困惑巡査

良子
 - 警察手帳を奪われた女巡査





第六章 捨て身の逆転

 三

 「お願い。もう我慢出来ないわ。一思いに犯してっ。」
 両手の自由を奪われ、股間をさんざんに蹂躙された良子はとうとう音を上げた。
 「警官のくせに、自ら犯してって頼むとはな。やっぱりお前はただのメス豚ってことだな。」
 「ああ、メス豚よばわりされても構いません。もう、あそこが・・・、あの部分が疼いて我慢出来ないの。ああ、オナニーでもいいからさせてっ。」
 「お前が今ここで俺の前でオナニーしてイクっていうのか。」
 「そうよ。もうこのまま生殺しのままでは頭がおかしくなってしまうわ。」
 「そうか。どうせお前は抵抗も出来ないんだからな。じゃあ、手錠を外してやるから目の前でオナニーしてイッてみせろや。」
 客の男は女警官が自慰で行くところが見てみたくなり、ついに手錠を外してやることにする。その瞬間を良子は逃さなかった。片方の手が外されるや、さっと身を回転させて男の背後に廻ると腕を捩じ上げる。
 「あいてて・・・。何しやがるんだ、てめえ。」
 「何時までも言う通りにしてると思うんじゃないわよ。私を嘗めないほうがいいわ。今度はあなたが懲らしめを受ける番よ。ほらっ。」
 「あぎゃあああ。手、手を離してくれっ・・・。ま、参った。ギブ、ギブだってば。」
 「さ、その手錠の鍵をこっちに渡しなさい。」
 「わ、わかった・・・。判ったからっ。」
 客の男の手から手錠の鍵をもぎ取ろうとした瞬間だった。強烈な蹴りが良子の下腹を襲ったのだ。
 「あうううう・・・。」
 「それまでだな、女警官さん。俺たちがモニタで見張っているとは思わなかったのかい。こんな事もあろうかとちゃんと監視カメラが備えてあるんだよ。」
 「くくっ。そうだったのね・・・。不覚だったわ。」
 「おい、この姐ちゃんを両側から抑えこんでおくんだ。」
 男たちは二人がかりで良子を抑え、腕を捩じり上げて両手を背中で交差させた。
 「ほら、もう一度手錠を掛けさせて貰うぜ。ほら、どうだ。暴れるといけないから足首にも縄を掛けてそこへ吊り上げろ。」
 「へい。このアマ。いま、たっぷり痛めつけてやるからな。」
 男はそう言うと良子の足首に縄を結わえつけてから、天井から降りてきている鎖に縄の端を括りつける。
 「そりゃ、引っ張り上げろっ。」
 男が部屋の隅で滑車を回すと良子は片足をどんどん引かれて宙吊りになってしまう。
 「さ、これでもう抵抗は出来ないだろ。お客さん。ちょっと不意を突かれて吃驚したでしょうが、思いっきり溜飲が下がるまで、こいつを痛めつけてやってくださいな。」
 「ああ、畜生。もちろんだとも。自分でオナニーしたいなんて嘘吐きやがって。今、性根を叩き直してやるからな。これを喰らえ。」
 お客は自分のズボンのベルトを外すと、大股開きをどうすることも出来ない良子の股間に向けて鞭として振り下ろすのだった。
 「あぎゃああああ。ゆ、赦してください・・・。」
 「ゆるしてくださいだとお。甘いな。そりゃあ。」
 パシーン。
 「あぐううううう・・・。」

 「相当懲りたみたいだが、こんなんじゃまだ足りないな。ここじゃなんだから、アジトへ連れ帰って地下牢で最初から叩き直してやろう。もう二度とはむかう気を起させないようにな。」
 良子は下半身蚯蚓腫れだらけにされ、半分遠のきそうになる意識の中で男達の言葉を聴いていた。麻の袋詰めにされ、肩に担がれて車に乗せられたのは、わずかに気配で知っただけだった。

 車が右へ左へとカーブを切り始めたので青梅街道を外れたことを知る。
 (時間は充分足りただろうか。)
 良子は恭子の首尾を思案する。
 「おい、何か目の前で火が出てないか。何か嫌な予感がするな。アジトのほうだぜ。」
 男が車を走らせながらも黒煙と炎を上げているアジトの方角に目を凝らしていたので、車の前後を多くの車が取り囲んでいることに気づかないでいた。やがてそれらの車が一斉に真っ赤な回転灯を点け始めた。
 「そこの車、停まりなさい。もう完全に包囲されている。警察官、拉致、監禁、略取の現行犯で逮捕します。」
 多くのパトカーがワゴン車を既に取り囲んでおり、車は急停車を余儀なくされたのだった。
 (恭子さん、間に合ったのね・・・。)
 散々に痛めつけられた股間の傷が癒えていくのにつれて次第にはっきりしてきた意識の中で、良子はそう呟いていた。

 完 2018.3.19


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