良子
- 警察手帳を奪われた女巡査
第一章 奪われた警察手帳
五
男たちは、性欲を吐き出したばかりのけだるい爽快感から抜け出て、身支度を整えると再び良子の前に立ちはだかった。
「立てよ。」
男の一人がズボンのベルトを締めながら、良子に鋭く命令した。
良子はうっすらと目を見開いて男たちを見上げた。男たちは、良子を犯しただけでは未だ足りないといった様子であった。
仕方なく良子は自由にならない背中の両手を突いて脚を曲げてやっとのことで立ち上がった。
「まだこれで済んだ訳じゃないぜ。」
「このうえ、私に何をしようというの。」
「もっと、もっと恥ずかしい目に逢わせてやるんだよ。楽しみにしてな。」
「何ですって。」
男たちは、しかし薄笑いを浮かべただけで良子を見つめている。良子はこれから先、どんな目にあうのか不安に背筋が寒くなった。
「さて、服を着せてやろう。これから外に連れ出すのに、まさか素っ裸っていう訳にも行くまいからな。」
良子の服は既に男たちに奪われてしまっていたし、あたりには良子の着ていたものは下着一枚残っていない。
男の一人が、持っていたバッグから薄っぺらな布切れのようなものを取り出した。
一枚は肩紐の付いていないニットのタンクトップのようなもので、それを脚から穿くように身に着けさせられた。胸のところに入っているワイヤでかろうじて止まっているが、良子の剥き出しの乳房を半分くらいしかかくしてくれないし、ちょっと手をかければいつでも上半身を裸に剥くことが出来るようなものである。
その次に良子に渡されたのは、細かいプリーツのついた極端に短いスカートである。テニス用のスコートに殆ど近いものである。良子は手錠を掛けられたままなので、男二人が良子の肩を押えてそれを穿かせた。太腿が大きく剥き出しになっており、脚の付け根が辛うじて薄っぺらな布地のしたに隠れているという具合である。
軽いフレアなスカートなので、簡単にめくり上げることが出来るだろう。もし風が吹いてきたら、あっと言う間にまくれてしまうに違いないようなものである。
恐れていたとおり、下着は一切渡されなかった。白いソックスとスニーカが男たちの手で履かされた。白いソックスは、良子のあらわなながい脚が素足であることを強調してしまっていた。
背中の手錠をカムフラージュするために、鎖のいっぱい付いた革の太いべるとを腰に巻かされた。両手首に派手なブレスレットが着けられると、殆ど手錠をしているのが分からなくなる。そのうえ更に念入りにブレスレットとべるとの金色の輪が別の小さなリングで固定され、良子が手を背中から動かすことを出来なくした。良子の背中の手には不自然にならないように小さなポシェットが持たされた。
「さて、これで完璧だな。」
男は良子の格好を見て、薄笑いを浮かべる。
「こんな格好で街中を歩かせて、わたしをどうしようと言うの。」
「さっきも言ったろう。たっぷり辱めてやるんだよ。」
良子は恥ずかしさと恐怖に青くなった。
「さて、そろそろ出かけるか。」
「待って。せめて、顔だけは拭わせて。」
良子の口のまわりは先程の、フェラチオをさせられて口内に射精された時に溢れ出た精液がよだれのように垂れ流れて乾いていた。
「俺たちに服従した痕を取ってしまうのは惜しいが、その奇麗なお顔が台なしじゃ可相想だしな。拭いてやるか。 ・・・。そうだ、おい。太郎。おまえ、パンツをちょっと脱げ。うん、そうだ。・・・。いいから早くしろ。」
太郎と呼ばれた男は、言われたように再びズボンを脱いだ。
「おまえのその匂いが染みついたパンツの内側で、こいつの顔を拭いてやれよ。」
「そりゃいいや。顔をこっちに出しな。」
良子はたまらず顔を背けた。そんなもので顔を拭かれるくらいなら今のままのほうがましだった。しかしパンツを脱いだ太郎は良子の額の髪を掴むと、強引に引き寄せて染みの付いた下穿きを良子の顔面に押し当てた。むせ返るような男の匂いに良子は息をつまらせた。
拭き終わってからも良子の顔からは男の体臭が消えなかった。さっき太郎に命じていた男がバックからリップスティックを取り出していた。
「素っぴんじゃみっともないからな。」
そう言って拭われたばかりの良子の唇にかなりどぎつい真っ赤なルージュを塗りたくった。
男たちにこずかれながら、良子は建築中のマンションの外階段を降りた。内部階段もあったのだが、男たちはわざとそちらを選んだのである。下からは予想したとおり風が吹き上げていて、良子の短いスカートを遠慮なく捲り上げた。その都度、良子は腰を屈めて何とかスカートを抑えようと試みたが、背中に手錠で固定された手ではあわらになってしまうスカートの中を隠しようもなかった。
「お願い、せめてパンティだけでも穿かせて。」
しかし良子のそんな願いが聞き入れられる筈もなかった。幸い、工事現場には人影はなかった。しかし、これから先はどんどん街中に引っ張られていかれるのだ。
「逃げたかったら逃げてもいいんだぜ。」
男は不敵にも笑いを浮かべながら良子にそう言った。
「ただし、おまえの穿いているスカートはきっとむしり取られると思ったほうがいいだろうな。そんな格好で逃げていければだが。」
男の言っていることは、きっと間違いないだろう。良子が走りだそうとしても、この短いスカートを掴み取ることは用意だろうし、それを引き千切ることもあっと言う間だろう。そうしたら良子は下半身真っ裸で町中にほうり出されることになるのである。良子は男たちの命じられるまま動くしかないのだった。
町外れの建築現場から街の中心に向かうに従って、行き違う人が増えてきた。擦れ違う男はみんな一様に良子の剥き出しの太腿に釘付けになった。良子の下半身を露骨に見つめる男たちに、良子は軽蔑の視線で睨みつけると、大抵は目をそらすのだが、それでも行き過ぎたあとも、ちらちら伺う視線が良子の下半身と半分剥き出しの胸元に集中した。
歩道橋を渡る時はどうしようもなかった。露骨に良子の脚の付け根を見上げる男たちも多かった。そのうちの何人にも良子は何も着けていない股間を覗かれたに違いなかった。良子は恥ずかしさで自分が情けなく、思わず涙をこらえることが出来なかった。
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