ツィッギー

エッセイ


ブスだからミニ、美人なのにミニ


 一

 私は世の中にミニスカートが誕生した頃、思春期を迎えたという世代の人間だ。(自分の年を微妙に誤魔化した言い方だが、誤魔化しきっていないかもしれない)なので自分の人生のかなりの部分をミニスカートの変遷と共に過ごしてきたと言っても過言ではない。
 そんな私にとって、人生の初期の頃(これもかなり実際の時期を濁した言い方ではあるのだが)に「ブスだからミニ、美人なのにミニ」という言葉があったように思う。実際に人口に膾炙された言い回しではない。言い換えると、流行り言葉ではないが、暗黙の了解とでもいったらいいだろうか。

 確かに人生のある時期までブスだからミニを穿くのだという時代があったのは間違いないと思う。ミニスカートを流行させたのはツィッギーだというのは定説だ。そのツィッギー自身、私にはとてもじゃないが美人とは思えない。ミニスカートはブスがその身体的欠陥を隠す、あるいは補うものとして存在したのだと思う。

安倍律子

 その時代を代表するタレントに安倍律子という歌手がいる。名前と顔はかろうじて知っているが、はっきりとその時代に知っていたという記憶がない。多分、興味なかったのだろう。ミニスカートには興味があったが、安倍律子という人物には興味がなかったのだろう。そしてその理由は美人ではないからというのが正直なところだ。しかし、世間的には「元祖ミニスカアイドル」と呼ばれているようだ。
 その昔よく有った、後姿でミニスカートの気になる女性が居て、その子に追付いて振り向くと途端に興味が無くなる、とそういうパターンだったのだろう。

   次へ  先頭へ戻る

リンク

ブスだからミニ