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ムーン、無残!!



第八章



 「何て、酷いことを・・・。」
 ヴィーナスが受けた仕打ちを、つぶさにビデオモニタで見せつけられた戦士たちは意気消沈してしまい、お互い目配せをすることも辛くて出来なかった。仲間の受けた、あまりに酷い仕置きに、悪党たちに立ち向かう元気をすっかり喪ってしまっていた。
 マーキュリー、ジュピター、マーズの三人はシリス手錠を掛けられたまま、鉄格子の嵌まった牢屋に鎖で繋がれた格好でビデオを見せられていた。尿瓶を当てて下さいと頼むことを強要され、男たちの前で放尿させられた後は、三人共、紙おむつのオシメを当てられた惨めな格好で牢屋のコンクリの床に蹲っている。
 ヴィーナスとムーンの悲惨な映像を見せ付けていた男が、三人の前に立ちはだかって戦意を喪った戦士たちに言い放った。
 「どうだ、お前たち。俺達に逆らったものがどうなるか思い知ったか。さあ、これで降参して、俺達の言う事を聞く気になったか。」
 三人は顔を見合わせる。
 「ここは、従うしか仕方ないわね。」
 マーキュリーがうな垂れてそうぽつりと言う。
 「そうか。それなら、俺達の手下、いや、奴隷となって働く誓いを立てて貰おうか。」
 男は鞭の柄の先でマーキュリーの顎をしゃくり上げ、誓いの言葉を待つ。

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 「駄目よ。そんな言葉を言っては、わたしたちはセーラー戦士なのよ。どんな目に遭っても悪を懲らしめ正義を守ることを捨ててはいけないのよ。」
 突然、後ろのほうからヴィーナスの声がした。男達にヴィーナスとムーンが同じ様なおしめを当てられた惨めな格好で引き立てられてきたのだった。
 「ヴィーナス、ムーン!」
 三人は声を揃えて叫んだ。
 「まだそんな生意気な口を利いていやがるのか。懲りない奴め。」
 そう言うと、牢屋に引き込まれてきたヴィーナスの頭を鞭の柄でコツンと小突く。
 「く、痛いっ。」
 目を剥いて口惜しがるヴィーナスだったが、お尻を蹴られて床に転がりこんでしまう。別の男がすかさずヴィーナスの首輪についた鎖を壁の鉄輪に繋いでしまう。続いてムーンがお尻を蹴られて、もんどりうって床に転がる。ムーンもすぐに鉄輪に繋がれてしまうのだった。
 「そこで少し頭を冷しているんだな。」
 男達はそう言い置くと、牢屋にしっかり鍵を掛けて出ていってしまった。

 「そうか。まだあいつ等、服従する気になってないか。あれでも責めがまだ足りないのか。何かいい案はないかな。」
 部下の報告を聞いて、源蔵は腕を組んで思案する。
 「頭、いい手があります。あいつらをまだ犯してないでしょう。あいつらの股間と尻の穴に、ずいき芋の汁をたっぷり塗った苦瓜と胡瓜を突っ込んで放置するんです。痒みで堪らなくなくさせて、あいつらの口から痒みを癒すために犯して下さいと言わせるんです。自分の口から犯して欲しいと言わされたんなら、さすがに大口も叩けなくなるでしょう。」

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 「おう、そいつはいい案じゃないか。さっそく準備しろっ。」
 部下の提案に相好を崩す源蔵なのだった。
 部下達が戦士たちに非情な責めを与える準備をしに出て行った後、源蔵はふと戦士たちを拘束しているシリス手錠の鍵がちゃんとしまわれているかが不安になった。ダークカインという謎の男からシリス錠を預かった際に、決して奪われることがないように厳重に金庫にしまっておけと言って手渡されたものだ。鍵と言っていたが、鍵のような格好をしておらず、細身のサーチライトのような感じのもので、どうやって使うのかも聞いてなかった。
 源蔵は辺りに誰も居ないか見回して確認した後、金庫の鍵を開ける。ダークシリスの開錠鍵がちゃんんと仕舞われていることを確認する。その時、背後に潜んでいたものがそっと近づいてきていることに源蔵は気づいていなかった。



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 「さあ、お前達。しっかり歩いてゆくんだ。」
 男達に尻を鞭で叩かれながら5人の女戦士たちが引き立てられていく。目隠しをされたまま歩かされているので、何処に連れていかれるのかも知らされていない。男達はまるで雌豚を扱うかのように鞭で叩きながら追い立ててゆくのだった。
 「ようし、停まれ。そこで頭を下にさげるんだ。」
 頬に当たる風で、そこが屋外であることはすぐに判った。首輪の鎖を引かれて頭を前に下げると、下腹部に何かが当たる。横に張られた丸太のようだった。その丸太に覆い被さるようにして上半身を倒してゆくと首が何かに当たる。そのすぐ後に首の後ろから何かが降ろされてきて、ガチャリと音がしたら、もう首を動かすことが出来なくなった。

 目隠しを外された5人は、自分たちが横に張られた丸太の前に据え付けられた拘束具に首を挟まれ固定されたことを知った。それは中世に、鞭打ちの刑などのあと、晒し者にして受刑者を放置するための処刑台だった。頑丈な二枚の板で首や手を挟みこんで動けなくなるように固定するもので、二枚の板の間に首と手首がやっと通るだけの穴が開けられている。蝶番で上の板を開いて、首や手首を通した後、板を戻して錠を掛けてしまうと、抜けられなくなるのだ。手前に渡された丸太のおかげで、お尻を突き出すような格好で五人が並んで、五つの処刑台に首を固定されているのだった。両手は背中でダークシリスがしっかり拘束しているので、処刑台の手首の穴は使われていない。

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 「よし。しっかり固定したら、腰のおしめはもう要らないから剥ぎ取ってしまえ。」
 兄貴格の男らしいのが号令を掛けると、それぞれのもとへ男達が走り寄って、戦士たちの腰からおしめを次々に剥ぎ取ってゆく。男等の前に五つの白いお尻が剥き出しにされた。
 「どうだ。いい格好になったな。」
 「どうしようっていうの、お前達。たとえどんなに鞭打たれたって、わたし達戦士は決して降参したりしないわ」
 強気で言い切ったのは、リーダーのヴィーナスだった。
 「鞭はあんまり効き目がないみたいなんでな。それよりもっといいお仕置きを与えてやろうっていうんだ。これだ。」
 兄貴格の男がヴィーナスの目の前に翳したのは、二本の野菜だった。先がくの字に曲がった胡瓜と、その倍の太さはあるイボイボのついた苦瓜だった。
 「このバケツに入ったものが分かるか。ずいきという芋を摩り下ろしたものだ。このどろどろべとべとの汁をたっぷり塗りたくって、お前達の剥き出しの二つの穴に挿してやるのさ。するとどうなると思う?」
 男はそう言いながら手にしていた二本の野菜の先をバケツの中のどろどろの汁に浸してかき回す。
 「暫くすると、地獄の痒みが襲ってくるって訳さ。その痒みから逃れたければ、俺達にお願いして肉棒を突き刺して痒みを癒してくださいって頼むしかなくなるのさ。どうだ。」
 不敵に歪んだ笑みを浮かべる男に、ヴィーナスは睨み返すしかなかった。しかし、男の言葉を聴いただけで、恐怖感がむらむら起き上がってくるのは否めなかった。
 (地獄の痒み・・・。そんな責め苦に耐え切れるだろうか。)
 ヴィーナスは地獄の痒みに耐え切れなくなって、男達にペニスを挿してくださいと頼んでいる自分たちの姿をつい想像してしまう。
 (そ、そんなこと・・・。そんなことになったら、戦士としての誇りは粉微塵に吹き飛んでしまうかもしれない・・・。)
 そんな恐怖の想いをめぐらしているのはヴィーナスだけではなかった。

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 「どうしよう、ヴィーナスっ。わたし達、耐え切れるのかしら。」
 不安に怯えたムーンがヴィーナスを横目にみながら声を掛ける。
 「が、頑張るしかないわ。耐えてみせるのよ。ねっ、みんなっ。」
 「わかった。こいつらの悪だくみに頑張って耐えてみせましょう。」
 それぞれに声を掛け合うが、丸太に覆い被さった尻から伸びた脚は、皆それぞれに震えていた。

 「ようし、みんな前に差す苦瓜と、尻に差す胡瓜にたっぷり汁を擦り込んだら、女共の後ろに立って準備しろ。俺が声を挙げたら、一斉に突き刺すんだ。」
 男達は手に手に、苦瓜や胡瓜を持って戦士たちの後方に並ぶ。
 「みんな、いいか。それじゃあ・・・。」
 「待ちなさい、お前達っ。」
 兄貴格の男がスタートの合図をしようとした将にその瞬間男達の後方から甲高い声が聞こえた。
 処刑台のある広場の後方にすこし高い築山がある。その頂上から一人の女が処刑台に群がる男達を見下ろしていた。両手に黒い棒状のものを手にして男達に向けて構えていた。
「なんだ、てめえは。誰だっ。」
 「ちびうさ・・・。いや、ミニムーンじゃないの。」
 「ミニムーンだとお・・・。」
 男等が見上げたその瞬間、ミニムーンが手にしたものが鋭い光のビームを放つ。あまりの眩しさに男達は一瞬目が眩んで手で押さえる。
 そのビームが戦士たちの背中のダークシリスに当てられると、シリス錠は真っ二つに割れて吹っ飛ぶ。次々に戦士たちの電子手錠が開錠されてゆくのだった。
 ダークシリスが外されたことに気づいたヴィーナスが皆に直ぐに声を掛ける。

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 「変身よ。変身するの。ヴィーナス、メタモルフォーーーーーーーーーーゼス。」
 ヴィーナスの身体が一瞬にして光り輝くと拘束具がばらばらに吹き飛び、セーラー戦士のコスチュームに身を包んだSヴィーナスが現れ、宙に飛ぶ。
 それを見たムーンや他の戦士たちも一斉に声を挙げる。
 「ムーン・メタモルフォーーーーーーーーゼス!」
 「マーキュリー・メタモルフォーーーーーーーゼス!」
 「ジュピター・メタモルフォーーーーーーーゼス!」
 「わたしもよっ。マーズ・メタモルフォーーーーーーゼス!」
 拘束具を吹き飛ばしたセーラー戦士たちが次々に新たなコスチュームに身を包んで宙に舞った。
 「な、なんだぁ、こいつら・・・。」
 突然の変身に、たじろぐ男達だった。
 「今まで散々ひどい事をしてくれたお返しをしてやるわ。Sムーンが月に代わってお仕置きよーーーっ。ムーン・サイクローーーーーーン」
 ムーンが手にしたムーンスティックを振り上げると、大きな竜巻が発生し、男達を次々になぎ倒してゆく。
 「ムーン、待って。こいつらにはセーラーパワーまで使う必要はないわ。生身のわたし達で充分戦えるわ。」
 「そ、そうね。セーラー・レジーーーーーーム。」
 ムーンが再び変身して、元のミニスカ女子高生の格好に戻る。4人のセーラー戦士たちも変身して次々に女子高生の姿に戻ってゆく。
 「ちびうさっ、ありがとう。生きていたのね。心配していたわ。でももう大丈夫。わたし達の力でこの悪党共をたっぷり懲らしめてやるからね。さ、みんな。行くわよ。」
 女子高生の姿になった5人の戦士たちは、ひるんで腰を抜かして座り込んでいる男達に向かって走り出していた。

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