妄想小説
恥辱秘書
第三章 奴隷たちの対決
六
美紀にはこれ以上ない屈辱だった。洗面器の中のものは小水であるのはもうわかっていた。それをこの女に浴びせられるのだ。芳賀が仕組んだ辱めであるのは重々わかっていた。美紀は唇を噛んで悔しさに耐えながら、目の前の女に向かって(それを私に頭から掛けてください)と頼んだ。
きついアンモニア臭が美紀の鼻をついた。美紀の髪から顎から、女の小水が流れて落ちていた。不様な姿だった。
「外のテニスコートの審判台の上に鍵はあるわよ。」目の前の女がそう言うのが、遠くで音楽が鳴るように聞いている美紀だった。美紀には、その女が勝ち誇ったように小水でずぶ濡れになった美紀を残して出てゆくように思えた。美紀にはその後、まだ誰かに見られるかもしれない危険の中を小便臭い身体のまま、両手を後ろ手に繋がれた格好で手錠の鍵を取りに外に出なければならないのだった。
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