い主だ。本当に向こうが望んでいるような、何でも言う事を聞く女を紹介したのか、確かめるのが今日の目的なんだからな。ここで交渉がこじれたら、うちの会社としてもとんでもない事態になってしまうんだからな。そこのところはよおくわきまえているよな。」
「ええ、芳賀部長。よく心得ています。どんなことでもお言い付けに従って心からサービスをさせて頂きます。それが私の役目ですから。」
「いい心掛けだ。俺も立場上、辛いが普通はしないようなことを言い付けなければならない。そこをよく判ってくれよ。いいな。」
「畏まりました。」
「じゃあ、いくぞ。」
裕美が先に立って小部屋へ案内する。部屋には数人が座れるだけの席のソファとガラステーブルがあるきりだ。すでに酒や氷のペールなどは用意されていた。
「こちらへお座りください。すぐにお酒を用意させて頂きます。」
その日の裕美は、会社の制服に似た、清楚な感じのいかにも秘書というダークスーツの装いに、白いシルクのブラウスの上に臙脂のタイを締めていた。すべて芳賀によって用意されたものだった。
芳賀がソファに腰を下ろすと、裕美はその直ぐ前に膝を折って傅き、酒の用意を始めた。
「その服は、ここの制服なのかい。」
芳賀は自分が着させた裕美の服を上から下まで舐めるように見ながら言った。
「いえ、そうでは御座いません。私がこちらへ参る前に勤めていた会社の制服でございます。」
「ほお、今まで何をしていたのだ、その会社で。」
「役員秘書でございます。こちらでのお勤めが、役員に勤める秘書級のサービスを提供するというコンセプトですので、これまでの制服を使わせて頂いております。」
「楚々とした雰囲気がなかなかいいが、ちょっとこの店に勤めるにしては、スカートが長過ぎだな。」
芳賀は事前に用意していた台詞を演技とは思えない自然な形で口にした。
「もっと短いスカートにすることをお望みでしょうか。それならば穿き替えて参りますが。」
「へえ、そうかい。それじゃそうしてくれよ。」
芳賀は厭らしそうな目付きで再び裕美の身体を嘗め回す。
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