森高千里2

森高千里4

エッセイ


ブスだからミニ、美人なのにミニ


 八

 そしてそれまでのミニ頼りだった音楽界にとうとう森高千里が登場する。90年代初頭だったように記憶している。それまでの「ブスはミニ」を覆して、「美女なのにミニ」の時代を将に開拓したのが森高だったと言える。森高の登場により音楽界や女優界は様相が一変することになる。
 最早ミニスカではアイドルの駆け上がる為の武器にはなり得ず、ミニは穿いても顔が美形でなければ受け入れられない時代に突入したのだった。「美人なのにミニ」という言葉もすぐに廃れたように思う。ミニを穿くのは当たり前、それだけでなく美女なのも当り前という時代になったのだ。そこにはブスだけどミニを穿くからという余地は全くと言っていいぐらいなくなった。なので森高以降売れてきたタレントでミニが似会う歌手やタレントはいちいち挙げるのに暇がないほどだ。かろうじて、ミニが似会う美女タレントとして森高直後ぐらいに3Mというのが登場する。

3M

 いわずとしれた宮沢りえ、観月ありさ、牧瀬里穂の三人だ。いずれも脚が長く綺麗で、顔も美形だ。このくらいでないと最早売れない時代になったと言える。

 よく世の中の変化を「~前」、「~以降」という言い方をする。「有史以前」、「有史以降」とか、キリストに前後して「紀元前」と「紀元後」とか、第二次世界大戦、太平洋戦争を前後して「戦前」と「戦後」などというあれだ。
 美女とミニスカの関係で言えば「森高以前」と「森高以降」という言い方が出来るのではないかと思っている。そういう世界における「ブスだからミニ」、「美女なのにミニ」という世界観の終焉があったのだと思う。

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