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ムーン、無残!!



第二章




 「じゃあ、今度は俺が相手だぜ。」
 そう言って倒れこんだ男から竹刀をもぎ取ったのは、ムーンが二番目に倒した筈の男だった。
 「そ、そんな。これじゃ、きりがないわ。」
 しかし、ムーンには憤っている暇もなかった。次の男の竹刀がムーンに突き出されていたからだ。ムーンはスカートが捲れてしまうのも構わずに、横に転がって竹刀の突きを避ける。
 バシーン。
 最初の突きは避けたものの、立ち上がろうとしたところで脛を嫌というほど竹刀の先で打たれてしまった。ムーンの足首に激痛が走った。その足を庇うようにして、もう一方の足で床を蹴る。しかし、竹刀の先はその足首も確実に捉えていた。
 バシーン。
 男は着実に足首だけに狙いをつけていた。そうなると避けるのも簡単ではなくなった。激痛を受ける度に、逃げるスピードも明らかに落ちてくる。すると余計に足首を打たれやすくなってしまう。まさに悪魔のスパイラルだった。
 脛ばかりを狙われて、最早ムーンは飛び上がって避けることも叶わなくなっていた。足首にダメージを受けるのを分かっていながらどうしようもなかった。足を引き摺りながらも逃げようとするが、男の竹刀は確実にムーンの足首にダメージを与え続けていた。両手の自由が奪われているのに、足首で動き回る自由を奪われてしまっては、文字通り手も足も出ない。とうとう痛みに耐えかねて、ムーンは膝を折って床に倒れこんでしまう。
 「どうした。もう降参か。それなら参りましたと言ってみろ。」
 この言葉にムーンは目を上げて男を睨みつける。
 「どんな仕打ちを受けたって、あなたたちに降参したりはしないわ。」
 そう言い切ったムーンだったが、そんな強気な言葉を何時まで続けられるかムーン自身にも自信がなかった。
 「そりゃっ。」
 男の竹刀の先が転がったムーンの短いスカートの裾を捲り上げた。
 「きゃっ、嫌っ・・・。」
 しかし、床に転がったムーンには、うつ伏せになって股間を隠すしかなす術がなかった。それは当然、無防備の尻を男たちの目の前に晒すことに他ならなかった。その白い無防備な尻に向かって無情の竹刀が振り下ろされたのだった。
 バシーン。
 「あううっ・・・。」
 攻撃に身体を鍛えぬいたムーンにとっても、さすがに無防備の尻への竹刀の直撃は思わず声を挙げてしまうものだった。見る見る間にムーンの白い尻の肌が赤く腫れて染まってゆく。
 バシーン、バシーン、バシーン。
 続けざまにムーンの尻が打たれてゆく。ムーンの顔が苦痛に歪む。しかし責めはそれだけにとどまらなかった。今度は竹刀の先がムーンの尻の割れ目の真ん中に突き立てられたのだった。
 「あぎゃううっ・・・。」
 さすがにこの仕打ちに、ムーンは悲鳴を挙げた。股間に立ち上がれないような痛みを受けながらも、ムーンは身体を上向かせる。今度は男の竹刀は叢を露わにしてしまっている膝を立てた腿の間を狙っていた。
 「そうりゃあ。」
 ムーンの股間を狙って突き出された竹刀の切っ先を、残る力を振り絞って腹筋で下半身を持ち上げて蹴り除け、横様に飛び退いてから倒れ込んできた男の首を横から両方の脚でしっかりと挟みこんだ。
 「うぐっぐっぐ・・・。」
 ムーンの両脚はしっかりと男の首を捉えていた。そして首の骨を折らんばかりに締め込んでいた。しかしその代わり、スカートは完全に捲れ上がってしまっていた。股間の茂みは丸出しだ。茂みの下の割れ目も、完全に晒されていた。しかし、ムーンはそれでも脚の力を緩める訳にはゆかなかった。手の自由さえあれば、何としてでもスカートの裾を直したかった。が、それは背中の電子手錠が許さないのだった。
 ふと気づいた時には、車座になって対決を見物していた男たちが皆、立ち上がって、男の首を締め上げながらも自分の股間を晒しているムーンの周りを囲んで見下ろしているのだった。当然男たちの視線はムーンの剥き出しの股間に釘付けになっている。男たちは露骨に生唾を飲み込んだり、涎を今にも垂らさんばかりにしている。
 「む、む、む、む・・・・。」
 首を脚で挟んでいる男はあと少しで気を失いそうだった。しかし、その時にムーンは気づいたのだった。この男を倒しても、また次の男の相手をしなければならないのを。しかも両手の自由は奪われたままで、短いスカートの下に何も着けない格好で戦い続けねばならないのを。
 「うひゃあ、いい眺めだぜ。あそこ丸出しっ・・・。」
 「たまらんぜ。割れ目までばっちり見えてるぜ。」
 男達の下卑た揶揄にムーンは堪らず顔を背ける。が、丸出しの股間は隠すことは叶わない。男の首を抑え込んだ脚の力を緩める訳にはゆかないのだった。恥ずかしさに堪えながらも、ムーンは最後の力を振り絞って男の首を締め上げる。
 (早く、気絶させてしまわなければ・・・。)
 ムーンは必死だった。しかし、首を絞められている男のほうも同じく必死だった。何とか脚を振りほどこうとこちらも最後の力を振り絞る。
 「おい、無防備な股間を責めろや。」
 傍で観客として観ていた仲間の一人が、締められている男に知恵をつける。
 (な、何ですって・・・。)
 ムーンが何とかしなくちゃと思った時には、既に股座に挟んだ男の手が股間に伸びてきていた。文字通り、ムーンの股間は全くの無防備だった。男の手がもがきながらもその無防備な股間の割れ目をまさぐってくるのをどうすることも出来なかった。男の指がムーンの陰毛を数本掴むといきなり力を篭めて毟り取った。
 「うぐっ・・・。」
 目から涙がこぼれるほどの痛みが走った。何とか堪えたムーンだったが、男の首を絞めこんている脚の力が少しだけ緩んでしまった。
 男は再び陰毛を掴み、容赦なく力を篭めて更に毟り取る。
 「ううっ・・・、や、止めろっ。」
 しかし、男も必死だった。陰毛だけでは駄目だと思った男は今度は人差し指と中指を揃えて陰唇の中に付きたてた。
 「い、嫌っ・・・。」
 ムーンが腰を振って逃れようとするが、男の指はしっかり陰唇の中に食い込んできた。しかも二本の指で肉襞をしっかり支えながら親指の爪をクリトリスの頭に突き立てたのだった。
 「あぎゃあ・・・、やめてっ。なんてことを・・・。」
 必死に腰を動かして振り払おうとするが、男の指は鉤型になってムーンの股間に食い込んでしまっていた。
 「こ、こりゃあ、堪らん眺めだぜ。いい勝負になってきた。おい、もうちょっとだぞ。もっと責めこんでやれっ。」
 周りの男たちも声援で囃し立てる。
 股間のもっとも敏感なところを乱暴に攻め立てられて、さすがのムーンも脚に力が入らなくなってきた。今にも気を喪いそうだったのが、脚の力が緩んできて少し力が戻った男の指は更にムーンの股間を責め立て始めた。あまりの痛みに今度はムーンのほうが気を喪いそうになる。
 「ああ、もう駄目・・・。」
 遂にムーンは男の頭を挟み込んでいた両腿の力を緩めてしまう。男はムーンの両腿を振り払うと、股間に食い込む指を爪を立てたまましっかり掴んでムーンの正面に向き直る。
 「ぎゃうぅぅう・・・。」
 男が剥き出しの股間に爪を立てたまま、引き千切るように手を振り下ろしたのだ。男の手は股間を離れたものの、あまりの痛みにムーンは意識を失いかけた。ムーンの股間からは赤い鮮血が一筋滴り落ちた。
 一瞬、男の手が離れて反撃に出るチャンスだったが、股間の痛みに痺れてすぐには体勢を立て直すことが出来合い。その隙に男はムーンの片方の足首を捕らえ、仲間が投げて寄越したロープの端をすかさず括りつけてしまう。そのロープの反対側が天井に横に伸びている鋼鉄製の梁に掛けられると、男は体重を掛けて、一気にムーンの身体を吊り上げようとする。両手が自由でないムーンには脚を引き上げられてしまうのに、抵抗する手段がなかった。瞬く間にムーンは大きく股を開いて天井の梁から宙吊りにされてしまう。短いスカートは捲れあがって、血を滴らせている股間を剥き出しにしてしまっていた。
 「や、やめて。恥ずかしい・・・。」
 男はロープの端を壁の柱にしっかり結び付けて、ムーンが脚を下ろせないように固定してしまうと、あらためて。無残な格好のムーンの傍へ近寄ってくる。
 「ふふふ。いい格好だな。さっきの元気はどうした。たっぷり今までの仕返しをさせて貰うぜ。」
 そう言うと、男は自分のズボンから革のベルトを抜き取る。
 「な、何をするの。ま、まさか・・・。」
 ムーンの顔が恐怖に引き攣る。
 パシーン。
 「ぎゃうううぅぅうう・・・。」
 鋭い音が響き渡ると同時に、ムーンの眦から堪らずに涙が零れ落ちる。男の手にした革のベルトの鞭は情け容赦なく、痛めつけられたばかりの股間を直撃していた。
 「まだまだだぜ。ほれっ。」
 パシーン。パシーン。パシーン。
 続け様に男は無防備なムーンの剥き出しの股間を打ち続けた。

続き


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