浴衣肌蹴

旅愁






 一通り料理が運ばれてしまうと、影岡は仲居たちに託けを渡し、呼ぶまで来なくていいと言い渡した。
 料理は殆ど、影岡の手によって食べさせられた。更にはビールを口移しに飲まされた。それも、かなりの量が真理子の腹の中に注ぎこまれた。
 酔いがまわってきて真理子も差恥心が薄らぎ始めていた。それと同時にかすかな尿意が襲ってきていた。
 次第に真理子は耐えられなくなり、もじもじしだした。真理子はトイレに行かせてほしいと何度言おうと思ったかしれなかった。しかし、それは影岡に新たな苛めを思いつかせることになるのは目に見えていた。
 「おしっこがしたいのだろう。分かっているんだ。その為にわざとビールを一杯飲ませたんだからな。」
 影岡に見透かされていた。真理子はうなだれて頷いた。
 「そのまま行かせると思うか。ふふふ、どうだ。」
 影岡は真理子を見つめた。真理子は必死になって堪えている。唇が震えた。
 「お願いです。後生ですからこれ以上辱めないでください。」
 「俺もさすがにここでしろとは言わん。しかし、トイレには行かしてやらない。さっきの野天風呂へ行ってしてこい。そこ以外では駄目だ。」
 「そんな、はしたない真似は出来ません。どうか、おトイレに行かせてください。」
 「駄目だ。いやなら、裸にしてベランダに放り出してもいいんだぞ。どうだ、そっちのほうがいいか。」
 真理子は首を振る他なかった。
 「あの、腰の帯を解いてください。これを着けたままでは出来ません。」
 「そのまま、しょんべんを垂らすのもおつなもんだが、まあ解いてやろう。」
 影岡は乱暴に真理子の裾をはだけさせると、食事用のナイフで帯を股間の処で切り離した。途端に緊張が緩んで漏れそうで我慢出来なくなった。
 真理子は裾の乱れを直す暇もなく立ち上がった。
 「言いつけどおり風呂場でしてこないと、もっと酷い目に合わせるぞ、いいな。」
 背後で影岡が脅しを掛けた。


 途中、土産物屋の前を通る時に先ほどの三人連れが居るのに気付いた。が、わざと素知らぬ振りをして通りすぎた。
 真理子はもう必死であった。ロビーの前のトイレに駆けこもうとも思ったが、影岡のことだから言いつけを守らなければどんなことをされるか分からない。一路に風呂場を目指して真理子は足を早めた。
 幸い誰も入っていないようであった。あたりを用心深く見渡してから脱衣所を抜け、洗い場の奥に来て、手錠の掛けられた後ろ手のまま浴衣の裾を手繰りあげた。
 剃りあげられた陰部が剥き出しになった。
 (どこかで影岡が見ているに違いない)
 そう思うと、募る尿意とは裏腹になかなか出せなかった。

浴場放尿

 意を決してしゃがみこんだ時、後ろで足音がした。例の三人組であった。真理子の様子を覗き込んでいる気配がする。しかし、その時には既に我慢出来ない状態に追い詰められていた。黄色い流れが激しくほとばしり出た。一旦出すともう止められなかった。
 たっぷり出し終わると、安堵の溜め息をついた。
 「お嬢さん。見ちまったよ。豪快だったね。」
 さっき近づいて来た男だった。やはり見られていたのだった。
 振り向くと三人がすぐそばに来て立っている。三人とも浴衣姿である。
 脇を擦り抜けて走って逃げようとした。が、すぐに男のがっしりした腕に捕まってしまった。
 「みんなが使う風呂場でこんなことしておいて、そのままで済むと思っちゃ困るな。」
 「まだ、あそこも拭いてないんだろ。おれたちが拭いてやるよ。」
 「おい、俺が抑えているから、浴衣、捲りあげろ。」
 男の一人が真理子を後ろから羽甲斐締めにしている。もう一人が真理子の浴衣の裾にてをかけた。
 (脱がされたら、剃られたあそこまで見られてしまうわ。)
 そう思うと、必死の思いで前の男の股間を蹴りあげた。
 「うぎゃっ、. . . 」
 ひるんだ隙に後ろに立つ男の手も振り払って、真理子は風呂場を走り出た。
 裾の乱れも気にしないで、白い太腿をあらわにしながらひたすら走って逃げた。
 部屋に辿り着いた時には、浴衣は完全にはだけきっていて、乳房も両脚の付け根も丸出し寸前になっていた。
 真理子は後ろ手に部屋の戸を閉めると息を付いた。

 「襲われたみたいだな。しかし、着物を剥ぎ取られていないところを見ると未遂に終わったらしいな。. . . こっちへ来い。代わりに俺が犯してやる。」
 影岡はおもむろに真理子の胸ぐらをつかむと、浴衣を無理やり剥ぎ取った。
 真理子は浴衣を手錠のところに引っ掛けたまま、素っ裸で部屋の真ん中に立たされた。
 すでに、食卓は片付けてあり、布団が敷かれている。

 「おまえは処女だな。えっ、どうだ。答えろ。」
 「 . . . そうです。」
 影岡はちょっと思案している風だったが、真理子におもむろに言った。
 「そこに、テングの面があるだろう。それは何に使うか処女のおまえにも分かるだろう。」
 布団の隅のほうにさきほど真理子が買わされた面が置いてある。長く真っ赤な鼻が天を向いて突き出ている。
 「どうだ、俺に処女を奪われるのと、このテングの面に処女を奪われるのとどっちがいい。. . . おまえに選ばせてやる。」
 真理子は影岡の企みに唖然となった。
 影岡に処女を奪われるくらいなら死んだほうがましだと思っていた。が、しかしこんなテングの面に処女の貞操を奪われる、しかも男の見ている前でそんな姿を晒すのは耐え難い屈辱であった。それは想像しただけで、あさましい姿である。
 真理子はためらった。しかし、この男を選ぶというのは真理子のプライドが許せなかった。
 「あなたにされるのは嫌です。」
 「ようし、よく言ったな。それなら俺の見ている前で自分でしろ。そしたら、おまえの処女を奪うのはやめにしてやる。」
 真理子はあとに引けなくなった。
 影岡は楽しそうに縁のソファにくつろいで真理子のほうをじっと眺めている。
 真理子の目の前には真っ赤な面が横たわっている。そのグロテスクな鼻は男の怒張した男根そのものだ。
 「処女でまだそんなに濡れていないから痛かろう。」
 そう言って、影岡は何処からかクリームを出してきてテングの鼻に塗りたくった。
 「どうした、早くしろ。おまえがしないなら俺が犯してやるぞ。」
 「ま、待ってください。. . . み、見ないで。」

天狗跨がされ

 真理子はおそるおそる面を袴いだ。屈辱感で真理子は顔を上げれなかった。
 股を広げたまま、腰を屈めた。テングの鼻が真理子の股間にあたった。真理子は目をつぶって排便するような格好で、そのまま腰を沈めた。
 ずぶっという音がしたような気がした。たっぷり塗られたクリームのおかげで割りにすんなりそれは真理子のなかに埋め込まれた。さきほどまでの辱めで潤んでいたのか、それほどの大きな痛みは無かった。が、これで処女が破られたのだという精神的な苦痛のほうが大きかった。
 「いい格好だ。写真に撮っておきたい格好だな。」
 影岡は立ち上がって真理子の後ろに回ると、面の紐を取り、真理子が自分で外せないように両腿にしっかり縛りつけてしまった。面がゆわえつけられると、今度は自分では立ち上がれなくなってしまった。無理に起き上がろうとすると面の堅い鼻が鼠頸部を引き裂きそうになり、痛みが真理子の股間を貫いた。
 身動きが出来ない真理子の様子を見て、影岡は自分のバッグからポラロイドの写真機を取り出すと、真理子の醜態を写し始めた。
 「や、やめて。お願い。こんな恥ずかしい格好を撮るなんて。. . . 酷いわ。」
 しかし、真理子の悲願もむなしく、テングに犯されている真理子の姿がフラッシュのきらめきの度に何枚も撮られていった。
 真理子の目の前にあるそのうちの一枚がひらりと落ちた。陰毛を剃りあげられ、大きく股を割ってテングの面の鼻を剥き出しの性器に深々と挿し込んでいる自分の姿がそこに写っている。それは誰にも見せられない恥ずかしい姿だった。それを拾い取って、破り棄てたいのに、手錠に両手を繋がれた状態では写真を目の前にしてどうすることも出来ないのだった。
 影岡が背後に回ってきて、肩をぐいっと上から押した。テングの鼻が真理子の性器に更に深く突き刺さる。
 「あううっ、. . . 。」
 痛みと快感が同時に真理子の脳天まで駆け昇った。影岡はそれだけでは許さず、真理子の肩を持って、前後、左右に乱暴に振り回した。その度にテングの鼻は真理子の性器のなかで暴れ回った。
 さんざん、テングの鼻で責めたててから、影岡は面の紐を解き、鼻を真理子の秘所から抜き取った。その長い棒は、赤い鮮血とともに、白いべっとりした真理子の性液にまみれていた。真理子は自分がそんなにはしたなく濡れていたとは思いもよらなかった。
 影岡は真理子の髪をつかんで手錠を掛けた両手を下にして、真理子を仰向けに転がし、足首を持って股を大きく開かせ、怒張した影岡のペニスをいきなり突きたてた。
 「動かないテングの面ではもう物足りないだろう。これから本物で犯してやる。」
 「そ、それでは約束が違います。」
 「そんなことはない。もうおまえは処女ではないんだから。俺は処女は奪わないと言っただけだ。処女ではないおまえをどんなに犯したって文句はあるまい。」
 「ひ、酷いわ。」
 無機的な面の鼻とは違い、影岡のそれは熱く、力に溢れていて、真理子のクレバスの中を自在に暴れ回った。それによる快感も一段と激しかった。真理子は屈辱感に唇を噛んで耐えていたが、次第に抵抗することも忘れて、影岡の動きにいつの間にか身体を合わせていってしまうのだった。




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