自転車乗り
四
良子は自分をこんな目に遭わせた男達を捜し求めて公園の周囲を再び廻り始めたのだが、男らの姿は何処にも見当たらなかった。そうこうするうちに中年男が仕掛けた前と後ろの穴への刺激が良子に新たなものを催させていた。膀胱の辺りを刺激された為に尿意を催してきてしまったのだった。良子にはもう少し先の公園の内側に公衆トイレがあるのには気づいていた。しかし両手を自転車のハンドルに繋がれたままではトイレに入ることさえ出来ない。
トイレの手前まで来たところで男達が既に居なくなったのを確認してから自転車からひらりと飛び降りる。スカートが翻って下に穿いた下穿きがちらっと見えてしまうのも最早構ってはいられなかった。ドロップハンドルに繋がれたままの格好で良子は自転車を押して公園内に入る。辺りを見回す。出来れば誰か女性に助けを求めたかった。しかし生憎辺りに女性の姿は見掛けられない。公園のトイレの手前のベンチには若い男が一人で煙草を吹かしているのは見えた。尿意は最早一刻の猶予もならない状況まできてしまっていた。良子は意を決して男に近づく。
「あのお・・・。済みませんが、ちょっとお願いがあるのですが。」
「はあ? 何ですか。」
顔を上げた男は短いスカートで明らかに男用の物らしい自転車を押してきた良子を怪訝そうな目で見る。男の表情に実直そうなところは見られず、どちらかと言えばオタクっぽい感じに良子は嫌な予感だけを感じた。
「実は、私、両手をこの自転車のハンドルに針金で括りつけられているのです。自分では外せなくて、お願いですからこれを解いてもらえませんでしょうか。」
ほぼ泣き入るような口調で良子はオタクっぽい男にお願いする。
「えっ? ハンドルに針金で括られている? どれっ・・・。あ、本当だ。」
「あの・・・。私、実はトイレに行きたくて仕方ないのです。もう限界なのです。お願いです。これを解いて頂けないでしょうか。」
「へえ。洩れそうなの? おしっこのほう?」
良子は口惜しさに項垂れて頷くだけだった。
「顔、あげなよ。」
突然、男は良子の顎に手を掛けて上向かせる。
「あっ・・・。」
「ほうっ。両手繋がれてるから何も出来ないんだね。」
良子は口惜しさに唇を噛んで堪えるしかなかった。
「おっぱい、触らせてよ。」
「えっ? 」
「おっぱい、触っていいって言ったら外してやってもいいよ。」
オタク男はニヤリと嫌らしそうにほくそ笑む。良子は募りくる尿意にもう冷静ではいられなかった。
「いいです、触っても。どうぞ・・・。」
そう言うしかなかったのだ。
オタク男は遠慮会釈もなく上に羽織ったポロシャツを少しめくり上げるようにして両手を滑り込ませる。
「へえ、ブラジャーもしてないんだ。」
そういいながら、良子の裸の乳房を鷲掴みにして揉みしだくようにする。
「ああ、お願い。早くしてっ・・・。」
「パンティも穿いてないの? 」
「いえ・・・。ちゃんと穿いています。」
「ねえ。じゃあ、パンティも下していい? だってオシッコするんならどうせ下さなきゃでしょ?」
「わかりました。いいです、下しても。」
もうこうなると良子には男の言うことを何でも聞いて早く楽になりたかった。
「じゃあスカートの中に手を入れるよ。あっ、これだね。さ、パンツ、下してって言って。」
「パ、パンツを下して・・・ください・・・。」
「じゃ、おろすよ。そらっ。あれ、もうちょっと汚しちゃってるみたいだね。沁みになってる。」
「ああ、言わないで。お願いだから、急いでっ。」
「わかったよ。今、解くから。あれ、結構念入りに縛ってあるね。いったい何でまた、こんな目に遭ってるの。何かの罰ゲーム?」
男が手首に嵌められた手枷とドロップハンドルを繋ぎとめている針金を解き始めたが、既に額に薄っすら汗を掻き始めていた良子は既に身体を震わせるまでになっていた。
「お願い。もう駄目。先にパンティを抜き取って。」
男が良子の声に、針金から手を離して屈みこんでいる良子の膝に絡まっているパンティに手を掛けると、良子のほうから片足ずつ上げて脚を抜き取る。両方が抜ける間もなく良子はしゃがみ込んで股を広げた。その中心から放物線を描くようにゆばりが宙に放たれた。一旦緩めた括約筋はもう止めることが出来なくなっていたのだった。
完
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