
女警護官 捕囚
三
それは冴子には屈辱的な仕打ちだった。むしろパンティは脱ぎ取ってノーパンにされてしまうほうがましだった。
「さ、約束の品物だ。嵌めるのは自分で出来るだろう。」
男は冴子に銃を向けたまま、片手で手錠を取り上げるとデッキの床の上を冴子のほうに滑らせる。
「片手に嵌めたら鎖を手摺の柱に通してからもう片方の手首に後ろ手に嵌めるんだ。」

男の意図は明らかだった。冴子の両手の自由を奪うだけでなく、デッキの桟に磔にして身動きも封じてしまうつもりなのだった。しかし冴子にはその命令に逆らうことも出来ないのだ。

「さあ、お望み通り繋いだわよ。」
男はオートマチックの照準をしっかり冴子のほうに合わせたままゆっくりと近づいてくる。手が届くところまで近づくといきなり冴子の髪を片手で掴んで、思いっきり引き下げる。
「あ痛っ・・・。な、何するの?」
冴子はデッキの柱に手錠で繋がれているので髪を掴まれて引き下げられても、顔を思いっきり顰めて頭を下げるしかなかった。
「ふん。ちゃんと繋いであるようだな。」
男は冴子が手錠をちゃんと言われた通りにデッキの柱に通して両手に掛けたかを確かめたのだった。
「そんな手荒なことをしなくったって、繋いだふりをしてごまかしたりはしないわよ。どうせ、拳銃を突き付けられているんだから下手なことをしてもばれてしまうのは分かっているわ。」
「ふふふ。ちゃんとお前の立場は理解しているようだな。いい心掛けだ。」
「さあ、どんな辱めだってするがいいわ。何をされても抵抗出来ないようにされてしまったんだから。」
「ほう。心掛けだけじゃなくて、察しもいいようだな。これから何をされるのかちゃんと分っているようだ。」
両手の自由を奪われてパンティを下ろされているのだから、次に男がしてくることは冴子にもよおく分かっていた。しかし自分の口からそれを言うことはさすがに出来なかった。
「スカートの下で、スウスウする股間が疼いてきたか。早く男の指の蹂躙が欲しいのだろう。」
「知らないわ、そんな事っ。」
強がってみせる冴子だったが、男の蹂躙に屈してしまうかもしれない不安は隠せない。
「なあ、女刑事さんよ。これも戦いの一部なんだ。絶体絶命のお前にも少しチャンスをやろうじゃないか。」
「チャンスですって?」
「ああ、そうだ。お前がこれからされる俺の指のテクニックに打ち勝って平然としていられたら、お前の手下をここに助けにくるように呼んでやろう。」
冴子には俄かには男の言うことが信じられなかった。
「テクニックに打ち勝つですって・・・?」
「ああ、そうだ。つまり俺の手でお前をイカセられなかったらお前の勝ちという訳だ。」
「そ、そんな・・・。イカされたかどうかなんて、判断しようがないじゃないの。」
「ふふふ。簡単なことさ。お前がその陰唇から何も洩らさないでいられたらお前がイカされずに我慢し通したってことさ。逆に言えば、お洩らしをしちまえばお前の敗けって訳さ。」
「も、もし・・・私が敗けたら、どうするつもり?」
「そん時は、お前の手下を呼ぶ代わりに俺の手下連中をここへ呼びよせる。お前にこっぴどくやられて煮え湯を呑まされた連中さ。憶えているだろう?」
忘れる筈もなかった。冴子は下着一枚に剥かれた格好で何とか四人の男達を捩じ伏せたのだった。その男たちがリベンジに燃えているのは想像に難くない。両手の自由を奪われ、下着を膝まで下ろされた格好で奴等の前に差し出されたら、どんな酷い目に遭うかは想像に難くない。
「ま、待って。で、でも・・・。」
しかし冴子のその一言は男からは完全に無視されたのだった。

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