帯縛り

旅愁





 気がついた時、真理子は何もまとわない格好で布団の上に寝かされていた。両手は背中で手錠によって縛られたままである。毛布一枚すら掛けられていないので、豊かな乳房から剃り落され剥き出しになった陰唇まで丸出しのままである。
 もう朝になっていた。あたりは既に明るい。恥部のあたりは犯されたときのままなのかべとついた感じがする。
 影岡の姿は何故か見えなかった。何か身に着けるものをと思ったが、何もなかった。手錠をはめられたままなので、あったにしても着ることも出来ない。立ち上がって、自分のバッグを後ろ手に探ってみた。しかし、下着を含め着るものは全て奪われていた。影岡のバッグはしっかり鍵が掛けられていて開けることも出来ない。
 真理子は途方に呉れて、裸のまま座り込んでしまった。

 その時、部屋の戸がすっと開いた。
 (影岡が帰ってきたんだわ。)
 しかし、それは布団をたたみにきた女中であった。
 中年を少し過ぎたくらいの意地の悪そうな女が、真理子の格好を驚きもしない風で、変態でも見るように侮蔑の眼差しで見下している。
 「あ、あの、. . . これは . . .。」
 真理子はあわてて身を縮めたが、裸を隠すことも出来ない。弁解の言葉も出なかった。
 「布団はあげさせて貰いますよ。ゆうべは随分お楽しみだったようで。」
 真理子が裸でいるのに一向に構わない様子で、女中は布団を片付け始めた。
 「まだ、ゆうべの続きをやっているんですか。お好きなんですね。」
 手錠を掛けられているのを見ても助けようともしない。SM趣味の夫婦が朝まで楽しみを続けていると思っている。真理子は自分が変態扱いされているのが情けなかった。
 「ち、違うんです。. . . 」
 思わず弁解しようと思ったが、言葉があとに続かない。何と言っていいのか分からない。女中は真理子が乗っている布団も真理子をどけさせて仕舞ってしまった。
 真理子はただ部屋の隅のほうで、恥ずかしそうに縮こまっているしか無かった。秘所に毛が無いこともしっかり見られてしまっていた。
 「朝のお食事も、その格好でなさるんですか。」
 明かに侮蔑の意を込めて、女中は真理子に言葉を浴びせた。真理子は恥ずかしさに答えることも出来ないでいた。
 「ではお邪魔しました。旦那様のお帰りがお楽しみですね。ひひひっ。」
 侮蔑的な笑いを残して女中は出ていった。
 真理子はこんな辱めにあったことは無かった。同性に変態扱いされて裸で縛られているところを目撃され喋笑されるとは、真理子の目には思わず涙が溜まった。

 影岡が戻ってきた。朝風呂へ行っていたらしく手拭を手にしている。
 「女中が布団をあげに来たろう。あれは、俺がおまえに恥じをかかせる為にわざと行かせたのだ。縛られているが、そういう趣味なんで好きでやっているんだから心配するなと言ってな。」
 「ひ、ひどいわ。こんな惨めな姿を晒し物にするなんて。. . . 」
 影岡は冷たい笑いを浮かべている。バッグの鍵を開け、中から何やら取り出した。
 「これを身に着けろ。」
 影岡が取り出したのは、ワンピースのテニスウェアのようである。スカート丈が極端に短い。そのテニスウェアのほかは白いソックスだけである。
 「下着を返してください。」
 「おまえの持ってきた服は全て処分してある。今日はノーパンにノーブラだ。」
 真理子の手錠を外しながら影岡がそう言った。
 真理子は裸でいる訳にもいかず、取り合えず与えられた服を身に着けるしかなかった。

テニスウェア

 スカートは思っていたより更に短く、ちょっと腰を屈めると脚の付け根までが丸見えになってしまう。それに生地も薄手なのでブラジャを着けていない胸の膨らみがあらわになってしまう。
 「お願いです。パンティを穿かせてください。」
 しかし、影岡は一切聞き入れなかった。しかも、朝食を旅館の食堂で取ると言って、嫌がる真理子を強引に連れ出した。
 剥き出しの真理子の健康そうな太腿はそれでなくても人目を引いた。階段を降りる時はいつもの倍以上気を使わなければならなかった。かといって、いつもスカートを抑えていては、いたずらに腰のまわりに注目を引くだけになってしまう。
 昨日は殆ど人がいないと思っていたが、食堂には思いのほか人影が多かった。真理子たちは奥の窓際の席に案内された。影岡は真理子を窓を背にして座らせ、自分はわざとその正面には座らず真理子の横に席をとった。その為、真理子の脚はテーブルの下に遠くの席からは覗き放題の格好となった。
 好色そうな爺さん連中が、それとなく真理子の足元を覗き窺っている。真理子は両腿をぴったり閉じ合わせ、手を膝の上に置いて、ガードしなければならなかった。
 影岡は仲居のひとりを呼び、耳打ちする。するとやがて先刻、真理子の裸の姿を見ている例の女中が給仕にやってきた。影岡がわざと辱める為に呼んだのは間違いなかった。
 その女中は真理子を軽蔑するように見下して注文をとった。
 「その短い洋服もなかなか似合っておりますわよ。奥さま。」
 女中は皮肉たっぷりにあられもない格好の真理子を評した。真理子は屈辱感に唇を震わせた。
 「これを受け取ってくださいまし。奥様。」
 女中はわざと少し離れた位置から熱い汁物の碗を差し出した。反射的に両手を伸ばして受け取ろうとして、脚もとが留守になっているのに気付かなかった。まわりの男たちの視線が一斉に自分の股間に集まっているのを感じて初めて気付いた。しかし、女中はわざとその碗をすぐに渡さず、ぐずぐずして真理子を苛つかせた。その間、真理子の股間は無防備だったといってよく、スカートの奥をしっかり覗かれてしまっていた。幸い暗がりでノーパンでいることには誰も気付かなかったようだった。ただ男たちは真理子のスカートの奥に白いものがチラつくのを期待していただけに、不審に思ったようだった。

 すぐに真理子はテーブルの上のナプキンを取って膝に掛けて防護した。が、それさえも影岡が直ぐに取り上げてしまった。さらに、影岡は仲睦まじい夫婦を装って真理子の左手を捕えてテーブルの上から離さないで食事をしたため、真理子は食事の間じゅう、脚もとを隠すことも出来なかった。
 たっぷり宿泊客の、それも男どもに目の保養をさせてから、やっと真理子はテーブルを発つことを許された。
 食堂を出て、広いロビーに出た時、昨夜の三人組が居るのに気付いた。向こうは先に気付いていたらしく、真理子の殆ど剥き出しの下半身を舐めるように見ている。
 通り過ぎようとしたとき、真理子は男の一人が手に隠すように持っている物を見て、血の気が引く思いがした。
 それは昨夜、影岡がベランダに吊した筈の真理子の下穿きに違いなかった。真理子はそのことをすっかり忘れていたのだ。あの下着は朝まであそこに晒し物になっていたに違いない。それを彼等に見つかって奪われてしまったのだった。
 下着を持った男はそれとなく真理子に目配せで合図した。(これが欲しいならちょっと来い)と言っているようだった。

 「済みません。すぐに行きますから、ちょっと先に部屋へ戻っていて下さい。」
 真理子は影岡に頼みこんだ。不思議にこの時は何故か影岡は不審がりもせず、頷いて先に行ってしまった。

 真理子は男三人をまえにして、睨みあうような格好で対寺していた。
 「それを返して頂戴。」
 「ここでは駄目だ。人目につかない処のほうがいいだろう。ちょっとこっちへ来てもらおう。」
 真理子はちょっと身の危険を感じたが、そのままにも出来ず後に従った。
 男たちは真理子を旅館の裏手にある日本庭園のほうへ連れ出した。その奥は木立があって母屋のほうからは見えないような場所になっている。
 「昨夜は随分酷いことをしてくれたじゃないか。」
 よく見れば、真理子がゆうべ股間を蹴り上げた男である。
 「これが返してほしければ、まず謝りな。」
 「それは貴方達に襲われたからよ。貴方達が悪いのじゃなくって。」
 「謝る気がないんなら、それは返せないな。この汚れた染みの付いたやつを。」
 真理子は男が自分の汚れた下穿きを広げようとするのを見て慌てた。
 「わk、分かったわ。あやまります。私が悪かったのです。許してください。」
 「それじゃ駄目だ。そこに手を付いて謝りな。」
 男は地面を指差している。
 真理子は口惜しさに唇を噛みしめながらも膝をついた。
 「わたしが悪うございました。. . . 」
 真理子が地べたに頭を下げている間に男二人が真理子の後ろに回っていた。真理子が立ち上がった瞬間、一人が真理子の口を封じ、もう一人が真理子を羽甲斐締めにした。
 「うううっ。」
 もがく真理子を男たちは更に林の奥のほうへ連れ込んだ。真理子の口には何かの布切れが詰めこまれた。さらにそのうえから手拭をかまされ、声を出せないようする。
 そして真理子はそばの白樺の樹を背に両手を後ろに回させられた。男の一人がズボンのベルトをはずす。その革の紐で真理子の両手を樹に括り付けた。革がぴっしりと腕に食い込むと真理子は男三人を前に全く無防備になった。
 「昨日のお返しをたっぷりさせてもらうぜ。」
 そう言って、真理子の短いスカートに手を掛けた。


 スカートが捲りあげられると、男たちは(ほうっ)という溜め息をもらした。
 真理子のそこはパンティも着けていない上に、あるべき陰毛がすっかり剃られていたからである。
 「これは、. . . おまえは、風呂で小便を漏らしたり、なかなかの変態だな。」
 真理子は猿轡をされたまま、かぶりを振ったが、信じてはもらえない。
 超ミニのワンピースが胸のうえまでたくし上げられた。豊かな乳房までが剥き出しにされた。二人の男の脚がそれぞれ真理子の両脚にかけられ、脚を大きく広げさせられた。
 その脚の中心部に男の指が突っ込まれた。激しい動きで真理子の処女を奪われたばかりの股間を揉みしだいていく。ゆうべの責めが思い出されてくるに連れて、真理子のそこはどんどん潤っていく。
 男が二本の指を抜き取って真理子の目の前に突き出した。それは白く濁った性液にすっかり濡れて糸を引いている。
 「おまえのほうでも、だいぶ欲しがっているみたいだな。」
 男が合図すると、残りの二人が真理子の両脚を持ち上げ、股を大きく開かせた。正面の男はズボンを膝まで下ろすと、その開かれた花園の中心に硬くなった物を突き立てた。
 「おい、俺たちもするんだから、出すなよ。」
 脚を抑えていた男の一人が言った。
 「分かったよ。出そうになったら、顔目がけて出すから頭を抑えろよ。」
 散々ピストン運動して突き上げてから、男が合図すると真理子は顔を男の股間に向けるように頭を下げさせられた。目をつぶった真理子の鼻先に熱いザーメンが飛んできた。
 男が真理子の口にはめられた手拭を引っ張ると、きつい臭いのするその液体は真理子の口元に流れこんできた。

フェラ強要

 休む間を与えずに、次の男が真理子の前に立ち、硬くなったペニスを挿入する。今度の男のはさらに大きく太かった。
 が、わりにあっけなく終わりがきた。見ていたので既に随分感じてしまっていたせいのようだった。今度は抜くよりも前に真理子の身体の中でいってしまっていた。
 男が抜き取ると、真理子の股間からぬるっとしたものが内股を伝って流れ出た。
 三人目の男は、人のした後は嫌だと言って、真理子の縛りあげた手に男の物を握らせた。後ろから真理子の髪を掴み、手で硬くなったものを奉仕させた。
 (ううっ)という声とともに三人目も手の中で果てた。
 三人が終わったあとは、真理子は口元も股ぐらも手のひらも精液でまみれていた。

 「たっぷり楽しませて貰ったぜ。パンティは記念に貰っといてやるよ。」
 「今、猿轡を外してやるよ。」
 男が手拭を外した。真理子はやっとのことで、口から布切れを吐き出した。地面に落ちたその布切れをよく見ると、何とそれは男もののブリーフだった。
 「これは俺が穿いていたパンツだよ。たっぷり味わったろう。その汚れた顔を拭いてやるよ。」
 そう言うと、落ちていたブリーフを拾いあげ、真理子の精液にまみれた顔をそれで拭い出した。
 それはしかし、拭き取るというよりもこすり付けているに等しかった。
 「大声で助けを呼んでもいいんだぜ。」
 真理子は口惜しかった。そんなにされた上で助けを呼んでも、彼等は直ぐに逃げてしまうだけで、辱めを受けるのは自分ばかりである。犯されたばかりの、しかも恥毛もない姿を助けに集まったみんなに晒さねばならない。
 「誰にも言いませんから、ほどいてください。」
 男は少しだけベルトを緩めた。
 「あとは自分で解くんだな。向こうにいるすけべそうな爺じい達に庭に裸の女が居るから見にいけを勧めておいてやるからな。早くしないと素っ裸をみんなに見られることになるぜ。」 
 そう言い置いて、男たちは母屋のほうへ戻っていってしまった。
 残された真理子は背中のベルトを解く為に必死にもがくのだった。


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