万引偽装

良子
 - 警察手帳を奪われた女巡査





第一章 奪われた警察手帳



 三

 良子はパンティを買う為に、デパートの開くのを待って下着売り場に急いだ。朝早い為かまだ客はあまりいない。パンティとストッキングを買い求めると着替えようとトイレに向かった。トイレに入ろうとした良子の腕を後から来た男が突然乱暴につかんだ。
 「お嬢さん、ちょっと待ってください。」
 「何をなさるんですか。」
 男は良子の手を引っぱるようにして隅のほうへ良子を連れ込んだ。
 「失礼ですが、ちょっとこちらの方へ来て頂きたいのですが。」
 男は慇懃に言いながらも力強く良子を引っぱっていく。良子は従業員用通路を通って、とある小さな部屋に連れ込まれた。売り場の裏側にある奥の部屋である。
 「これは何ですか。」
 男は良子の買った包みを差し示した。
 「これは私が今買ったものですけれど。」
 さすがにパンティですとは恥ずかしくて言えなかった。
 「領収書はお持ちですか。」
 「変なこと、おっしゃらないでください。ここに、あっ変だわ。」
 「どうしたんですか。お持ちでないんですか。それじゃこれは開かせて頂きますよ。」
 「や、やめてください。勝手に . . .。」
 良子が止めるよりも早く、男は包みを開いていた。しかしそこからは良子がさっき買ったパンティの他に真珠のネックレスが出てきた。
 「これはどうされたんですか。」
 「わ、わたしは知りません。これは私が買ったものじゃありません。」
 良子は慌てた。
 「そうでしょうね。つい手に取ってしまったんですか。そしてトイレに駆けこんで。」
 「ち、違います。そんな事ありません。何かの間違いです。」
 良子はことのいきさつに慌ててしまっていて、男がいつの間にか後ポケットから手錠を取りだしていたのに気付かなかった。良子が気付いた時にはがっしりと手錠が良子の手首にしっかりと食い込んでしまっていた。
 「何するんですか。冗談はやめてください。」
 「現行犯なんだぜ、あんたは。警察に引き渡す迄、手錠を掛けさせてもらうよ。」
 そう言うと良子のもう片方の手首にも手錠をはめ、その手錠の鎖を男の強い力で引き上げると、すぐそばの壁の上方に着いている帽子掛けのような鈎に掛けてしまった。おかげで良子は爪先立ちで壁に吊されるような格好にされてしまった。男の背は高く、良子の背では鎖は鈎から外すことは出来そうもない。
 「私は. . . 。」
 (警察官なのよ。)と言いそうになって言葉を呑み込んだ。警察手帳を奪われてしまっている。ここでそれを問題にするのはまずい事になってしまう。そう良子は考え、ここは何とかごまかすことにした。
 「他に何か盗んでいないか、調べさせてもらうよ。」
 男はそう言うと、良子の身体検査を始めた。良子の手の自由が効かないのをいいことに男は良子の身体じゅうを必要以上にまさぐっていく。
 「や、やめて。何も盗んでいません。」
 しかし男はそんなことはお構いなしに良子の身体じゅうを調べまくっている。男の手が良子のスカートに掛かった。両手を吊られている為に、短めのスカートはずり上がっていて、太腿が大きく剥き出しになってしまっている。そのスカートを男は一気にまくりあげた。
 「い、いやっ。」
 「おやっ、何も穿いていないじゃないか。ははあ、そういう趣味もあったのか。」
 「変なこと言わないで下さい。これには事情があるんです。止めないと大声出しますよ。」
 「今は取り調べ中だ。おとなしくしろ。」
 男は良子の口にさっき良子が買ったばかりのパンティをつっこみ猿轡にしてしまった。良子の口を封じると、男は更に大胆になった。ブラウスのボタンをどんどん外していき手を差し込んでブラジャーの中まで手を伸ばしてきた。良子は身悶えして逃れようとするが手錠を掛けられ壁に吊られた状態では男の為すがままである。もう取り調べではなく、明らかに強姦であった。とうとう良子のスカートもジッパーが外され剥ぎ取られてしまった。下半身をすっかり丸裸にされて初めて良子は騙されたのに気付いた。しかし、両手に手錠を掛けられ、口には猿轡をされてしまった後では、もう遅すぎた。
 男は良子を吊り下げたままひっくり返し、男のほうに向かせ、隅のほうからパイプ椅子をもってきて良子の脚の下に据えつけ、良子の脚を開かせると、閉じられないように椅子の足に縛って固定してしまった。
 良子は恥ずかしい部分を剥き出しにさせられている。良子をそんな格好にさせておいて男はカメラを持ち出してきて良子の裸を撮り始めた。
 「後で警察に届けたりしたらこの写真をばらまいてやるからな。おとなしくしてりゃ、この恥ずかしい写真はそっとしまっておいてやるからよ。」
 (この男はいつもこんな事をしているのかしら。絶対捕まえてやらなくちゃ。それにしても、最初に油断さえしなければ . . . 。」
 良子は悔やみながらも何とかしようともがいてみたが、手錠が手首に食い込むばかりでなにも抵抗出来なかった。自由になりさえしたらすぐにでも捕えてやろうと思ったが、さしあたっては男が許してくれるのを待つだけである。しかしそれまでに良子の処女は破られてしまうかも知れなかった。いやもし自分が警察官であることが今ばれてしまったら只では帰してくれないだろうということに今気付いたのだった。良子が警察官であることを示すものは警察手帳だけの筈だが、それは幸か不幸かさっき盗まれてしまったばかりである。
 (ここはおとなしく言うことを聞くふりをしなければ。)
 そう思ったが、男のほうはずうずうしく良子の下半身をまさぐっている。
 「今いい気持にさせてやるからな。たっぷり濡れたら、ほら、こいつをぐさっと挿し込んでやるからな。へへへ。」
 男はそう言うとズボンのチャックを降ろし既に固くなっている一物を取り出して良子に見せるのだった。男は二本の指で良子の開かれた内股をそっとなぞりだした。指は下のほうから股の付け根に向かってゆっくり這い上がってくる。指が将に良子の性器にふれようとした瞬間に男はすっと指を引いた。良子の喉元がなる。今度は脇腹のほうから良子の下腹部を撫で回していく。手が陰毛に触れるかと思うとすっと手を引き、今度は後ろにてを回し、お尻の割れ目から指が這ってくる。ゆっくり執拗に、しかも適当にじらしながら良子の下半身を責めていく。良子は次第に感じてくるのを抑えられなくなってきていた。既に少し濡れてきているのは良子にも分かっていた。良子はオナニーの経験しかなかったがこんなに濡れたことはなかった。縛られて犯されているのに、こんな気持ちになっていく自分が良子は情けなかった。


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