annmargret natary baldo

エッセイ


ブスだからミニ、美人なのにミニ


 三

 ミニスカートは欧米が先行して流行し始めたのだが、欧米のスターがどうだったかを振り返ってみる。ミニスカートが流行り出した頃、世の中でセクシー女優として認められていた女性を三人挙げることが出来る。私が憶えている範囲でという意味で、異論は勿論多々あると思う。

 アン・マーグレット、ナタリー・ドロン・ブリジッド・バルドーを私は挙げたい。少なくともセクシー女優の代表という点では異論は無い筈だ。薄っすらとした記憶の中でこれらのセクシー女優達はミニスカートを穿きこなしていたと思う。しかし今振り返って過去の画像を漁ってみると意外とミニスカート姿は少ない。無くはないのだがミニの代表格というほどではない。当時の欧米ではセクシーさを醸し出すのにミニスカートはそれほど重要なアイテムではなく、むしろ脚の付け根まで全体を露わにする水着やレオタードといったものがより好まれていたように思う。彼女たちにとってミニスカートは控えめな衣装だったのかもしれない。彼女達が美人だったかというと微妙なところだ。いずれもエキゾチックでアヴァンギャルドな印象は間違いなくある。そもそも当時の日本では西洋人で金髪だというだけで誰もが美人に見えていた時代なので、美的感覚は麻痺していたのかもしれない。今、振り返ってこの三人の顔をしげしげみると絶世の美人とは言えない。

GraceKerry Candis

 当時欧米で間違いなく絶世の美人であった女性を挙げるとすれば、これも独善的ではあるが、わたしはグレイス・ケリーとキャンディス・バーゲンを挙げたい。好きな女優というより綺麗だと思った女優と言ったほうがいい。この二人についてはミニスカートという印象はまったくない。もしミニスカートを穿いていたら自慢の美形の顔をスポイルしたのではないかとさえ思われる。


 ここまでではブスはミニを穿く、美人はミニを穿かないというには説得力がない。ミニを穿くようになる時代に絶世の美女と呼ばれるような人達はほぼミニは穿かなかったという事ぐらいだ。一方、ブスはミニを穿くのかというと、この時代、欧米からお金を掛けて写真などが日本に送られてくるようなケースではブスはわざわざ(いくらミニを穿いていたからといって)マスコミに載ることはなかったというだけなのだろう。

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ブスだからミニ