看護13

妄想小説

恥辱秘書






第四章 診療所への罠


 二

 「大きく息を吸って。そのまま。 ・ ・ ・ はい、じゃあ今度は横を向いて。」
 美紀はエプロンの脇から貞操帯が覗かないように注意深く身体を横にする。
 「はい、そのまま。 ・ ・ ・ じゃあ、今度はまた正面を向いて。今度は両手を上に上げて。もっと。そう、少し両手を広げるようにして、掌は真っ直ぐ上に向けて。そう、そうすれば、胸の下の部分が広がって撮影しやすくなるんです。はい、いいですよ。」
 美紀は何も疑わずに命じられるままの格好をした。
 「はい、その次は両手を後ろに回して背中で組んで。肩の肩甲骨が広がるようにすこしずつ背中の手を上に上げて。そう。そのまま。」
 女が縛られているときの、芳賀の一番好きなポーズを美紀に取らせる。出来れば下半身のエプロンも剥ぎ取ってしまいたいと思った。しかし、それでは美紀は警戒してしまう。貞操帯を露わにはしないだろう。

 「はい、もういいです。」という言葉を待ちかねたように、美紀は両手で胸を隠すと、控え室のほうに逃げるように飛び出た。(早く服を着てしまおう。)と脱衣籠に手を伸ばそうとして慌てた。服が脱衣籠ごと無くなっていたのだ。
 (えっ。)
 確か、手押し車のようなものの上に脱衣籠がのっていた筈だった。しかし、今はその手押し車ごとあった場所にはない。

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