廃校1

妄想小説

牝豚狩り



第十章 突入

  その1



 冴子たち三人は、車を見つからないように、道から外れた場所に隠し、徒歩で美咲が連れ去られた場所へ向かった。冴子の上司へは、コンビニを出る時に応援要請の連絡をいれている。狩りの行われる現場では、携帯も圏外になってしまうからだ。
 美咲が連れられたテーマパーク予定跡地は、以前に瞳が連れていかれた学校跡の少し手前の窪地のような坂を下ったところだった。冴子等は、その場所が見下ろせる小山の尾根の上で待機することにした。双眼鏡で確認すると、遥か眼下に、美咲が古い電車車両に連れ込まれるところが見えた。アシスタントはこれまでと同じ三人。いつものパターンだった。
 (もうじき、黒田という首謀者が客達、おそらくそれも三人だろう、を連れてくる筈だ。)
 冴子は、美咲が放たれて、狩りがスタートした瞬間を踏み込むタイミングに考えていた。応援が来るまでは、冴子たちはたったの三人だ。しかも、銃がちゃんと使えるのは冴子と良子の二人だけだった。
 しかし、良子は武道の腕は頼り無かったが、射撃だけは成績が良かった。交通課なので、普段はそんな訓練は多くはない。しかも練習でしか発射したことがなく、実射経験はなかった。それでも大学時代には、射撃部に所属していたこともあり、銃の扱いには自信があったのだ。

 美咲と男達三人の姿が電車の車室内に消えてから、暫くして、山道を登ってくる車のエンジン音が聞こえてきた。冴子が双眼鏡で覗うと、手下の三人とコンビニで乗り換えたワゴン車だった。
 「来たわ。いい、私の合図であそこまでこの斜面を滑り降りるのよ。瞳さんはいざという時の連絡をお願いするわ。もし、万が一私と良子さんで失敗したら、ひとりで山を駆け下りて、助けを呼ぶの。コンビニまで降りれば電話があるわ。」
 「わかった。大丈夫よね、良子さんも。」
 「ええ、私だって、以前は警察官よ。覚悟は出来てる。」
 三人は、お互いの意思を確認して頷きあう。

 四輪駆動車のワゴンが坂を降りてきた。電車の傍らに車を停めると、サングラスの男、黒田は後部座席のドアを開け、三人の客を案内する。
 「今回の獲物は、あの古い電車の中で待っています。皆さん、ご期待の痴漢退治の女警察官です。」
 黒田が客たちにそう説明する。男達が電車の内部を見上げると、割られたガラス窓を通して、吊り革に繋がれた女のシルエットが見える。
 「さ、こっちの踏み台から中へ上がってください。」
 客達が車両に上がってくると、隅にしゃがんで待機していた三人の手下たちも起き上がってくる。客達は遠巻きに吊り革に繋がれた美咲の姿態を嘗めるように検分している。ネット上に載せられていた写真とほぼ同じ警察官の制服姿だが、スカート丈は普通のものよりかなり短い。そこから自慢の長い脚がすらっと伸びている。

 「今回は、痴漢退治の名手ですので、捕獲されたハンターの方には、その後、この格好で存分に痴漢行為を仕掛ける権利が与えられます。存分に痴漢行為を楽しんでいただけます。ちょっと見本をお見せしましょう。おい、ジャック、ちょっとだけ遊んでやれ。」
 黒田が小男に顎で合図する。ジャックと呼ばれた小男は、嬉しそうに顔をにやつかせながら、美咲に近づいていく。
 「いや、何するつもり・・・。」
 はっとして構える美咲を尻目に、小男は美咲の背後に廻る。そして、掌を返して、美咲の尻を制服の上からするりと撫であげた。
 「いや、触らないで。」
 「へっへっへっ・・・。いい感触の尻だ。いい具合に締まってやがる。」
 傍で観ている客達は思わずごくりと生唾を呑み込む。
 小男は今度は美咲の尻にぴったりと掌を押し付けると、ゆっくり揉みはじめた。
 「や、やめて。」
 しかし、吊り革に両手を手錠で繋がれたままでは、どうすることも出来ない。脚をばたつかせて抵抗したところで、所詮どうにもならないことは目に見えている。
 小男は片方の掌で尻を揉み続けながら、もう片方の手を後ろから美咲の腰を抱くような格好で前の部分に這わせてきた。そして、臍の下あたりでスカートの生地を掴むと、ゆっくりとそれを引き上げ始めた。
 「さ、スカートが段々ずり上がってくるぞ。お客さんたちに、そのスカートの下に穿いているものを覗かせてあげようぜ。」
 「いやあ、やめてえ・・・。」
 あまりの辱めに身体を捩るように身悶える美咲だった。

 「よし、その位にしておけ。お客さんの楽しみを先に頂いちゃ申し訳ない。もう、離してやれ。・・・さて、宜しいですか、皆さん。この高慢そうな、美人警官を思う存分いたぶる為に是非狩りを頑張ってください。ルールは簡単です。今回はこの牝豚を縄で縛って放ちます。この先は古い学校跡があって、その先は崖で行き止まりになっています。この牝豚が逃げ込めるのは、その学校ぐらいしかありません。こいつを見つけ出して手錠を掛け、ここまで引っ張ってきた方が勝利者で、この獲物に痴漢をする権利が与えられます。おい、お前ら。用意を始めろ。」
 黒田の合図で、三人の手下が揃って美咲の傍へやってきた。三人掛りで、美咲を押え付け、一旦手錠を外して、両手を背中に捩じ上げると手首にきつくロープを掛けていく。
 もう美咲は抵抗はしなかった。後はとにかく逃げるしかないのだ。冴子たちが助けに来るのを信じて、逃げ回るしかないのだと美咲は覚悟を決めていた。

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