痒み堪え

良子
 - 警察手帳を奪われた女巡査





第四章 繰り返される女巡査調教

 四

 その時、ガタンと揺れて、電車が減速をはじめる。
 (駅が近づいたんだわ。)
 それは、良子には痴漢から免れられる期待ではなく、股間を摩ってもらえなくなる不安を呼び起こした。
 (ここまで折角堪えたのに、・ ・ ・ )
 しかし、無情にも、車内アナウンスが次ぎの駅を告げると共に、胸の奥にまで忍び込んでいた痴漢の指が良子の乳首を離れた。男が手を引っ込めるのは素早かった。良子が首を捻って後ろを振り向こうとした時には既に誰が触っていたのか分らないように、誰もが何も無かったかのように平然として立っていた。
 (そ、そんな、・ ・ ・ )
 良子は胸を弄ばれるだけ弄ばれた上に、痒みも癒されないまま触り逃げをされたようなものだった。口惜しかった。口惜しさに、胸をはだけさせられ、ブラジャーもずらされたままなのさえ忘れているほどだった。
 サングラスの男は良子のほうを少し離れたところから凝視していた。
 駅に近づき、降りようとする人たちが扉のほうに向かい出したのに合わせて、良子も降りる振りをしながらサングラスの男のほうに少しづつ身を寄せていった。
 「お、お願い。どうにかしてっ。我慢出来ないわ。」
 消え入るような声で、男にだけ聞えるように良子は囁いた。
 男は良子の視線を無視するように、あらぬ方を向きながら言った。
 「どうしてほしいんだい。言ってみろよ。」
 「あ、あそこを、・ ・ ・ あそこをも、揉んで。」
 (とうとう言わされてしまった。)良子はそう思った。痴漢逮捕を専門にしている警官とは思えない発言だと思った。しかし、男にあそこを慰めて貰うしか、この掻痒感から逃れる方法はなかった。
 良子は男に抱きつくように、股を少し開くようにして男に腰を押し付けた。男の手が良子の下腹部に触れた。が、肝心のところは避けて男の手が良子のスカートを掴んだ。その時、電車が駅に到着し、人群れが一斉にホームに向けて流れはじめた。良子も男にスカートを掴まれたまま扉の外に曳かれていった。そうしなければ、スカートが捲くれあがってしまうからだった。
 人垣がひととおり、駅の改札のほうへ去ってしまうと、再びホームには男と良子の二人だけが残されていた。男の手にはまだ良子のスカートの裾がしっかり握られており、捲くれあがってしまわないようにするには、男に寄り添って立っているしかなかった。良子は、男に腰を押し付けるようにまでして立っていた。が、肝心の痒いところには男は手も触れてくれない。ただ、じらすように痒い部分の周りをそれとなく手の甲で摩るように触れているだけである。それが、一層掻痒感を煽っていた。
 「お願いです。どうにかなってしまいそうです。あそこをなんとかしてください。」
 「どうにかって、どうなってしまうのか見てみたいもんだな。えっ。」
 「そ、そんな。虐めないでください。痒くて、ああもう駄目です。」 
 良子はお漏らししてしまいそうな子供みたいに、脚を擦り合わせるようにして腰を屈めながら堪えている。
 「さっき、痴漢に触られて、いい気持ちになっていただろう。」
 男は言葉でいたぶってくる。
 「いやっ、そんなこと。・ ・ ・ ・ 」
 答えられないことだった。だが、股間を思いっきり揉まれた時の感触は脳裏に焼き付いている。(お願いだから、あの時みたいにしてほしいの。)
 口には出せずに、良子は懇願するように男を上目づかいに見上げる。

 「着いて来い。」
 男は良子のほうを向きもせずに歩き出した。ホームをどんどん奥のほうへ歩いてゆく。その先には、ホームに据えられている公衆便所が見える。
 男はその男性用にどんどん入っていってしまう。

 そこへ付いて入っていくのはさすがに躊躇われた。しかし、良子には選択の余地はない。
 あたりを見回して、こちらに注目している者が居ないのを確かめると走り込むように男子トイレに駆け込んだ。
 男は男性用の小便器を背にして立っていた。手には何時の間にか綿のロープが握られている。
 「こっちへ来い。手錠の鍵を外してやるから背中の手をこちらに出せ。」
 良子は信じられない思いをしながらも、男の機嫌をそこねないように素早く踵を返すと後ろ向きに男にそっと近づいていった。
 男の手が良子の手錠で括られた手首をとらえた。手錠の鍵が外される期待を裏切って、良子は手首に新たにさっき男が持っていたロープが巻かれるのを感じた。
 男は良子の手首に3回ロープを巻くと、もう片方の手にもロープを3回巻き、ロープの両端を軽く縛ってからその綱を引いて、アサガオの上の水道管に括り付けてしまった。
 良子は背中で男性便器を背に括りつけられた為、便器に尻が触れないようにするのに背中を反り返らせ、股間を前に突き出すようにしなければならない。
 男は、良子を縄で便器に繋いでしまうと、ポケットから鍵を出して手錠を外した。
 それから、おもむろに良子の太腿の間に手を入れ、下から撫で上げた。

トイレ揉まれ

 「ううっ、・ ・ ・ 」
 男の二本の指が良子の股間を撫で上げると、良子は思わず声を挙げてしまう。
 「も、もっと。お願い、もう我慢出来ない。」
 良子は男におねだりをする。もう理性は失われていた。
 男の手はスカートを捲り上げ、パンティの両側から指を差し入れてくる。良子はその蹂躙を受け入れるかのように、股を広げてしまう。パンティの両側から二本の指が良子のクレバスの挿入された。もう片方の腕が良子の腰をしっかり抱え込むと、男の指が急に激しくピストン運動を開始した。
 「あうううっ。」
 痒みを癒される快感に、思わず良子は大声を上げてしまう。しかし、すぐに公衆便所の中であるのを思いだし、唇を噛んで声を堪える。
 男の指の動きに合わせて、良子は腰を振ってしまっていた。
 「ああっ、いい。いいの。もっとォっ。」
 良子は完璧に我を忘れていた。良子の股間からはぬるぬるしたものが溢れ出てきてしまっていた。それを感じることも止めることももう出来なかった。
 「ああっ、・ ・ ・ 。」
 今度は良子のほうに絶頂感が訪れていた。それと同時に失禁してしまっていた。内股を伝わってどんどん生暖かいものが流れていってしまっていた。

 男は良子がいってしまって漏らしてしまうのを見届けると、良子の胸元のブラウスで濡れた指を拭い、そのまま良子を残して去って行ってしまった。
 男が扉を出ていくときに振り返って命じた言葉が、良子の頭の中で何度も繰り返し反芻されていた。
 「明日も、同じ時間に同じ格好で来るんだぞ。いいな。」

 いっとき、放心状態にあった良子だったが、すぐに男子トイレに縛られてまま居ることを思い出した。しかも失禁して垂れ流した格好は、説明できるようなものではなかった。

 男の括った縄はそんなにきつくはなかったが、後ろ手で見えない為、なかなか簡単には弛まなかった。が、ようやくもがいている間に少しずつ弛んできた。
 やっとのことで、片方の手首が抜けた時、外から誰かが入ってくる気配と声がした。
 「おい、ここにトイレがあった。もう、ずっと我慢していたんだ。」
 親爺風のダミ声だった。
 良子は慌てた。はやる気持ちになかなか、もう一方の手首を括っている縄が解けない。
 手首が抜けるや、良子が扉に向かってダッシュした。入ってくる男と肩がぶつかった。が、良子は無視してそのまま外へ駆け出した。ぶつけられた親爺風の男とその連れは何がなんだか分らないまま茫然と良子の後ろ姿を見送っていたのだった。

 ホームに出た良子は、男の姿が既にどこにも見当たらないのを確認した。期待はしていなかった。縄を解くのに随分手間取っていたし、男がそんなにぐずぐずしているとも思えなかった。
 一旦、駅の改札を出ようと思ったが、下半身の濡れを思い出して、まず駅校舎内のトイレを捜した。ホームのトイレには戻りたくなかった。
 改札の横にトイレを見付け、今度はちゃんと女子トイレに入る。まずポシェットからハンカチを出して、洗面台でたっぷり水に浸し、個室に入る。ぐっしょり濡れて気持ち悪くなったパンティを脚から抜き取る。スカートの裾も少し濡れていたが、これは我慢することにした。
 濡れたパンティを洋式便器の蓋の上に置くと、スカートを捲り上げて片足を便座の上に上げ、大きく股を広げて、股間を水で湿したハンカチで丁寧にぬぐった。多分、山芋を擦ったようなものだろうと思った。まだ、痒かったが、ハンカチでようく拭き取るとすこしはましになった。
 ひととおり、拭き終わるとスカートを下ろし、ノーパンのまま、個室を出て、パンティと拭き取ったハンカチを洗面台で丁寧に洗った。
 とても短いスカートだったので、ノーパンで居るのは不安があったが、濡れたままのパンティを穿く訳にもいかなかった。首輪をまだ填めていたのを鏡を見て思いだし、背中の鎖と手錠もろとも外すと、丸めてポシェットにしまう。
 濡れたパンティとハンカチもポシェットに仕舞うと、取り敢えず改札を出る。下着を買える店を捜さなくてはと思っていた。


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