看護10

妄想小説

恥辱秘書






第三章 奴隷たちの対決


 三

 目隠しをされた晴江のほうは横に芳賀以外に誰か居るなどとは思いもしない。目隠しをしてどんな悪戯をされるのかばかりが気になっていた。その晴江の手首が突然つかまれ、手錠が掛けられるのが判った。芳賀はこれまで晴江とのプレイの中で何度も手錠を使っており、その使い方にも慣れている。晴江のほうも手錠をされる感触に慣れ親しむほどである。
 手錠の反対側が美紀と同じように鉄パイプに繋がれると、目隠しが外された。(どうするの)と言おうとする晴江を、芳賀が口に指を当てて制する。芳賀がカーテンを潜って出て行きがてら、美紀と晴江の間のカーテンを引き放っていた。

 どちらもすぐに、隣に人が居ることに気づいて慌てて手錠をされているほうの手首を身体の後ろに隠した。他人に手錠で繋がれているなどとは知られたくはない。それはどちらも同じ思いだった。まさかお互いが同じように手錠を掛けられているとは思いもしない。

 「あら、ずっと居らしたの。」最初に声をかけたのは歳上の美紀のほうだった。見たことがある顔だとは思ったが、誰かは咄嗟にはわからなかった。
 「え、ええ。ちょっと人を待っているんです。」
 「あら、私もなのよ。 ・ ・ ・ 。」
 それで言葉が途切れた。何と言っていいかわからない。どちらもが(こんなところで人を待つだなんて)と思っていた。

 手首が繋がれているのを気づかれないように何気なく立っているのは難しかった。自分の向きさえ変えられないのだ。窓が開いていないのでその更衣室はむしょうに暑かった。片手で汗を拭くのだが、いつも同じ手だけ動かしているのが不自然に見えないようにするのに苦労する。
 (窓を開けたらどうかしら)と言おうとして言葉を飲み込んだ。(それじゃ、ちょっと窓を開けてくださらない。)と言われた途端に、窮地に立ってしまう。窓の近くまでは手首を繋がれていては行きようもないのだ。お互いが同じように繋がれているとも知らず、何とか自分の窮状がばれないように思案をしていた。

 その間にも尿意はどんどん募ってきていた。もう普通に立っていることさえ出来ない。しかし、見知らぬ、それも同性の前でお漏らしをするのは、芳賀の前で見せねばならないのとは訳が違う屈辱感がある。そんなことだけは死んでも嫌だと思った。
 それでも募る尿意にもう足を摺り合わせていないと我慢が出来なくなっていた。額には脂汗が滲んできていた。お互いに相手のことを気にしている余裕もなくなってきていた。もうちょっと気を許しただけで、漏れ出てしまいそうだった。

 そんな時だった。やっと芳賀が現れたのは。美紀と晴江の双方がお互いに気づかずに、やっと来てくれたという顔をした。が、芳賀は美紀のほうにまっすぐ向かっていた。晴江は見捨てられたような気がして泣きそうになる。晴江の前でカーテンが引かれてしまった。

 カーテンのこちら側では、美紀が手錠の鍵を外して貰っていた。も我慢の限界に来ていた。股間を手で抑えていなければならない。鍵がちゃんと外れるのももどかしいように、美紀はトイレめがけて走り出していた。

 美紀が出て行った後、芳賀はゆっくりカーテンを開け放つ。その向こうには蒼白の顔の晴江の姿があった。こちらももう限界を向かえて額から汗を垂らしていた。
 その困り果てた女の顔が芳賀の性欲を刺激するのだった。芳賀は奥からアルマイトの洗面器を持ってきて足で晴江の傍に押しやる。その中にしろと顎で指し示す。
 晴江はもうパニックになっていて、その洗面器に手を伸ばす。が、繋がれた手錠の為に、もう少しのところで届かない。今度は脚を伸ばして、それを引き寄せようとする。が、脚を開くと漏れてしまいそうで、震える足で必死になって引き寄せようとするが、なかなかうまくいかなかった。
 やっとのことで洗面器を手前に引き寄せると片手だけの不自由な手でパンティを下ろす。全部下ろし終える前にもう股の間からは小水が流れ始めていた。そのまま崩れこむように洗面器の上にしゃがみこむ。じょろじょろと耳を塞ぎたいほどの大きな音を洗面器が立て始める。その音をせせら笑うように目の前に立ち塞がった芳賀の冷たい目が晴江を見下ろしていた。晴江が気がつくと、芳賀は既に用意していたらしい三脚に載せられたビデオカメラを晴江に向けてセットしていた。カメラが動いているのを確認すると、芳賀は踵を返して美紀のほうを追った。

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