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ムーン、無残!!



第六章



 ヴィーナス、マーキュリー、ジュピター、マーズの四人の女戦士たちは目隠しをされ、四人まとめてめくらヴァンの後ろの荷席に押し込まれて樹海の森から都心へ運ばれ、稲葉組のアジトがあるさるビルの地下へ連れこまれた。目隠しが解かれた時には、首輪を繋いでいた鎖はそれぞれに離され、マーキュリー、ジュピター、マーズの三人がコンクリート打ちっ放しの壁沿いに埋め込まれた鉄の輪に鎖で首輪を繋がれて床に座らされていた。ひとりヴィーナスだけが三人から少し放れたステージのようになった台の上に、天井の滑車から降りてきている鎖に首輪が繋がれて立ったまま吊るされる。それは明らかに一番抵抗したヴィーナスに仕返しの仕打ちをしてみせしめにするのに違いなかった。四人共、依然としてダークシリスを後ろ手に嵌められたままだ。
 ヴィーナスの足許に50cm四方ぐらいの四角い台が二つ少し離して置かれ、ヴィーナスはその上に上がるように命じられる。命令と共に、滑車から降りてきて首輪に繋がっている鎖が引き揚げられ始めたので、従う他はなかった。台が離れて置かれている為に脚を開いて立つしかない。短いスカートの下の腿にはショーツが下ろされてしまったままで脚を広げているのでピンと両腿によって張られてしまっている。スカートの前はかろうじて剥き出しの恥部を隠してくれてはいるものの、後ろではスカートの裾がベルトにたくし込まれたままなので、お尻が剥き出しのままだ。
 「源蔵親分、さっさとこいつ等、やっちゃいましょうぜ。さっきから、ちんぽが疼いて待ちきれねえ。」
 「待ってました。たっぷり可愛がってやりますぜ。」
 舌なめずりをしながら、欲情を滾らせた目付きで繋がれた女戦士たちを見つめていた男達が口々に叫んだ。
 そこへすくっと源蔵が立ち上がった。そして一人繋がれて立たされたヴィーナスを前に車座に座っている男達を見回しながら皆を静かにさせる。
 「いいか、お楽しみはまだだ。この女共をただ気持ちよくさせるって訳にゃいかねえ。」
 「ええ、親分。それじゃあ、まず仕返しにたっぷり痛めつけてからって訳ですかい。」
 男の言葉に背後の三人たちがびくっと身体を震わせる。
 「いや、それもまだだ。」
 「じゃあ、いっていどうするってえんですかい。」
 「いいか、これはダークシリスって手錠を俺等に託していった男から言い付かった命令だ。この女戦士どもに二度と刃向かう気持ちを起こさせないようにしてやる必要がある。その為には、こいつらの尊厳を徹底的に貶めて、反屈心をズタズタに引き裂いてやらねばならん。特に、こいつ。この、こ生意気な女の鼻をへし折ってやらにゃな。涙を流して許してくださいって俺達に跪くまではどこまでも辱めてやるんだ。痛めつけるのも慰みものにするのもその後だ。いいな、わかったか。」
 源蔵の非情の言葉に、後ろの三人はおろか、気丈なヴィーナスまでもが戦慄を感じ取っていた。
 「ようし、さっき言っておいたあれを持って来い。」
 源蔵が男達に顎で指図すると、男達の数人が出てゆき、やがて大きな薬缶を手にやってきた。
 「おうし。その注ぎ口をこいつの口元に持ってくるんだ。おい、お前は鞭を持って一番端のやつの前に立て。こいつが言う事を聞かなかったら、容赦なくその女を鞭打つんだ。」
 「な、何て酷いことを・・・・。」
 「さ、いいな。全部一滴残らず、溢さずに呑むんだ。嫌がったら、あいつに情け容赦なく鞭をくれてやるからな。」
 「ひ、卑怯ものっ・・・。うぐっ。」
 既にヴィーナスの唇には薬缶の注ぎ口が突っ込まれていた。それを避けることは叶わない。Sマーズを囮に取られていては、従う他はなかった。
 「さ、やれっ。」
 源蔵の合図で命じられた男達は掲げ持った薬缶を斜めに傾ける。
 「うぐっ・・・。ぷっ。ま、待って。そんな急には呑みきれないわ。」
 唇の端から少し水が零れて床を濡らした。
 「おい、やれっ。」
 源蔵が振り向いて後ろの男に命令すると、マーズに鞭が飛んだ。
 ピシィーン。
 「ぎゃあっ・・・。」
 「ま、待って。呑むわ。呑むから、マーズを鞭打つのは止めてっ。」
 必死でヴィーナスが抗議する。すぐさま、また薬缶が傾けられる。
 「うぐうぐうぐ・・・。」
 ヴィーナスは必死で呑みつづけた。

 すっかり薬缶の水を飲み干したヴィーナスが身体を微かに震わせた。それを源蔵も見逃さない。森に誘き出され、罠に嵌められて捕らえられてからもう随分時間が経っていた。変身していない生身の人間の身体では、戦士たちとはいえ、人間の自然の摂理には逆らえないのだ。しかも、その上、薬缶いっぱいの塩水をたらふく呑まされてしまったのだ。
 実は薬缶の水を呑まされる前から、尿意を催してはいたのだ。それは後ろの三人も同じだった。そんなところへ腹いっぱいまで水を呑まされては堪えられる筈がなかった。
 すぐにヴィーナスはもじもじして身体をくねらせ始めた。
 「どうした、女。様子が変だぜ。」
 「くっ、わ、判っているくせに・・・。こんな事して、何になるっていうの。」
 「ふふふ、今に判るさ。さあ、そろそろいいようだから、ビデオカメラを用意しろ。」
 ビデオカメラという言葉に、さすがのヴィーナスも蒼褪める。
 「お前が俺達に屈してお洩らしをする様は、明日全国中に流されるんだ。正義の戦士が俺達に屈したという証拠にな。」
 「何ですって。そ、そんな事させないわ・・・。」
 しかし、ヴィーナスにはそれから逃れる手段など何もないのだった。
 「おい、誰か。こいつのスカート。後ろの裾を直してやって、代わりに前をたくし上げてベルトに挟みこんでしまえ。」
 すぐに脇に居た男が飛び上がるように立ち上がると、吊られて動けないヴィーナスのスカートの裾を持ち上げる。
 「や、やめてっ・・・。」
 ヴィーナスの声は消え入りそうな泣き声になっていた。男達の目にも、後ろの戦士たちにも、ヴィーナスのスカートの下の白いショーツが露わにされた。ヴィーナスはもじもじと両腿を閉じ合わせて堪えようとするが、足許の台が左右に離れて置かれているので、脚を閉じることも出来ないのだった。
 「よし、カメラを廻せっ。一台は股間を、もう一台は顔の表情をしっかり撮るんだぞ。」
 源蔵が非情な命令を発する。
 ヴィーナスのこめかみから汗が一筋流れ落ちた。それがしかし我慢の限界だった。

 最初は白いショーツの下端の膨らみ部に沁みが出来、それが次第に大きくなる。と思う間もなく、下端から滴り始めた。
 男達から、おおっという歓声が湧き起こった。ヴィーナスは口惜しさに目を閉じて唇を噛んで堪えている。床に滴り落ちた滴がポトポト音を立て始める。
 「こいつのパンツを下ろしてしまえ。」
 源蔵から更に非情の命令が下る。
 さっきスカートを捲り上げた男が、今度は後ろに廻ってお尻の部分からスカートの中に手をいれて、ショーツを一気に膝上まで引き下ろす。叢むらに覆われた恥部が剥き出しになる。股間を覆っていた布を喪って、今度は滴が内腿を伝って流れ始める。
 「今度は、こいつのケツの穴にペンをこじ入れてやれっ。」
 「ムムムムっ。」
 ヴィーナスの耳にも源蔵のとんでもない命令は聞こえていたが、括約筋を締めて堪えているのに精一杯で、最早言い返すことも出来ないでいた。
 「あううっ。」
 背後の男がヴィーナスの菊の座にペンをいきなり衝き立ててきたので、括約筋に篭めていた力を思わず緩めてしまう。途端にヴィーナスの丸出しの割れ目から小水が迸り始めた。一旦、勢いをつけるともう止めることは出来なくなってしまった。股間から前方に向けて見事な放物線を描いて、小水が迸り出る。その姿はションベン小僧さながらだった。
 男達は慌てふためいて放水から逃れながら、やんやの歓声をあげていた。

 薬缶いっぱい呑まされたせいで、放尿はなかなか止まらなかった。前方への迸りは勢いを喪ったが、もはや失禁とは言えない量の小水がヴィーナスの前の床に水溜りを作っていたが、それでもまだ股間からは滴が足れていた。
 ヴィーナスはすっかり意気消沈してうな垂れていた。恥ずかしさに顔を上げられないでいたのだ。しかし、源蔵は男に命じて、ヴィーナスの顎を掴んでカメラに無様な表情が写り続けるように顔を無理やり上げさせるのだった。

 ヴィーナスの悲惨な仕打ちを目の当たりにしていた戦士たち三人にも確実に尿意は迫ってきていた。そこへ源蔵に命じられた男三人が、尿瓶を手ににじり寄っていた。
 「さあ、お前達も楽になりたいのだろう。尿瓶を股間に当てて下さいとお願いしてみせろ。心を篭めてこのお兄さんたちにお願いするんだぜ。嫌ならお前たちのリーダーみたいにして立って洩らさせてもいいんだぜ。」
 男の言葉に戦士たちは顔を見合わせる。最早、選択肢はなかった。
 マーキュリーが最初に恥ずかしい言葉を口にした。
 「お願いです。もう、洩れそうです。尿瓶を当ててください。」
 屈辱の言葉だった。それをしかしとうとう言わされてしまったのだ。その様を横からビデオカメラで撮っているのも判っていたが、そういわざるを得なかったのだ。
 男は意地悪く、床に体育座りで股を広げたマーキュリーに下着の上から尿瓶の口を当てる。
 「パ、パンツも下ろして・・・、パンツも下ろしてく、ください・・・。」
 最後は消え入るような声になってしまう。
 マーキュリーがパンツを下ろされるのを横目でみて、ジュピターもマーズも観念した。
 「わたしも、パンツを下ろして尿瓶を当てて・・・。当てて下さい。お願いしますぅ。」
 「わ、わたしもっ・・・。は、早く。洩れちゃう。お願い、早くぅ・・・。」
 二人も恥ずかしさに顔を赤らめ俯きながらそう男達にお願いするのだった。
 ジョロジョロジョロと戦士たちを嘲笑うかのような情けない音が地下室に響き渡っていた。

続き


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