演技4

妄想小説

恥辱秘書






第十章 新たなる調教


 三

 会場らしき広いホールがあって、真ん中に丸いステージがあり、照明は主にそのステージ上だけを照らしている。そのステージを囲むようにテーブル席が並んでおり、その奥に何人もの観客らしき人物が席についている。異様なのは、その客のそれぞれが皆、美紀が付けているのと同じ顔を隠すマスクをしていることだ。まだ客は7割方といったところで、ときどきぱらぱらとやってきては、ボーイに席を案内されている。その殆どは男性客だったが、女性を伴った客も何人か居る。女性は皆思い思いのイブニングドレスで着飾っていて、黒っぽいビジネススーツで着ている美紀は、ちょっと自分の格好が恥ずかしくなる。気づいてみれば、男性もタキシードのようなものを着ているものが殆どだった。
 芳賀と美紀も正面から少し脇に寄った後ろのほうの席に案内される。グラスにはいったシャンパンのようなものが持ってこられ、それを少し口に含むと次第に気分が落ち着いてきた。

 暫くしてステージの照明が落とされ、あたりが真っ暗になる。ステージ上ではなにやら準備が進んでいるようだったが、明かりがないので、黒い影が蠢いているようにしか見えない。
 急にスポットライトが赤々とステージを照らし出し、ジャムロールが鳴る。ステージにはピエロのような格好をした男が立っている。そのピエロもアイマスクをしている。ピエロはショーの司会者らしかった。
 「・・・・それでは、今宵もスペシャルショーをごゆるりとお楽しみください。」

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