humio1

文夫と美津子





 女達に案内されて、その部屋へ連れ込まれた文夫は、薄暗い中にただ一つ明るく点っているモニタ画面を見て、身体を強張らせた。画面には、後ろ手に縛られた美津子のうな垂れた顔が写っていたからだ。
 「あ、み、美津子・・・。」
 思わずモニタ画面に走り寄って、少しでも美津子の姿をしっかり確認しようとする文夫だった。
 うな垂れた美津子の顎の下に、竹刀が当てられている。竹刀を握っている者は画面から外れているので、誰なのかは判らない。映っているのは美津子の上半身だけなのだが、様子から正座をさせられているように見える。美津子の両腕を背中で拘束しているらしい縄は美津子の豊かな胸元にも廻されていて、胸の上下で二重に美津子の二の腕ごとしっかり縛り上げられている。

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 「ど、何処にいるんだ。美津子は、何処にいるんだ。」
 女たちはほくそえむような眼差しを文夫に向けていた。
 「そんなに、心配になる、その女のことが。よっぽど大事な人のようね。」
 「美津子をどうしようっていうんだ。美津子のところへ連れていくって言ったじゃないか。何処なんだ、美津子は。」
 「まあまあ、そんなにがっついて慌てないでよ。逢わせる為にはちょっと条件があるのよ。いいこと。まずこれをつけて。」
 女の一人が文夫に突き出したのは、布で出来たアイマスクだった。ゴムバンドが付いていて、頭の後ろで留めるようになっている。
 「目隠しをしろっていうのか。」
 「そうよ。向こうに着くまでは見られちゃ困るものもあるのよ。」
 「・・・、判った。これでいいんだな。」
 美津子のことが心配で、冷静に考えられなくなっていた文夫は、女たちの言う事をとりあえずは聞いておくことにしたのだ。
 「お次は両手を後ろに出して。」 
 「何をしようというのだ。」
 文夫は不安になりながらも、美津子を救い出す為なら言う事を聞いておかねばならないのだろうと、視界を奪われたまま、両腕を後ろに廻す。
 女の温かい手が後ろに突き出された文夫の両手を握り締めたと思ったすぐ直後、ガチャリという音と共に文夫の手首に冷たい嫌な感触が走った。
 (手錠か?)
 慌てて女の手を振り払って、もがこうとして、両手はしっかり繋がれてしまったことに気づいた。
 「暫くの間だけよ。急に暴れられたら困るからね。大人しくしていてくれたら、直ぐに外してあげるわよ。」
 間髪をおかずに、今度は足首のほうにも女の手が廻ってきたことを感じる。ズボンの裾がたくし上げられ足首にも何かを巻かれている。ジャラジャラいう音で、鎖のようなものが付いていることが感じられる。足首に巻きつけられているのは、革製のベルトのようだった。

humio3


 「さ、じゃあ着いて来て。」
 女が二人がかりで、文夫の繋がれた両腕を取ると、目隠しをされた文夫を前へ案内する。足首のとこで繋がれたらしい鎖のせいで、大きく足を踏み出そうとすると、つっかえて転びそうになる。それを女たちが二人がかりで支えながら、前へ前へと進んでいく。

 途中階段を何段も降りたことから、地下室へ向かっていることが目隠しをされている文夫にも察することが出来た。暫く階段を降りたところで、背後の上のほうでガチャリと何か重たいものが閉められるような音がした。文夫には牢獄へでも連れ込まれたような気分だった。

 空気の流れで、また目の前でドアか何かが開かれたようだった。その向こうに人の気配が感じられる。平になったところを真直ぐ歩いていかされると、両側の女たちの手が文夫の動きを制した。
 (どうやら着いたらしい。)
 その文夫のすぐ横で何やらジャラジャラという音がする。その音のほうを振り向こうとする文夫の首に何やら冷たいものが巻かれた。咄嗟に逃げ様とする文夫だったが、目隠しされて見えないために、どちらに逃げていいか判らない。女達の手のほうが素早かった。文夫はどうも革で出来た首輪のようなものを嵌められてしまったらしいことに気づいた。その首輪には天井から降りている鎖が繋がれているようだった。
 「さ、これで準備完了ね。そろそろお目目を見えるようにさせてあげるわ。」
 文夫の背後で女の声がすると思ったら、後ろから文夫のアイマスクが外された。
 「こんなことして、いったいどうしようって、いうんだ。」
 そう言いながら、部屋の明るさに目をしばたかせながら、視界を徐々に取り戻している文夫にはっとするような光景が目の前に広がっていた。美津子が両手、両足を広げるような形で、X字型に交差する太い梁のような柱に縛り付けられているのだ。両手首、両足首に巻かれた革製の拘束具は柱の四隅に頑丈に取り付けられた金具で固定されている。その美津子の目にもアイマスクが嵌められて視界が奪われている。
 「ふ、文夫さん・・・なの。」
 美津子は文夫が上げた声に気づいた様子だった。
 「み、美津子さん。今、助けてあげます。おい、こらっ。早く、こいつを外せっ。」
 その声にはっとなったのは美津子のほうだった。
 「ま、まさか・・・。文夫さんまで捕らえられてしまったのではないでしょうね。ああ、こんなところへ。」
 捕えられたという美津子の言葉にはっとしたのは文夫も同じだった。その時、初めて文夫は状況を正確に把握したのだった。美津子のところへ案内してあげると言われて、何か悪巧みを考えているのではと最初は疑った文夫だったが、女達だけらしいと察して、いつでも自分の腕で捻じ伏せられると油断していたのだ。いよいよ美津子のもとへ連れていってもらえるという思いが、文夫に冷静さを失わせてしまっていた。目隠しだけならと女達の言うとおりになってやったのだったが、その後手錠を掛けられてしまうとまでは考えていなかった。それでも、美津子のもとへ辿り着いたらすぐに外して貰えることと信じていたのだ。首輪を嵌められ、天井から下がった鎖で繋がれてしまった今となっては、どんなにか弱い女であろうと、文夫には何の抵抗する手段もないのだった。

humio4


 「そうよ、あんたの大事な文夫ちゃんは、あんたを餌にしたら、まんまと罠に引っ掛かって、掴まえられちゃったって訳。」
 女は嘲るように、文夫の鼻を摘まんで捻る。
 「よせっ。何をする。」
 首を振って逃げようとする文夫を天井から下がった鎖と首輪が文夫の動きを制する。文夫は身を交わして逃れることすら出来ないのを思い知らされた。
 「さ、あんたにも、自分の恋人の惨めな姿をようく見さしてあげるわ。」
 女の一人がそういうと、美津子に近づいていって、目隠しを剥ぎ取った。おそるおそる頭を擡げた美津子は怖れていた状況どおりであることに、絶望の表情を露わにした。
 「ああ、わたしの為に、文夫さんまでが・・・。文夫さん。こんなところへ来てはいけなかったのに。」
 今にも泣き出しそうな顔で美津子は目の前の拘束された文夫のほうを凝視する。
 「おい、お前達。卑怯だぞ。早く放せ。」
 女たちの一人のリーダー格らしいのが文夫の前に立ち塞がった。
 「案外、あんた、物分りが悪いようね。あんたが今どういう立場なのか、まだ判っていないの。いいわ、判らしてあげる。」
 リーダー格らしい女は振り向くと、Xの字に括られている美津子の足許に落ちていた竹刀を拾い上げると、再度、文夫のほうへ振り向き、竹刀の先を文夫のほうへ向けた。
 「な、何するんだ。」
 女は(ふふふ)と口元を捻じ曲げて不気味な笑みを浮かべた。
 「とおっ。」
 気合もろとも、女の手にした竹刀の先が身動き出来ない文夫の股間をいきなり突いた。
 「あううう・・・・。」
 いきなり急所を突かれて、文夫は顔をゆがめ、声も出せなかった。 
 「まずはご挨拶の一発目よ。ご所望なら何発でもお見舞いするけど。」
 「や、やめて。そんな酷いことっ。文夫さんに変なこと、しないでっ。」
 堪らず、美津子が叫び声を上げた。
 「あら、嫌だ。恋人の大事なところを傷めつけられちゃ、困るって顔してるわね。そう、それじゃあ、痛めつけるのじゃあなくて、今度は歓ばせてあげようかしらね。貴方の見ている前で。」
 女の言葉の意味が判らずに、呆然とする美津子だった。
 「さ、お嬢さんの大切な文夫坊ちゃんのムスコを目の前にご披露してやんな。」
 女が顎で命ずると、後の二人のほうの一方がさっと文夫の背後に迫りよった。身の危険を感じて、脚を上げて防ごうとする文夫だったが、女の足が文夫の両足を繋いでいる鎖を踏みつけてしまうのが一歩早かった。最早、足を上げることも出来なくなってしまった文夫だった。女が後ろからズボンの股間に手を伸ばしてきた。
 「やめろ。何するんだ。触るな。」
 しかし、女は手早く、文夫のズボンのチャックを探り当てるや、それを下に引き下す。そして器用に手探りで、文夫のブリーフの中に手を入れていく。
 「嫌っ。」
 あまりの仕打ちに横を向いて目を伏せたのは、辱めを受けさせられている真正面の美津子のほうだった。
 「ほらっ、横を向いてんじゃない。ちゃんと観るんだよ。お前の大事なあの人だろっ。」
 女はそう言うと、美津子の髪を掴んで無理やり文夫のほうを向かせる。目の前の女は既に文夫の陰茎を捉えていて、それをズボンの外に引き摺り出していた。
 女達の目の前に曝け出されたそのモノは、だらしなく萎えて自由を奪われた文夫の股間にぶら下がっていた。
 「ああら、情けないチンチンだこと。意外とちっちゃいのね。さっきの一撃が効いちゃったのかしら。」
 後ろに廻った女は、汚いものでもいじるように、文夫のしぼんだペニスを摘まんで振り回す。
 「やめろっ。触るな。」
 強がってみせる文夫だったが、どうにも抵抗出来ない。手錠を掛けられた手だが、背後でまさぐって女の服を掴もうとするが、さっと身を交わされてしまった。
 「後ろ手の手で邪魔されないように、手首をガムテープでぐるぐる巻きにしちゃいな。」
 リーダーが命令すると、女は二人がかりで文夫の体を抑え、指先からガムテープを巻いていってしまう。これで最早文夫には何の抵抗も出来なくされてしまった。
 「さ、恋人のおちんちんを見た感想はどう。初めてなんでしょ。恋人のを見るのは。」
 男の陰茎をまざまざと見せられて真っ赤になっている美津子の様子をみて、リーダー格は勝ち誇るかのように美津子に言うのだった。

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 「もっと立派なものだと思ってたでしょ。大丈夫よ。こいつだって男だもの。すぐに立派な姿にさせてあげるわ。」
 女の言葉に何かの企みを感じ取った文夫と美津子は一瞬お互い目を見合わせる。
 「おい、何を考えているんだ。ふざけた事をするんじゃないぞ。」
 「ああら、まだ強がってるんだ。さ、恋人の前で、男らしいところを見せてやって。」
 そう言うと、リーダー格の女が文夫に近寄ってきて、いきなり両方の掌の中に文夫のペニスを包み込んだ。
 「さ、たっぷり可愛がってあげるわ。さ、逞しくなって。」
 女は文夫のペニスを両手に挟んで、ゆっくり揉みしごいていく。
 「ううっ、・・・。」
 美津子の前だけに、他の女の手で勃起させられるのは文夫にとって堪え難い屈辱だった。しかし、男の生理には逆らえない。女の手の蹂躙に、どんどんペニスは膨らみを増していく。
 「ほらっ。どう、美津子ちゃん。大事な、大事な、貴方の手じゃなくても、こんなに男らしくなってきた。」
 大きく、太くなってきた一物を今度は二本の指で根元を挟んで、ぷりぷりと上下、左右に振り回し始めた。さきほどよりも明らかに大きくなってきた恋人の陰茎を見せ付けられて、恥かしさに顔を真っ赤にしながら、目を伏せようとするが、その度に別の女が横から美津子の髪を引っ張りあげ、何としてでも見届けさせようとする。
 「大分、大きくなってきたけど、まだ硬さが足りないわね。じゃあ、美津子ちゃん。男はどういう時に欲情するか、ようく見せてあげるわ。」
 リーダー格の女は、美津子の横で髪を掴んでいる女に向かって顎をしゃくりあげる。
 合図された女は、合点とばかりに頷くと、空いているもう一方の手で、美津子の膝元のスカートの裾を掴んだ。その日の美津子は薄手の襞の多い、セミロングのフレアスカートを穿いていた。膝丈すれすれぐらいのドレッシーなものだ。上品そうな出で立ちは、文夫も好んでいてくれると思って選りに選った服だった。その上品そうなスカートがゆっくりと女の手でたくし上げられようとしていた。美津子の膝頭が覗き、その上の白い腿が露わになると、文夫の股間のモノが俄かに反応した。びくんと動いて鎌首を擡げたのを美津子も見逃さなかった。
 「や、やめろっ・・・。美津子さんを辱めるのはやめてくれっ。」
 必死で頭を振る文夫だったが、目は露わにされた美津子の太腿から動いていない。
 「ああら、あんたのここは、もっと見たいって言ってるわよ。」
 どんどん硬さを増して、上向きになっていく陰茎を女は、横からそっと手をあて、裏側のカリの部分を撫でて摩る。
 スカートが股下ぎりぎりのところまで持ち上げられると、女はウィンクしてみせる。
 「これ以上は今はお・あ・ずけっ。」
 そう言うと、たくし上げたスカートの裾を美津子が腰に巻いている細身のベルトの中にたくし込んでしまう。
 「さ、今度はいい声で泣いてみせてっ。」
 女は美津子の足許にしゃがみこむと、露わになっている太腿の内側に手を差し入れた。
 「ひえっ、や、やめてっ。」
 逃れようとする美津子だったが、両手、両足をがっしりと留められていて、こちらも身動き出来ない。女の手は容赦なく、美津子の内腿を這い上がっていく。美津子が辱めに顔を歪めるのと同時に、文夫のペニスは天を向いていく。
 女の手が、とうとうスカートの中に潜り込む。それを観ている文夫の喉がごくっと鳴った。その直後に、美津子が(あっ)と声を挙げたことで、女の指先が美津子の脚の付け根に達したことが察せられた。
 「や、やめてくれ・・・。」
 その文夫の声は、力なく、奮えていた。明らかに、その先、どうなるかを期待している目で美津子の屈辱を見つめていた。
 「あううう・・・。」
 女がスカートの中で、捉えた美津子の股間を、下穿きの上から揉みあげると、美津子は口惜しさと恥かしさに身を震わせた。

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 女は指先で美津子の股間を捉えたまま、ゆっくりと腰をあげ、美津子の傍らに寄りそうように立ちあがる。その指先はゆっくりと、しかし力を込めて、美津子の股間を揉みしだいていく。身悶えする美津子の一挙手一投足に、最早文夫は我を忘れて見入っている。そんな姿を見ながら文夫の傍らの女は硬くそそり立っている文夫のペニスをしごく手の動きを早めていく。
 「ああ、ああ・・・・。」
 文夫は思わず我を忘れて、声を挙げた。その瞬間、女が握り締めている男根が激しく暴発した。
 「さ、よく見て。あんたの恋人のここよ。ほうら、出しちゃったわよ。あんたが虐められている姿が、とても気に入ったみたいね。」
 ペニスの先からは、まだ白い濁りがどろどろと滴り落ちていた。美津子の悶える姿についイってしまった文夫は、まだ何が起きたのか冷静に考えることすら出来ずに呆然と立ちすくんでいた。
 自分の恋人が目の前で射精するのを見せられた美津子は、何が何なのかもわからず、ただ悲しくなって泣き出し始めた。そのすすり泣く声を耳にして、文夫は自分の情けなさに首を垂れてしまう。
 「ご、ごめん・・・。美津子さん。」
 「ああら、謝ることないのよ。気持ち良かったんでしょ。男は素直にならなくっちゃ。」
 どんどん勢いをなくして、縮こまっていく濡れたペニスをみながら、女は文夫の耳元に囁くのだった。
 その声にふっと我に返った文夫は、吃と女を睨みつけた。
 「畜生、何てことをするんだ。」
 あまりの屈辱に身をわななかせて、何とか抵抗しようとする文夫だったが、首輪に繋がれて、指の先にはガムテープをぐるぐる巻きにされた状態では、どうにもこうにも何の手出しも出来ない身の歯痒さに怒りを募らせるばかりだった。

 「さ、まだまだ一回戦よ。若いんだから、まだまだ立てるわよね。そんなに萎えて縮こまっちゃっていたら、男っぽくないわよ。恋人を前にして恥かしいでしょ。さ、又、立たせてあげるわよ。」
 女は文夫の濡れそぼった一物をタオルで拭ってから、しゃがんで文夫が床に粗相した精液も拭き取った。
 「このタオルは、後で、美津子ちゃんにちゃんと猿轡を噛ませる時に使って味わわせてあげるから、心配しないで。」
 その悪巧みに文夫と美津子は再び目を見合わせ、それからお互い、恥かしげに顔を伏せてしまう。

 女の一人が部屋を出ていくと、すぐにパイプ椅子をひとつ持って帰ってくる。その椅子を文夫が繋がれて立たされているすぐ脇に据え付けていると、もう一人がX字の柱に磔にされていた美津子の手を片方ずつ慎重に外し縄で後ろ手縛りに変えていた。美津子はずっと繋がれていたことに疲れ果て、抵抗する力も失ってしまったかのように、ただ女にされるがままに大人しく縛られている。両腕をしっかり背中で縛り上げられ、胸元にも縄が掛けられると、足首の戒めも外されて、文夫の傍らのパイプ椅子に座らされ、足首をパイプ椅子の脚に括りつけられてしまう。美津子の視線のすぐ真正面には、だらしなく萎えて垂れ下がる文夫のペニスが剥き出しに晒されていて、文夫は恥ずかしくて美津子のほうを見ることも出来ない。美津子のほうも、恥ずかしがっているのがわかり、注視してはならないと思うのだが、目の前にあるだけに、気になって否が応でも意識しないではいられない。

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 美津子を据え付けた二人は再び部屋を出ていって、今度は大きなテーブルと椅子を運んできて、テーブルを文夫の真正面に据え、その上にパイプ椅子をひとつ載せあげる。
 「さ、準備が整ったわ。美津子ちゃん、お待たせ。あんたの大事なあの人が、あんた以外の女にどんなに欲情するのか、欲情した後どうなるのか、近くでようく見さしてやるから、ようく見ておくのよ。」
 そう言うと、リーダー格の女は、テーブルの端に脚を掛けてひょいとテーブルの上に載りあがる。女が穿いている黒いタイトなミニスカートの裾が割れて、腿が奥まで覗きそうになるのを視線の端に捉えて文夫ははっとする。その一瞬、だらしなく垂れていたペニスがぴくっと膨らんだように動きをみせたのを、美津子も気づいていた。
 テーブルの上に乗っかって、文夫の前に女が立つ。女の短いタイトスカートに包まれた腰周りが、ちょうど立たされている文夫の視線のまん前になる。そのミニの裾から、すらっと伸びた肉付きのいい太腿が露わになっている。太腿は黒い網目模様のストッキングに包まれているものの、はちきれるような腿の肉付きを誇示するかのようだった。女は細くつりあがった目が意地悪そうな狐のようで、美人ではなかったが、体つきは、よく締まった男好きのするセクシーさを持っていた。
 その熟れるような太腿が文夫の目の前にあった。思わず文夫も生唾を呑み込む。文夫が自分の脚に見とれているのを見て取ると、女は大胆にも片脚を持ち上げて、ヒールの踵を文夫の右肩の上に載せる。ぐさっという痛みよりも、それでなくとも既に高い位置にある女のスカートの裾が更に持ち上がったことのほうに気が行ってしまう文夫だった。文夫のペニスの先が更に持ち上がる。女は文夫の肩に乗せた脚を、ヒールを中心にして、ぐりぐりとゆっくり廻す。文夫は肩口の痛みも忘れて、今にも見えそうになろうとしているスカートの裾の奥に視線を釘付けにさせている。
 「ふふふ、坊やのムスコもだいぶ持ち直してきたようね。」

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 女はそう言うと、文夫の肩から脚を下ろして、背後のパイプ椅子にゆっくりと腰を下ろす。女が腰を落としてゆく時に、膝と膝の間の裾の奥にちらっと白い下着が覗くのを文夫は見落とさなかった。しかし、それはするっと組まれた脚によって、一瞬で隠されてしまった。再び文夫は生唾を呑み込む。
 すっかり自分の脚に魅了されて虜になってしまった文夫を値踏みでもするかのようにためすがめつ見下ろしていた女は、今度は座ったまま組んだほうの脚の先を文夫の股間に向けて伸ばしてきた。ハイヒールの先が硬直し始めた文夫の棹の先を下から小突き上げると、文夫は辱められていくことに顔を真っ赤にしながらも、ペニスの方は理性とは裏腹に一気に充血を増して天を向いた。それをすぐ傍で目の当たりにしていた美津子のほうは、逆に恥ずかしさも忘れて、男の欲情の生理に見入ってしまっていた。
 女は更にハイヒールのつま先で、怒張を文夫の下腹に押し付ける。文夫のペニスの裏に隠されていた陰嚢が露わになると、今度は女はヒールの尖った踵の先を文夫の陰嚢の下に当てて、脚を回転させながら陰嚢をぶらぶらと左右に揺す振り始めた。女が脚を回転させる度に、スカートの裾の奥で、チラッ、チラッと白い下着が見え隠れする。文夫は目の前の刺激的な眺めと、股間を弄られる屈辱的な刺激に、最早理性で抗することを完全に放棄していた。女の脚先の動きと、文夫のはあ、はあいう荒い息遣いが、次第に同期していくのが、傍で見させられている美津子にもよくわかる。
 文夫が十分興奮してきたのを見て取ったテーブルの上の女は、つま先を文夫の股間から離して、再び椅子に深く座り直す。裾の奥が見えるか見えないかのぎりぎりに薄っすらと膝頭の間を開けている。文夫の視線は否が応でもそのデルタゾーンの中心に集中する。
 女は今度は座ったまま、少し腰を浮かしてスカートの奥の尻のほうに手を伸ばすと粗い網タイツになっているストッキングをたくしながら下ろし始めた。膝頭を上げて、文夫に奥の下着を覗かせないように注意深くストッキングを抜き取っていく。その仕草が却って文夫に目の前に隠されている部分を想像させて一掃妄想を逞しくさせる。
 網タイツのストッキングを足首まで下ろしてしまうと、女は文夫に顔を近づけるように身を屈めると、ハイヒールのバックルを手で外し、後は足先だけでハイヒールを脱ぎ捨て、器用に足と足を擦り合わせるようにしてストッキングを足先から抜き取ると、つま先を振って、ぽんとそれを文夫に向けて投げつける。女の足先から飛ばされたストッキングは文夫の鼻先を擦るように顔面にぶちあたってから、そのまま下に落ち、ちょうど女に向けて切っ先を向けている怒張した棹に引っ掛かってと止まった。
 「あら、上手に受け止めたわね。ご褒美として、締めておいて上げるわね。」
 女はそういうと、椅子から立ち上がって文夫のすぐ前まで来て身を屈めると、文夫のペニスに引っ掛かったストッキングを二重に巻き付けてから、ペニスの根元に縛り付けてしまう。ざらっとした網タイツの感触が、文夫のペニスを更に刺激する。ペニスの先は充血してカリの部分でパンパンに腫れ上がっている。傍で今度は美津子のほうが生唾を呑み込んでしまう。女は屈んで文夫に身を寄せているので、胸元のレースの襟元から豊満な乳房の一部を覗かせているばかりか、タイトなミニの裾はすっかり割れて、ストッキングを取った生のショーツを丸見えにさせてしまっている。
 女の手が最後にストッキングをぎゅっと絞り込むと、その不思議な刺激に思わず文夫はイってしまいそうになるのを必死で堪える。
「ああっ・・・・。」
 文夫が情けない声を挙げるのを、美津子は、はらはらしながら見続けている。
 女は、ゆっくりと文夫の前に立ちはだかると、今にもイってしまいそうなのを必死で堪えている文夫を見下しながら、フンと軽く鼻であしらってから、次の媚態へと移っていく。
 今度は、文夫の真正面に立ったまま、スカートの奥の尻のほうへ手を伸ばすと、ショーツをゆっくり引き下げ始めたのだ。
 すぐに文夫の目の前に白いショーツが裾の下に露わにされた。開かれた二本の腿の上にそれは絡まって、淫靡な匂いを漂わせているかのようだった。女は態と文夫にそれを見せ付けるかあのように、ゆっくりと腿の上を滑らせるように落としてゆくと、片足ずつ持ち上げて、ショーツを足首から抜き取った。その端の部分を指で摘むと、文夫の顔の前にちらちらと翳してみせる。文夫がどぎまぎしながらも、そのクロッチの部分が見えないかと目を凝らしているのを確認すると、女は再び文夫のほうに身を屈める。
 「さ、たっぷり味わっていいのよ。」
 女はそう言うと、手にしたショーツをさっと裏返すと、クロッチの部分を表に出して文夫の鼻と口を蔽うように被せて押し付ける。
 「うう、うううう・・・・。」
 今着けていたばかりの秘丘を蔽っていた薄い布切れは、微かな湿り気とともに、女性特有の淫靡な匂いを放ち、文夫の頭をくらくらさせる。それとともに、文夫の下半身のほうでは、怒張したペニスがどくっ、どくっと大きく波打ち、今にもはち切れそうな勢いを見せている。
 「さ、そろそろこの坊ちゃんをイカセテやって。」
 女は後ろに控えていた二人の女に命じると、文夫のほうを向いたままパイプ椅子に戻り深々と腰掛ける。そして、文夫に妖しげな流し目の一瞥をくべると、両手を自分の膝の間に割り込ませた。女の膝頭が文夫の目の前で大きく開かれたが、その奥は、交差した女の両手に塞がれて覗き見ることは出来ない。女は文夫には股の付け根がぎりぎり見えないように交差した両手首をくねらせながら、自分の陰唇をまさぐり始めた。手の甲に隠された向こう側で、女の指先が濡れそぼった陰唇をぴちゃ、ぴちゃ音を立てながら弄ぶのを、まるで見ているかのように文夫は感じている。その文夫に両側から寄り添うようにやってきた二人の女がむき出しにさせられているストッキングで縛られた文夫の男根を握り締め、もう一人はその下の陰嚢を握った。
 「ああっ、そんなことしたら、イってしまう。」
 堪らずに文夫が声を挙げると、両側の女たちは目配せを交わしてほくそえむと、更に手の動きを速める。
 「あら、いいの。大事な恋人の前で。縛られた自分の恋人を放っておいて、自分だけいい気持ちになれるのね。」
 テーブルの上のリーダー格の女が、相変わらず自慰を文夫に見せ付けるようにしながら、揶揄するように言い放った。
 その声に文夫は、はっとして、傍らで縛られて自分の醜態を見せつけられている美津子のことを今更のように思い出して、視線を送る。美津子は恥ずかしさにうな垂れて最早視線を合わせられずにいる。
 「ご、ごめん。美津子さん。き、君の前で、決してしたくて、こんなことしている訳ではないんだ。ああっ・・・、で、でも・・・、ああ、もう我慢出来ないっ。」
 文夫が最後の一声を上げるのに、美津子が顔を上げると、幹を女たちの手に支えられて天を向いている文夫のペニスの先から、白濁したぬめりが迸り飛んだ。
 「ああっ・・・。」
 文夫が情けない声を出して果てた。スペルマが一部は空を飛び、残りは、女に握られた棹の上を流れていく。その残りを搾り取るかのように女が両手でペニスをしごき、スペルマを両手いっぱいに溜めたまま、今度は美津子のほうへ向きを変える。
 「あんたのものだった筈の、恋人の残り香よ。匂いだけは嗅がせてあげるわ。」
 そう言うと、掌に溜まった文夫の精液を、自由を奪われた美津子の鼻の下に塗りたくろうとする。
 「い、嫌っ。」
 思わず声を挙げて、身を仰け反らせて逃れようとする美津子だったが、所詮、パイプ椅子に両手両足を括りつけられた身には、逃げる術もなかった。
 「ううううっ・・・。」
 つんとする生臭い、栗の花のような匂いは、美津子は初めて嗅ぐものだったが、生々しい光景を目の当りにした直後だっただけに、ショックで、思わず咽せ返ってしまったのだった。
 「や、やめてくれ。美津子にそんなことをするのは・・・。」
 自分のスペルマを汚いもののように扱われるのが、文夫には堪えがたかったが、女たちにそれを塗りたくられるのは、将に恋人を穢される気持ちだった。しかし、その声は、立て続けに二発も射精まで追いやられて、はあはあ息をつきながらの力ないものだった。
 リーダー格の女が二人の手下に再び目配せで合図を送ると、二人は合点とばかりにパイプ椅子に固定された美津子の両側に立ちはだかった。
 「な、何をするおつもりなの。」
 不安げに両側の女たちを見上げる美津子だったが、それに構うことなく、女たちはパイプ椅子ごと、美津子を抱え上げた。
 「そうれっ。」
 二人は声を掛けて、椅子に縛り付けられた美津子を文夫の真正面に据えた。美津子の眼前には、放出を終えたばかりの萎えかけている文夫のペニスがだらしなくぶらさがっていた。その先からは、まだ出し残りのスペルマが床に向かって糸を引いて垂れている。
 「さあ、あんたに恋人を取り戻すチャンスをあげるわ。その目の前の醜く垂れ下がったチンチンは、あんたのものだった筈でしょ。さ、口に咥えていいわよ。恋人をたっぷり慰めてやって。」
 テーブルの上から投げかけられた非情なリーダーの言葉に、吃となって睨むような視線を返した美津子だったが、ペニスを見るのも初めての美津子には幾ら愛しい人のものだとしても、ペニスを口に咥えるなど、出来る筈もなかった。美津子は黙って頭を振る。
 「あら、恋人をあんたに返してあげるって言っているのよ。それを拒否するの。いいのかしら。後で後悔するわよ。・・・。そう、坊や。あんたのほうも、恋人に頼まなくていいの。僕は君に、口でして貰いたかったんだって。」
 文夫も吃として目の前のリーダー格の女を睨み上げる。
 「どうして、こんなことして美津子さんを辱めようとするんだ。美津子さんはお前たちのような擦れたアバズレなんかとは違うんだ。」
 「あらそう。随分お高く留まってるのね。あとで、こんなお嬢さんぽい格好している女だって、こんなにもはしたないことをするのだって、よおく見せてあげるわよ。」
 「何だと・・・、何をしようと企んでいるんだ。」
 「まあまあ、慌てないで。まだ、時間はたっぷりあるのよ。さ、恋人のちんぽを咥えるのは嫌だっていうのだから、仕方ないわ。あたしたちがイカセルところを横でたっぷり見て貰おうじゃないの。」
 リーダーが顎で合図すると、女二人は再び椅子ごと美津子を抱え上げ、元の場所に戻すのだった。
 「さ、誰からやる?お前かい。じゃあ、ようく頑張って昇天させてやんな。なんせ、三度目だから、そろそろきつくなってるかもよ。」
 (三度目)と聞いて、文夫ははっとなる。この女たちの手で、またしても射精させられようとしているのだと悟って、文夫は自分に自信がなくなる。夜な夜な愛しい美津子のことを思ってオナニーに耽った時だって、二度も続けて果てるような真似はしたことがない。既に二度の射精で、溜まっていたザーメンもたっぷり出してしまっている。
 (こいつら、俺のザーメンを徹底的に搾り取るつもりなんだな。)
 文夫は女たちに惧れさえ感じるようになっていた。
 名乗りを上げた女が既に文夫の足元に蹲っていた。下から掌で陰嚢を包むように掴まれてしまうと、手脚の自由を奪われた文夫には、この女に服従せざるを得ないのだという気持ちになってきてしまう。
 (ええい、どうにでも好きなようにしろ。)
 文夫は目を瞑って観念して、女の動きを待った。
 ぬるっという感触で、女の舌が剥き出しにされているペニスにまとわりついてきたのが判った。
 (くそう、感じてやるもんか。)
 そう心の中で強がってみた文夫だった。が、すぼめられた唇が、文夫のペニスの先をズルズルッと咥え込むやいなや、強い吸引力でペニス全体を女の生温かい口の中に吸い込まれてしまうと、いいようのない快感にすぐに自信を無くしてしまう文夫だった。さすがに三度目となると、ペニスは膨張してはくるものの、なかなか硬くなってこない。女は口のなかで中途半端に大きくなってきたペニスを舌で転がして弄ぶ。女が文夫のペニスを吸引する力が次第に強く激しくなっていく。それにつれて、徐々にだが、文夫のペニスも怒張の度合いを高めていた。
 ある程度の硬さを取り戻したところで、女は文夫のペニスの鎌首の部分を指を輪にして摘んで持ち上げ、ペニスの下の筋になったところをカリの下と陰嚢の間で舌を行き来させる。それだけでなく、陰嚢を包み込んでいる手のほうも、指の先を会陰のほうに伸ばして、菊座のぎりぎりまでを二本の指先で責め立てる。誰にも触れられたことのないその部分をされるがままに嬲られると、嗜虐的な想いが、文夫をどんどん見知らぬ世界へ引き擦り込んでいくかのようで、不思議な官能の世界へ知らず知らずのうちにのめり込まされていく。
 女は更に顔を文夫の股の下に潜らせるようにしてもぐり込むと、今度は棹の幹を掌全体で握って前後にしごきながら、陰嚢の襞を嘗め始める。また新たな感触に感じいってしまうのを必死で堪えていた文夫だったが、女が今度は大きく口を開いて陰嚢ごと睾丸を口に含み舌で転がし始めると、文夫のペニスはあまりの刺激に反応して大きく反り返った。それを見てとった女は最後の責めに入る。睾丸を口に咥え込んだまま、すぐ傍の菊座を指先で責めたて始めたのだ。
 これには文夫も慌てた。男の尊厳ともいえる睾丸を女に咥え込まれて自由にならない上に、人間の尊厳でもある尻の穴を冒されそうになったのだ。男のシンボルは既に女の手中にある。文夫は女の姦計に抗することを放棄せざるを得なかった。
 女の指がずぼっと肛門の奥深くに差し込まれた瞬間、文夫はすべてを観念した。その途端に、ペニスの先に鈍い痛みが走った。亀頭の割れ目から勢いのない汁がたらたらと垂れてきた。もはや勢いよく射精させられるだけのものは残っていない。ザーメンの残り滓のような汁がだらしなくペニスの先から流れ出たに過ぎなかった。それでも文夫は女に果てさせられたのだった。
 ペニスの先がジンジンと鈍く痛んだ。射精して苦痛を感じたのはさすがに初めてだった。あっという間に男のシンボルは勢いを失って萎え果てていた。
 やっとのことで、女は文夫の睾丸から口を離した。が、両手の指は文夫の萎えて垂れている陰茎を話さず、もう片方の手の指は文夫の尻の穴の奥深くに突きたてられたままだった。
 「だらしないチンポね。少し罰を与えてやらなくちゃね。」
 女は肛門に差し込んだ指を鉤型に曲げ上へ引き上げるとともに、ペニスを握った手にも力を篭めて、思いっきり引っ張りあげようとする。
 「ああ、も、もう許してください・・・。これ以上はむ、無理です。あああ・・・。」
 文夫は女に完全に屈服していた。尻の穴を女に捉えられているということが、文夫に男としての毅然とした態度を取る事を忘れさせてしまっていた。文夫は女の奴隷になりさがってしまっていた。
 「まだ、駄目よ。もう少し罰を受けてもらうわ。」
 女が文夫の尻に指を突き立てたまま、もう一人の女に目で合図を送る。近づいてきたもう一人の女の手には、竹で出来た物差しが握られていた。
 「さあ、この役立たずのチンポは罰を受けるのよ。ほれっ。」
 女がそう言って、文夫のペニスから手を放すのと、もう一人が振り上げた物差しを文夫の股間目掛けて振り下ろすのがほぼ同時だった。
 「ぎゃうううっ・・・。」
 果てて萎えきった文夫の陰茎を竹の物差しがまともに直撃した。あまりの痛みに文夫は顔をゆがめた。それを嘲笑うかのように、物差しを手にした女が二発目を振り上げた。
 「や、やめてくれ・・・。あぎゃああ・・・。」
 文夫が挙げる悲鳴に傍に居た美津子も堪らなくなって、許しを請う。
 「もう止めてください、文夫さんをこれ以上苦しめるのは・・・。いたぶられるのだったら私が代わりになりますから。」
 けなげにも美津子は文夫を前にしてそう言い放ったのだ。すでに、美津子の眦には涙が溜まっていた。
 既に文夫の陰茎は惨めにも赤く腫れ上がっていた。しかし、すっかり力を失っていて小さくなってぶらりと文夫の股間にぶら下がっているに過ぎない。
 「お前の懇願に免じて、こいつのペニスを痛めつけるのは許してやろう。その代わりとして、お前がお股にこいつを喰らうのよ、いいのね。」
 美津子は屹然と女をにらみ返して言った。
 「文夫さんを許すて下さるのなら、甘んじてお受けします。何なりと罰をお与え下さい。」
 きっぱりそう美津子が言い切ると、女たちは美津子のほうに向き直る。
 「ほう、言ったわね。どう、フニャチンのあんちゃん。恋人に代わりに罰を受けて貰うなんて、随分な避けないわね。」
 そう揶揄された文夫だったが、股間の痛みに堪えかねて、ぐうの音も出せない文夫だった。
 「それじゃあ、この女が下半身に纏っているものを全て剥ぎ取っておしまい。」
 リーダー格の女がテーブル上から声を掛ける。啖呵は切ってみたものの、これから為されるであろう仕打ちを想像して、美津子は身震いする。早速、二人の女が美津子の両脇に歩み寄る。一人が美津子のスカートの裾を持ち上げると、もう一人がすかさず真ん中に鋏を入れる。二人の女が両側から美津子のスカートの裾を力を籠めて引っ張ると、ビリビリっという音を立てて、美津子のスカートは無残にも引き千切られてしまう。美津子の色白の肌の太腿がすっかり露わにされてしまうと、美津子は恥ずかしさに両方の脚をすぼめて隠そうとする。しかし、取り払われてしまったスカートの下から露わにされてしまった白いショーツは、最早隠しようもなかった。女たちは美津子の下半身に最後に残された布切れさえも奪い取ろうと手を伸ばして来ていた。スカートを乱暴に剥ぎ取ったのとは裏腹に、ショーツは大事そうにゆっくりと下げていったのには、女たちには更なる辱めの企みがあるようだった。
 「ああっ・・・。」
 下ろされていくショーツの下から、美津子の股間の茂みが露わにされてくると、美津子は恥ずかしさに遂に声を挙げてしまう。女たちは、股間の草叢まで露わにして、たっぷりと辱めを美津子に味合わせた後は、一気にショーツを美津子の脚から奪い取ってしまう。
 「あら、あんたったら、パンツの裏側にこんなに沁み作っちゃって。あんたったら、恋人のペニスが勃起して射精するのを見て、指も使わずにオナニーしてたのね。」
 ショーツを取り上げた女が、その恥ずかしいクロッチの裏部分を丁寧にひっくり返してその部分を調べながら大きな声を挙げた。その非情の言葉は美津子が思いもかけなかったもので、恥ずかしさに耳たぶを真っ赤にさせてしまう。
 「あんた、ここ濡らしているわね。」
 そう言うと、女は露わにされてしまった美津子の草叢の奥に指を伸ばす。
 「嫌っ。」
 そう言って逃れようとする美津子だったが、ショーツを抜き取るのに、足首を括りつけていた縄は解かれたものの、後ろ手の両腕ごとパイプ椅子にきっちり縛りつけられたままなので、所詮は逃れようもない。
 「ほうら、やっぱり。これ見て。」
 美津子の股間を探った指を美津子の顔の前に女が翳すと、美津子はより一掃恥ずかしそうに身を震わした。女もまさか股間を濡らしているとは思わずに、辱めることが目的でそんな嘘をつくつもりだったのだ。しかし、美津子は女たちの期待以上に、辱めるのに格好の材料を提供してしまっていたのだ。
 「ほら、パンツの裏も見てごらん。こんなだよ。」
 そう言って、女は裏返した美津子のショーツまでも、嫌がる美津子に見せようとする。
 「そらよ。脚をこうして広げるんだよ。」
 一人の女が美津子を汚れたショーツで辱めている間に、もう一人が美津子の足首を捉えて、いつの間にか持ってきた2mほどの棒に美津子の足首を括りつけようとしていた。括りつけてしまうと、その棒を持ち上げていくので、美津子は脚を高々と肩の上あたりまで上げざるを得なくなる。片脚を括りつけた棒を美津子の後頭部の後ろに通すと、肩で担がせるようにして、もう片方の足首までその棒に括りつけようともう片方の足首を捉えた。
 「ああ、嫌っ。そんな格好・・・。」
 美津子が身を捩って抗おうとするのも空しく、裸の両足をVの字に大きく開いた格好で、背中にしょった棒に足首を括りつけられてしまった美津子だった。勿論、隠す術もないVの字の中心には、薄く黒い茂みの下にぱっくりと割れた陰唇があられもなく晒されており、その中心はべっとりと濡れそぼっていた。
 「ああ、嫌。恥ずかしい。」
 Vの字で固定されてしまうと、恥ずかしい部分をどうやっても隠すことも出来ず、ただ首を振って、嫌がることしか出来ない美津子だった。
 「こんな勝手に感じていたなんて、この坊や以上の罰を受けなくてはね。いいこと、覚悟をするのよ。」
 そう言うと、女は手にした竹の物差しを振り上げる。美津子の顔が恐怖に引き攣るのを嬉しそうにみながら、そおっと物差しの先を美津子の剥き出しになった陰唇にあてるのだった。
 「覚悟はいいこと。」
 そう言うと、態と恐怖心を煽るかのように、物差しの先でぽんぽんと軽く叩いてみせる。美津子はもう覚悟を決めて、目を瞑って折檻を待っている。
 パシーン。
 小気味いい響きをたてて、女の物差しが美津子の股間に振り下ろされた。
「ああっ・・・。」
 思わず立ててしまう美津子の喘ぎに、傍らで意気消沈していた文夫が堪らずに目を剥いた。
 「やめろっ。」
 堪らずに声を挙げた文夫だったが、その声が何の力も持っていないことを思い知らされるばかりだった。
 「強がるんじゃないよ。お前の代わりに罰を受けてるんじゃないか。何なら、もう一度、お前のちんぽを二度と立つことが出来ないように打ち据えてやろうか。」
 「や、やめて。いいの。私が我慢しますから、私を打って下さい。」
 痛む股間に顔を歪めながらも、けな気に美津子が応じた。
 嗜虐心は美津子のほうがより強いようだった。無意識にも打たれることで、より感じいってしまったようで、ぱっくり開いた陰唇からはクリトリスが頭を覗かせて始めているのに、美津子自身も気づいていなかった。
 パシーン。
 再び竹の鞭が美津子の股間で大きな音を立てた。今度は女は態と微妙に物差しを陰唇の中心を外して打ち当てている。クリトリスが立ってきたことに気づいて、陰唇をもっと感じさせようという魂胆だった。股間の割れ目をわざと外してその両側をパシーン、パシーンと続けさまに打っていく。その度に美津子はどんどん感じてしまうらしく、どんどん割れ目の上側にクリトリスを突き出させていく。それは既に包皮を剥いて、小さな蕾さえも露わにさせようとしていた。そればかりか、その下の陰唇からはぬめっとした透明な液が滴りだし始めているのだった。
 「ああ、どうぞ存分に気の済むまで、美津子を懲らしめてください。」
 痛みに堪えながらもそういう美津子だったが、痛みとは別に何かじいんと身体の奥で疼くものが起き出しているのを、無意識ながら感じ始めて陶酔状態になりかけていた。
 「ふん、この女、打たれながら感じだしているみたいよ。だって、ほら、クリトリスがこんなに大きくなっちゃって。」
 その言葉にふと自分の股間へ視線を落とした美津子は自分の身体が自分のものでないかのような衝撃を受けた。勝手に身体が反応しているのを自分では最早抑えられなくなってしまっていることに気づかされたのだった。
 「ようし、ようく罰に堪えた褒美をやるよ。お前の最愛の恋人のあそこで感じてきたそこを存分に慰めて貰えるようにしてやるよ。」
 美津子には何を言われたのか全く理解出来ないでいた。しかし、その後、すぐに女たちの悪巧みを知ることになるのだった。
 女たちは二人掛かりで、美津子がVの字に脚を広げて固定されているパイプ椅子を持ち上げると、相変わらず股間を晒して立たされている文夫の前に美津子の身体を運んでいったのだ。文夫のペニスは先を赤く腫らせたまま、萎えたまま醜く股間にぶら下がっていた。女たち二人は、椅子ごと運んだ美津子の身体を床へは下ろさずに、剥き出しの股間を文夫のぶら下がった陰茎に擦り付けるように押し付けたのだった。

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 「ほら、美津子。お前の愛している人の粗チンで、思う存分感じて濡れてしまったあそこを慰めてもらいな。」
 そう言うと、椅子に乗せられて股ぐらを大きく開いたままの美津子を椅子ごと上下に揺らして、文夫の萎んだ陰茎が美津子のぱっくり開いた陰唇の上を撫でるように摩らせるのだった。しかし、文夫には、最早、ペニスを硬くするだけの力は残っていなかった。ザーメンを搾り取られた上に、力ない萎えたペニスを赤く腫れ上がるまで竹の物差しで思いっきり打たれたのだった。感じようとしても、ペニスの先がひりひり痛むばかりで、文夫にはどうにもならなかった。
 それは、美津子にとっても拷問に近かった。初めて目にした愛する人のペニスだったが、女たちの前で何度も大きく勃起した様を見せられ、その先から勢いよく精液が迸るのを目の当りにさせられて、処女ながらも、愛する人に挿し貫かれてみたい想いを無意識のうちにからしてしまっていたのだ。包まれた股間に知らぬ間に潤みを憶えてしまっていたのもそのせいに違いなかった。しかし、萎えきった愛する人の男の象徴は、もはや自分の剥き出しの秘部を差出しても、反応する気配さえ見せなかった。
 (ああ、惨めだわ。もうどうなってもいいと、文夫さんの前に恥ずかしい場所を晒して身を捧げだしているのに、美津子の火照りを文夫さんのものは冷ましてはくれないのだ。)
 その想いは、言葉には出さないものの、文夫も同じだった。何度恋焦がれて、夜な夜な愛する美津子を抱くことを想像したか判らない。美津子の身体を想像しながら自らのペニスをしごいてオナニーに耽ることに罪悪感を感じながらも、それを止めることは出来なかった。それが、美津子の露わにされた陰唇に自らのペニスを押し付けているのに、その淫靡な割れ目を自分のもので挿し貫くことが出来ないのだった。
 「ああ、もうこんな惨めなことはやめてくれ。」
 文夫は堪らずに女たちに請い始めた。
 「何よ、情けない男。愛する女が股をおっぴろげて犯してって待っているのに、立つことも出来ないの。この役立たずっ。」
 「情けないちんぽ。ちんぽじゃなくてインポね。男として恥ずかしいわね。女の前で勃起も出来ないなんて、このふにゃチン。」
 次々と詰るように二人の女はそう言うと、思う存分文夫と美津子を辱めるのだった。
 「ああ、もう止めてっ。」
 何とか文夫のペニスに再び勢いを期待していた美津子だったが、文夫があまりに惨めなのと、自分の火を付けられた火照りがどうにも癒されそうもない苛立ちに、美津子も遂に声を挙げてしまった。
 「なあんだ。あんたら愛し合っていると思ったから、重たいのにわざわざ結合させてやろうとしたのに、何よ。そんな言い方っ。それじゃあ、もう二人は一生分かれ分かれね。いいの。」
 漸く、二人はパイプ椅子と棒に固定された美津子を文夫の前の床に降ろすのだった。
 「可哀そうね、あんた。恋人におまんこ丸出しにして差し出してるのに、恋人のペニスは立ちもしないなんて。」
 「やめて、言わないで。」
 文夫のペニスがそれまで女たちの美津子にしてみれば不条理な誘いには、びんびんに反応して逞しくそそり立っていたのに、自分が恥ずかしさにまみれながら、差し出した秘部には何の反応も見せなかったことに、美津子自身は深く傷ついていた。経験の無い美津子には、男が何度一気に出せるのかなど知る由もないのだった。そんな美津子の複雑な気持ちを察するかのように、身を寄せてきた女の一人が美津子にまた邪な企みを仕掛けてくる。
 「大丈夫よ。男が欲しくて堪らなくなったのでしょ。いいのよ、判っているから。男をその気にさせるには、欲しいって気持ちを素直に見せなくっちゃ。あんたはまだ初心だからそんな技も判らないでしょうけど、そんな子の為にいい薬もあるのよ。いま、それをあんたに付けてあげるから。」
 美津子には、またまた謎めいた言葉だった。何をされるのか不安になりながら見ている美津子のもとに持ってこられたのは、小さな壜に入った白い妖しげなクリームの壜だった。そこから女が人掬い、指先に撫で取ると、それを剥き出しの美津子の陰唇に塗りたくり始めたのだ。
 「ええっ、何をなさるの。ああ、嫌。何だか変な気持ち。」
 最初の一塗りは、冷たいひんやりした感触だったが、すぐにそれはかっと熱い刺激に変化した。そのクリームは陰唇の襞だけではなく、クリトリスの周りにも執拗にべっとりと塗り籠められた。その熱い感触が、猛烈な掻痒感に変わるのに、大した時間は掛からなかった。
 「ああ、何。何を塗ったの。あそこが痒くて堪らないわ。ああ、嫌っ。おかしくなりそう。駄目、我慢出来ない。何とかして・・・。ああ、ああっ。」
 突然襲ってきた股間の痒みに、美津子は堪え切れずに、思わずお尻を振って身悶えする。女たちが美津子の股間に塗り込めた掻痒クリームは、美津子を奈落のどん底へ導いていく。
 「ああ、痒い。ああ、何とかして。ああ、もう我慢出来ないっ。」
 必死で身悶えする美津子の目の前に翳されたのは、真っ赤に塗られた卑猥な天狗の面だった。その突き出した長い鼻は普通の天狗の面とはいささか形相を異にしていた。それは見るからに男の象徴を模ったものだったからだ。
 いきり立った男根そのものをよく知っていた訳ではない美津子も、何度も屹立した文夫のペニスを見せられていたおかげで、その天狗の鼻が何を模っているのかはすぐに察することが出来た。
 「これで慰めて欲しければ、いつでもあんたを救ってあげるわよ。あの、そこに立っている役立たずのフニャちんをぶら下げたアンタの情けない男と違ってね。これでぐいぐい挿されたら、いい気持ちになって昇天しちゃうわよ。どう、どうする?」
 女たちはこれ見よがしに、卑猥な形の天狗の面を美津子に見せ付ける。

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 「い、嫌よ。そんな物で犯されるのは。い、嫌っ。」
 そう言い切った美津子だったが、最後のほうは、唇を噛み締めて漸く言い切ったのだった。
 そんな物で股間を貫かれるのは、犬畜生にも劣る行為に思えたのだ。しかし、股間の掻痒感は堪え切れそうな尋常なものではなかった。
 「ああ、ああ、駄目っ。何とかして。文夫さん・・・。文夫さん。助けて。」
 美津子は身悶えして腰を振りながら、すぐ近くの恋人の名前を呼び続ける。しかし、その恋人も意のままにはならないペニスをぶら下げたまま、美津子を助けることはおろか、痒みを癒す慰めさえ与えられないのだった。
 「ああ、駄目。もう駄目。お願い、それで挿してっ。お願い。天狗の面で、美津子のおまんこを挿してえっ・・・。」
 最早、美津子にも理性のかけらもなくなっていた。激しい掻痒感から逃れること以外は、美津子にも考えられなくなっていた。
 女たち二人は顔を見合わせて、美津子の苦難に笑い転げている。
 面を持った女はその切っ先を美津子の割れ目に添えて前後にしごいてみせる。が、それでは痒みは収まらない。却ってもどかしさに辛さを増させるばかりだった。
 「お願い。それで貫いてえ・・・。」
 目を白目にしながら、美津子は希う。
 最初の一突きがぶすっとばかりに深々と美津子の股間の割れ目に突き込まれると、美津子はふうっとばかりに安堵の息をつく。しかし、陰唇の奥の粘膜を刺激した一突きはすぐにさっと抜かれてしまう。
 「ああ、止めないでっ。もっと・・・、もっとぉ、突いてぇ・・・。」
 必死に哀願する美津子だった。それを嘲るかのように美津子の顔面にべっとりと美津子の愛液が滴っている天狗の鼻を翳しながら、美津子を更に焦らす。
 「ほれ、文夫のペニスじゃなくて、天狗の面で突いて欲しい。フニャちんの立たない文夫のペニスより硬~い天狗の面の鼻ほうが、欲しいって言うんだよ。そしたら突いてやるよ。」
 意地悪にそう言い放つ女は美津子の屈服の一言を待った。
 「ああ、ああ、駄目。もう、駄目。許して、文夫さん。あなたのペニスじゃなくて、その硬い、硬~い天狗の面で思いっきり美津子のあそこを突き刺してえ・・・。」
 はしたなさも何も金繰り捨てて美津子が悶え苦しんだ末にそう言い放つと、女たちは嘲りの笑いを交わしながら、交互に美津子の股間を天狗の面で蹂躙しては、むせび泣く美津子を笑いものにするのだった。

 「ああ~っ・・・。」
 美津子を責めている女たちが眉を潜めるほどの大声を挙げて、美津子は白眼を剥いて果てた。股間にはまだ天狗の面の鼻先を突っ込んだままの格好で床に突っ伏している。無残に縛られた両手を背中にして、両脚は股を大きく開いたまま、半身に顔を横に向けながら美津子は悶絶していた。狩りの獲物を仕留めたばかりとでも言う様にそのあられもない姿の美津子を見下ろす位置に二人の女が美津子の横に立っていた。
 「処女という割には、激しいイキ方をするじゃない。このメス豚、みかけによらず、たいした玉かもね。」
 蔑むように傍らに繋がれている文夫のほうを振り返る。文夫は吃として言葉を掛けた女のほうを睨みつけた。
 「何の罪もない美津子さんを、よ、よくも・・・。」
 「ああら、恋人を玩具にされて、悔しいの。それも、これも、あんたのこの情けないちんぽが、役立たずだからよ。」
 そう言うと、いまだ勢いを失って萎えてみすぼらしく垂れている文夫の陰茎をぐいっと掴んで捻る。
 「あうう・・・。」
 それでなくても、立て続けに三発抜かされた時から、ペニスの先はジンジンと鈍い痛みを覚えていた。それを更にさきほどまでしたたかに竹の物差しで打たれたのだ。赤く腫れたその部分はまだ完全には癒えていない。
 「まだ、楯突くっていうんなら、もっと物差しの鞭を当ててやるよ。」
 「うう・・・。」
 先ほどの痛みを思い出し、文夫は口答えも出来なくなって、うな垂れて下を向いてしまう。
 「ふん、だらしない男。まあ、いいわ。これからじっくりと調教して、あたい達の奴隷に仕込んでやるから。」
 その時、放心して床に突っ伏していた美津子が二人のやり取りの声に、漸く正気に返って目を開いた。
 「ああ、文夫さん・・・。私の為に、そんな目に遭わされて・・・。」
 正気に返った美津子に気づいて、文夫も美津子に目をあわす。一緒に辱めにあった身として、目を合わせてお互いの境遇を労わり合うように視線を交わす。
 「どんな目に遭ったって、ぼ、僕は、み、美津子さんのことを・・・、美津子さんのことを一番大切に考えているから。」
 途絶えがちに弱弱しくだが、何とか文夫は自分の思いを美津子に伝えた。
 「ああ、文夫さん・・・。わたしもよ。どんな辱めを受けたとしても、文夫さんへの想いは変わりません。いつまでも私の一番大切な方です。」
 「ほお~っ、随分、純情そうなことを言ってるじゃない。純愛ってやつ?今時、珍しい。そんなじゃ、まだキスだってしたことないんじゃない?」
 突然の傍らの女の言葉に、美津子も、そして文夫さえも、ぽっと頬を赤らめたのを女は見逃さなかった。
 「あら、図星のようね。そう、じゃあ、愛しい恋人同士の初キスをあたいたちが経験させてあげるわ。」
 「何ですって。な、何をしようというの。」
 こんな酷い仕打ちをさせられた女たちの面前で、恋人とキスさせられるのではという恥ずかしい思いと同時に、美津子には文夫に唇を奪われるということへの甘酸っぱい想いが、心の奥底から湧き上がってくるのを抑えることが出来なかった。
 「お前たち、また何か変なことをしようとしてるんじゃ、ないのだろうな。」
 正気に戻った美津子の手前、精一杯強がってみせようとする文夫だったが、所詮、陰茎を皆の前に晒させられて、両手、両脚の自由を奪われた格好では、いつまた情けない思いをさせられるのか、わかったものではなかった。
 「ちゃあんと、二人に唇と唇でキス、させてあげるわよ。ただし、その前にひとつ、儀式をこなして貰わないとね。」
 (儀式)という謎の言葉に、美津子も文夫も嫌な不安に駆られ、ふと目と目を合わせるのだった。

 女二人も、傍らのテーブルの上から見下ろしていたリーダー格の女も、同じように謎めいた不適な薄ら笑いを浮かべていた。
 テーブルの上のリーダーが目配せで合図すると、フロアに居た二人の手下の女たちは(喜んで)とばかりに作業に取り掛かった。
 天井から降りている鎖に繋がれている文夫の首に、もう一本別の縄を括りつけると、その反対の端を文夫の背後の床に鋲で留められている鉄の輪に通す。鉄の輪はアンカーのように床に留められている。さきほどまで美津子が磔にされていた、X字に組まれた柱の四隅に枷を嵌められていたのと同じものだ。そのアンカーの鉄の輪に通した縄の先を部屋の隅に下りている鎖の束に結びつけると、カラカラと音を立てながら、その鎖を引っ張り始めた。鎖は天井のところで、滑車によって、文夫の首に繋がれている鎖に繋がっていて、女が鎖を引いて滑車を廻すのに従って、文夫に首を吊っている鎖が緩んでくる代わりに、床のアンカーへ繋がっている縄を引き絞っていくのだ。文夫は今度は背中のほうへ首を引かれるので、天井からの鎖が緩んだ分だけ、膝を曲げて腰を落とさざるを得ない。すっかり床に膝を突いてしまっても更に縄は引かれていくので、とうとう、文夫は床に仰向けにならざるを得ない。
「ど、どうしようっていうんだ。」
 そう言いながらも更に縄は引かれていくので、背中を滑らせるようにアンカーに向かって身体を滑らせていくしかない文夫だった。
 文夫の首がアンカーにすぐ傍まで近寄っていったところで、ようやく女は滑車を廻すのを止め、文夫の首から天井からぶら下がる鎖の付いた首輪を外した。文夫は今度は床に身動き取れないように繋がれてしまったのだ。
 その間に、美津子のほうは、もう一人の女から薬缶の注ぎ口を口に差し込まれて、中にはいった液体を無理やりのまされていた。美津子にはそれが何なのかは知らされていない。それがたっぷりと利尿剤を溶け込ませた水だとは思いもしなかった。
 それでなくても、美津子がこの地下室に連れ込まれてから、相当の時間が既に経っていた。美津子は微かな尿意を既に催してさえいた。そこへ大量の水を無理やり飲まされるのは、恐怖さえ感じていたのだ。女たちがすんなりトイレへ行かせてくれるとは到底思えなかったからだ。
 「もう、いいわよ。」
 文夫のほうを床に繋ぎ止めていた女のほうが声を掛けてきたので、美津子のほうに掛かっていた女は薬缶を美津子の口元から漸く離して、乱暴に縛られている美津子の二の腕を取った。

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 「さ、さっさとこっちへ来るのよ。恋人の所へ行かせてやるから。」
 そう言うと、美津子を無理やり文夫が床に寝かせられているところを引き立てて行く。その文夫が寝かされている両脇には、既に二つのパイプ椅子が寝かされている文夫の顔を挟むように二つ対峙するように置かれていた。
 美津子が連れてこられると、女が二人掛かりで美津子をパイプ椅子の上に文夫の顔を跨ぐように昇らせるのだった。美津子は抵抗しようとしたが、どうにもならなかった。嫌々、パイプ椅子に乗せられてしまうと、何も着けていない股間が真下の文夫に丸見えになってしまうのだ。散々醜態を文夫の前で晒させられた後でも、この格好は美津子には堪らなく恥ずかしいものだった。しかし、女達の辱めはそんな事では到底済まないのだった。先ほどまで文夫の首を天井から吊っていた首輪が今度はパイプ椅子の上の美津子の首に嵌められた。更には、その首輪にも新たな縄が繋がれ、その一方の先が、文夫と同じ床に固定されたアンカーの鉄の輪に通され、固定されてしまうと、最早、美津子は文夫の前で股を広げてしゃがんだ格好のまま、立ち上がることはおろか、パイプ椅子から下りることも出来なくなってしまった。降りようとすれば天井からの鎖で首を吊られてしまうことになるし、立ち上がろうにも、アンカーに繋がれた縄がそうはさせないように美津子の首を床からこれ以上離させないのだった。
 パイプ椅子の上に乗っていることだけでも不安定なのに、しゃがんで身動き出来ないのは、苦しい姿勢で、いつまでそんな格好で堪えられるか不安だった。しかし、何よりも美津子を不安にさせたのは、薬缶の水を無理やり飲まされてから妙に激しく募ってくる尿意にどれだけ堪えられるのかということだった。次第に美津子は女達の企みを理解し始めていた。何の為にあんなに大量の薬缶の水を飲ませたのかも、明らかだった。美津子は既に額に汗を浮かべていた。
 「どうしたの、美津子。何だか身体をもじもじさせているようね。まさか、おしっこしたいっていうんじゃないでしょうね。恋人の顔の上に跨っているんですもの。そんな事、出来っこないわよね。」
 美津子は掛けられた言葉に身をはっとさせる。
 (やはり、そうだったのね。わざとこんな格好にさせて、我慢の限界を迎えさせようというのね・・・。)
 美津子は、もはやどうにもならない窮地に追い詰められて、眼下の文夫の顔をちらっとだけ盗み見る。文夫は、目の前に晒し物にされている美津子の股間を覗き込むのを遠慮するかのように、首を横に傾けているが、時折誘惑に堪えられないとばかりにちらっと横目で様子を窺うのを美津子も見逃さなかった。
 「ああっ・・・、お願い。もう、苦しめないで。許して・・・、こんなこと。」
 「あら、どうしたの。そんなに額に汗かいちゃって。お腹でも苦しいの。ちょっとさすってあげましょうか。」
 「い、嫌っ。さ、触らないで。」
 ちょっとでもお腹を触られたら、抑えているものが洩れ出してしまいそうだった。しかし、何をされなくても、確実に限界に近づいているのも確かだった。
 「うっ・・・。」
 思わず、洩れそうになって、美津子は必死で括約筋を締めて堪える。が、その直後、ピチャッと音がして、何かが眼下の文夫の頬に垂れた。
 「えっ。」
 文夫が滴を感じて、目の上の美津子の下半身を見上げる。
 「ご、御免なさい。もう・・・、もう、美津子は駄目なのです。」
 美津子の眦に涙が溢れるのと、股間から滴が垂れ始めるのが同時だった。
 「う、うわああ・・・。」
 文夫が慌てて、顔をのけぞらせて除けようとするが、所詮、首を縄でアンカーに固定された状態では逃れようもない。ぽたぽた落ち続ける滴が、文夫の顔面を直撃してゆく。
 「ああら、美津子ったら。駄目じゃないの、恋人の顔に向けて粗相なんかしちゃって。ほら、もっと息張るのよ。そうしたら、恋人の顔面を通り越して、前のほうへおしっこを飛ばせるから。」
 傍の女が囃すように美津子を詰る。
 美津子ははしたないと思いながら下腹に力を篭めて、ゆばりを思いっきり前へ飛ばそうとする。美津子の股の割れ目からゆばりが勢いよく放物線を描いて前へ飛んだ。
 「ああら、上手、上手。」
 美津子が恥ずかしさも忘れて、ゆばりを前へ飛ばすのを見て、女達は手を叩いて囃したてる。勢いがついた小水は、文夫の頭を通り越して、床の上でけたたましい音を立てて跳ねを上げた。その様を文夫は、つぶさに下から見上げていた。なんともあさましい光景だった。
 しかし、ひとしきり出してしまうと、勢いは次第に弱まってしまいゆばりは再び文夫の顔を直撃し始めてしまう。もう一度前へ飛ばそうとするのだが、美津子の膀胱にはもう勢いをつけるだけの小水は残っていない。それでもゆばりは止めようと思ってもなかなか止まらずに、相変わらずだらしなく、滴をぽたぽた文夫の顔に向けて垂らし続けていた。美津子は必死に括約筋を締めてゆばりを止めようと努力するのだが、思いっきり股を開かされた状態では、残尿を思うように止めることは出来なかった。
 「あああ、こんなに恋人に垂らしちゃってえ。ひどい女ね、あんたって人は。」
 女の詰る言葉に、美津子は顔を赤らめ俯いてかぶりを振るのだった。
 「ゆ、許して・・・、文夫さん・・・。」
 美津子は涙ながらに、文夫に詫びの言葉を発する。
 女は美津子の首輪を吊っている鎖を緩め始めていた。
 「言葉でどんなに謝ったって、駄目よ。さ、あんたの唇を捧げて、許しを乞うのよ。」
 女はそう言うと、もう一人の女と二人掛りで縛られている美津子の腕を両側から取って、美津子をパイプ椅子から下ろさせ、床に繋がれている文夫の上に跨らせた上で、美津子の髪を掴んで、顔を無理やり文夫の顔に触れさせようとする。目の前に文夫の顔がある。しかし、その顔じゅうが今自分が出したばかりの小水にまみれて、きついアンモニアの臭いを放っていた。思わず美津子は顔を背けてしまう。

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 「何をしてるの。愛しい恋人に、初めての唇を捧げるのじゃなかったの。」
 女は美津子の髪を掴んで頭を後ろから押すようにして、美津子の唇を文夫の口に押し付けようとする。が、美津子は自分の小水にまみれた文夫の口に、どうしても唇を合わせることが出来ず、必死で顔をのけぞらせようとしていた。
 「そんなに恋人とキスするのが、嫌なの。じゃ、いいわ。もう、二度と恋人にはキスさせてやらないわ。」
 そう言うと、乱暴に美津子の身体を文夫のほうから引き剥がし、傍の床に放り投げて身体ごと、転がせてしまう。
 床に縄で首を繋がれている文夫のほうは、ただ受け入れて美津子を待っているしかなかった。文夫のほうから頭を擡げることも叶わなかったのだ。文夫は美津子に拒まれて、悲しい思いが湧き上がってくるのを抑えきれなかった。文夫には美津子の小水を浴びせられたことを汚されたとは思っていなかった。美津子の出したものを受け止めることは、たとえそれが小水であったとしても文夫にとっては聖水なのだった。しかし、そのことではなく、美津子が文夫とのキスを拒んだことに深く傷つけられていた。
 美津子のほうは、そんな文夫の思いを、思ってもみなかった。顔面に放尿してしまうなど、二度と許されることのない行為なのだと思いこんでいた。もはや文夫からは愛されることは無いのだと、美津子のほうは美津子で、二度と許されない自分の境遇に悲しみのあまり泣き崩れていたのだった。
 「さあさ、とんでもない粗相を仕出かしたんだ。たっぷり罰を受けて、お許しを乞うんだ、美津子。」
 女は再び美津子を詰る為に近づいてきていた。
 「わかりました。どんな罰でも甘んじて受けます。あんな酷いことをしたのですから、文夫さんの気が晴れるよう、鞭でも何でも、きつい罰を美津子にお与えください。」
 涙ながらに、神妙になって、女達に向かってきっぱり言い切る美津子だった。美津子の健気な言葉に女達はほくそえむ。
 「鞭だって?そんな甘い罰で済むとでも思っているのかい、美津子。」
 畳み掛けるように、女の一人が美津子の顎を手でしゃくるようにしながら声を掛ける。
 「鞭でなければ、どんな罰を受ければいいと仰るのですか。」
 「そうね、うふふふ。文夫の前で、今度はうんちをひり出すところを披露してあげれば。」
 女達は残忍な目を打ちひしがれている美津子のほうへ向けた。
 「さっきの薬缶の水には、利尿剤だけじゃなくて、下剤もちゃんと仕込ませてあるの。だから、そんなに苦労しなくたって、すぐに用は足せてよ、うふふ。」
 「ああ、そ、そんな酷い。そ、それだけはお許しください。他なら、どんな罰でも受けます。だから、せめて、そんな酷いことは・・・。」
 「や、やめろっ。そんなこと、美津子にさせないでくれ。そんなこと、俺は、ちっとも望んでいない。」
 堪らずに下から大声を挙げて、文夫が怒鳴った。しかし、女達は容赦しなかった。
 「奴隷のお前が何を望むかは、関係ないんだよ。美津子に与える罰はこのあたしが決めるんだよ。さ、こっちへ美津子を引っ張っておいで。」
 テーブルの上のリーダー格が上から声を発した。テーブルの上から女は立ち上がると、顎で美津子を代わりにこちらへ連れて来いとばかりに合図する。
 嫌がる美津子を女二人がかりでテーブルの上へ昇らせると、さっきリーダーが座っていた椅子へ後ろ手になったままの美津子を括りつけ動けなくしてから両脚を開かせて再び肩口へ通した棒に括りつけ、先ほど天狗の面でいかされた時のV字で股間を晒す格好にさせてしまう。美津子は椅子に括りつけられてはいるが、不安定な格好で頼りなげなパイプ椅子の上から転げ落ちてしまわないかとひやひやしている。文夫のほうは、下半身を剥き出しにしたまま、再び鎖を引かれて、テーブルの前のVの字に脚を開いている美津子の真ん前に立たされた。
 「さ、思い切りひり出してごらん。」
 言われる前から、美津子はさきほどから感じていた下腹をぎゅるぎゅる突くような痛みに堪えていた。さきほど飲まされたらしい下剤は確実にその効果を発揮しようとしていたのだ。
 「ああ、やめて。こんなところを見られるのなんて。」
 「何言ってんだよ。恋人の顔におしっこ洩らしたお前が、今更何を恥ずかしがったって、もう取り返しはつかないんだよ。思い切って、恥ずかしいところを全部晒しちまいな。」
 女の非情な言葉に、美津子も打ちのめされる。
 (そうなのだ。もう、今更どうあがいても、私は許されもしないし、穢されきった身から浮かび上がることは出来ないのだわ。ああ、もう、もうどうなっても・・・。)
 そう思った瞬間に、我慢する気力がぷちんと切れてしまった。
 ぶりっ、ぶりぶりっと音を立てて、肛門が噴出を始めた。今度は文夫も目をそらさずにその一部始終を目を見開かせて注視している。
 一旦噴出を終えたものは、下剤によって無理やり下されたものだった。が、その後に引き続いた黒い塊りは、太く長いもので一気にひり出すことは出来なかった。
 「あっ、出てきた。出てきた。凄いものをひり出してきたわ。見なさいよ。あんたの恋人は恥ずかし気もなく、こんなものを人前でひり出すのよ。」
 どんなに揶揄されても、最早美津子には止めることは出来ない。
 「うわあ、臭っ。こんな可愛い顔して、こんな臭いのをひり出すのね。百年の恋も一気に冷めるってもんだわ。」
 美津子は文夫は注視しているかと思うと、最早顔さえ上げることが出来なかった。頬をしきりに涙が伝ってくるのを止められなかった。

 椅子からテーブルに掛けてひり出された美津子のうんちが綺麗に拭き取られ、自分の股間も拭われる間、美津子は放心したようにじっとされるがままになっていた。ちらっと垣間見る文夫もうなだれて美津子の顔を見ることさえ憚られるといった様子だった。
 すっかり綺麗に拭き取られたところで、湯を張った洗面器が美津子の元だけでなく、文夫の下へも運び込まれた。女二人がそれぞれ美津子と文夫の下に一人ずつ付く。
 「さ、お尻を洗ったついでに、一気にあそこも綺麗にして貰うのよ。」
 リーダー格が後ろから声を掛ける。二人に付いた女はそれぞれ、手に石鹸と剃刀を持ってきていた。
 湯に浸した石鹸を美津子と文夫の股間の草叢に擦り付けては泡立てていく。
 「お前たち、一体どうしようっていうんだ。」
 文夫のほうは不安にかられて叫んだが、美津子のほうは声を発する元気もなくなっているようだった。
 「あそこの毛を綺麗に剃り落としてやろうっていうのさ。お似合いになるように、ふたりしてそっくりに、赤ん坊みたいに毛を全部剃り落としてやるよ。」
 「そ、そんなことして、何になると言うんだ。」
 口惜しさに怒鳴り声を挙げる文夫だったが、手脚を拘束され、首輪で吊られた状態では、されるがままになるしかないのだった。
 「ほうら、綺麗になった。情けないふにゃちんにはお似合いのふるチンだわね。美津子のほうも見ておやりよ。割れ目がばっちり丸見えよ。嫌らしいことに、割れ目から襞が覗いちゃってる。」
 「ああ、言わないで。」
 美津子が恥ずかしそうに身を震わせて身悶えするが、手脚をがっしりとパイプ椅子に括りつけられてしまっていて、どうにも隠すことが出来ない。
 「さあ、お股が綺麗さっぱりしたところで、これまで堪えてきたご褒美を二人に上げるわ。恋人同士、やっと二人で抱き合えるのよ。」
 そう言いながら、二人掛りで、美津子と文夫が身に着けているものをどんどん剥ぎ取っていく。文夫も美津子も既に下半身は丸裸だ。上半身に残った衣服を縄と手錠で袖を通せないところは、鋏で切り取りながら、二人を素っ裸にしてしまう。
 「裸で二人して抱き合わせて簀巻きにしてあげるけど、あんたたちはさっき結合したくないっていったから、その願いを聞き入れて、シックスナクィンで簀巻きにしてあげるわ。」
 文夫は天井から吊るされていた首輪が外されて少し自由になったので、身を捩って防ごうとするのだったが、首の代わりに後ろ手の手錠に今度は繋がれた縄が床のアンカーの輪を通して滑車でどんどん引き寄せられていき、とうとう床に後ろ手錠で括りつけられて身動き出来なくなってしまう。足首をパイプ椅子から外された美津子のほうは、二人の女の手で、無理やり文夫の前に屈まされ頭と脚を文夫とは逆にする格好で床に捻じ伏せられてしまう。二人の身体がシックスナインの形に床に捻じ伏せられると、女達は文夫と美津子の身体の上から、縄でぐるぐる巻きにしてゆく。美津子の股間に文夫が顔をうずめるように、文夫の股間には美津子の顔が押し付けられるようにお互いの身体を括りつけていくのだった。

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 「どう、やっと恋人どうし、一緒になれた気分は。」
 女の一人が、美津子の前に膝を突いて顔を寄せてきて言った。
 美津子の目の前には、文夫の無残に毛を剃り落とされた恥部があって、萎えた陰茎がだらしなくぶら下がっている。美津子は目の前に陰部を見せ付けられているのと、自分の裸の肌を、初めて文夫に触れさせているという意識が恥ずかしくて、声も出せなかった。
 「アンタの方はどうなのさ。」
 もう一人が文夫のほうへ顔を近づける。文夫の目の前にも無毛に剃り挙げられた恋人美津子の無残な陰唇がすぐ顔を埋めれば届く位置にある。
 「こんな辱めをして、楽しいか。」
 文夫は吃として女の方を睨んでみせたが、空威張りでしかない。身動きをしようとすると、目の前の美津子の身体もゆさゆさ揺れる。
 「アンタにはちょっと目の毒過ぎるから、目隠しをして貰うわ。」
 そう言うと、屈んだまま、文夫の顔にアイマスクを掛けてしまい、後頭部でしっかり結びつけて外れないようにする。
 「さ、恋人の身体をお楽しみなさいな。」
 そう言って女二人は立ち上がって、シックスナインに括りつけられた美津子と文夫から少し離れる。
 見られていると思うと、恥ずかしさにじっとしているしかない二人だったが、最初に仕掛けたのは、文夫のほうだった。下腹のあたりに美津子の豊かな裸の乳房が押し付けられているのを感じると、どうにも堪らなくなったのだ。目を見えなくされたまま、顔を美津子の股間に埋めて、思いっきり舌を伸ばして割れ目を探った。
 「あ、嫌っ。」
 文夫の舌のぬるっとした感触に思わず声を挙げたのは美津子だった。最初は嫌がる美津子だったが、相手が文夫なのだと思うと、すぐにされるがままに任せ、自然に脚を開いていった。
 最初は顔を背けていた美津子だったが、広げた股の間を文夫が更に顔を突っ込み舌を陰唇の中に絡み入れてくると、美津子も堪らず、唇をすぼめて目の前のだらりと垂れた文夫のペニスに触れようとする。
 しかし、美津子の唇が文夫のペニスに触れようとする直前に、美津子は髪を後ろに引かれて仰け反らされた。
 「ああっ・・・。」
 あまりの口惜しさに声をあげた美津子に、女は美津子の口の中に一重に結わえたタオルの拳を突っ込んでしまう。それは文夫が最初にスペルマを放出した時から拭ってきたタオルなのだった。美津子の鼻をつうんと栗の香のような刺激的な動物臭が襲うと、頭がくらくらするような気がする。女はそのままタオルで美津子の口を割った状態で、猿轡のように美津子の後頭部で結びつけてしまうと、美津子の代わりに文夫のペニスに舌を伸ばす。
 「うう、ううっ・・・。」
 目の前で繰り広げられる様に、堪らず美津子はタオルの下でくぐもった呻き声を挙げるが、目隠しされた文夫にはそれが美津子が感じて上げている喘ぎにしか聞こえない。文夫のペニスが触れた女の舌の感触と、美津子の声に敏感に反応した。それまで萎えてしぼんだままだったペニスが再び鎌首を持ち上げ始めたのだ。女の舌が文夫のペニスのカリの部分をしゃくるようにしだくと、ペニスは更に膨らみを増す。
 「うう、うう・・。」
 目の前で自分の恋人のペニスにお預けを喰わされ、憎き女に再び奪われる口惜しさに、堪らず美津子はタオルの下で呻き声を挙げるが、美津子にはどうすることも出来ない。
 文夫は必死で美津子の陰唇にしゃぶりついていた。自分の下半身のほうで美津子の呻き声が聞こえると、ペニスの先がジンジン痛むのも構わず、ペニスを女の舌に任せて勃起させようとする。しかし、それがまさか美津子なのではなくて、自分たちを罠に貶めた女達の一人なのだとは思いもしないのだった。
 文夫の舌で思い切りしゃぶられて、既に美津子の陰唇は洪水のような愛液で溢れ出ようとしていた。三度目に射精までイカされてから、暫く経っていたせいで、漸く少し勃起出来るようになってきた文夫だった。相手が美津子だと思い込んでいるせいで、文夫も必死にフェラチオに応えようとする。それを目前で見させられている美津子は堪らずにこちらも必死で文夫に伝えようと呻き声を挙げるが、文夫にはよがりの声としてしか伝わらない。怒りを奮わせる眼で、目の前の女を睨みつける美津子だったが、何も出来ない美津子を嘲笑うかのように、悪戯っぽい眼でウィンクを返し、文夫のようやくそそり立ったペニスを咥え込む女に、どうすることも出来ない口惜しさを噛み締めている美津子だった。
 「ああ、ああああ・・・・。」
 とうとう文夫が最後を迎えたらしい声を挙げた。女は一層力を篭めてまだ怒張の残っているペニスを吸い上げる。放出は呆気なかった。もう幾らもザーメンは溜まっていない。残った限りのものを女の口に放出すると、文夫は果てた。ペニスはみるみる勢いを失って萎えていく。が、女は、そんな文夫のペニスを口に咥えたまま放さない。
 もう一人が二人の身体を括りつけていた縄を解いていく。二人の身体が自由になるが、文夫はぐったり疲れて身動きも出来ない。
 しかし、身体の前面に押し付けられていた美津子の身体がすっかり引き剥がされてしまったのに、自分の股間の物が女の口に咥え込まれた儘であることで文夫は漸く異変に気づいたのだった。
 女の手でアイマスクが外されると、目の前に口にタオルの猿轡を嵌められたままで、涙を溜めた眼で憐れむようにじっとこちらを見ている美津子を見て、唖然となった文夫だった。依然として自分の股間には蛭が這い付くように別の女がペニスを咥え込んで蹲っていた。
 「畜生、騙したのだな。くそお・・・。」
 その声に漸く咥えたちんぽを放した女は、立ち上がりながらきゃっ、きゃっ、きゃっと嬌声を挙げた。
 「ああ、すっとした。四回目でも少しだけど出せたじゃない。一応ちんぽもおっ立てられたし。アンタの恋人、すっごく欲しそうに見てたわよ。何なら、今すぐ私のお残しでよければ、跨がせてあげるわよ。」
 侮蔑した言葉に、美津子も吃と睨み返す。
 「何よ、その眼は。ほれ、アンタに呉れてやるわ。」
 そう言うと、乱暴に美津子の髪を掴んで引き摺っていき、美津子のタオルを口から外すと、美津子の顔を無理やり文夫の出したばかりの股間に埋めるように押し付ける。
 今、別の女の口に出したばかりのペニスだと思うと、美津子にはそれを口にすることはプライドが許さなかった。
 「どうしたの。アタイのあとじゃ、咥えられないっての。何様だと思ってんのよ。あんたも漸く恋人が咥えようと近くまで顔を近づけてきてくれてんじゃないの。すぐに勃起させなきゃ、駄目じゃないの。」
 文夫のほうにもせかせるのだが、文夫のほうは、やっとのことで勃起させて射精させたばかりで、とてもそんな元気は出せないようだった。
 「やめてくれ。そんなにもう出来ないよ。立てようと思ったって、立たないんだ。」
 情けなさそうに文夫が言うのを聞いて、美津子は顔を背けた。美津子もようやく男が一気に何度も勃起して射精することが出来ないことが判ってきたのだった。自分を前にして、すぐに勃起出来ないのを強制するのは、文夫には辛いことなのだと漸く理解し始めていたのだった。しかし、一方で、文夫の舌でしゃべり尽くされた美津子の陰唇はヴァギナの奥まで火を点けられてしまったかのように熱く疼いているのだった。
 「シックスナインじゃ、もどかしいだけだったでしょうから、今度は真正面を向けて繋いであげるわね。但し、さっきキスを拒んだ罰として猿轡は外してやらないわ。」
 そう言うと、タオルで口を割られたままの美津子を床に転がされている文夫の真正面に相対峙するように向けると、今度は身体の正面と正面が向き合うように二人の身体を簀巻きに縛り付けてしまう。文夫は美津子の豊かな胸が押し当てられるのを、美津子は萎えて勢いはなくなっているが、文夫の股間にぶらさがった生身のペニスが押し当てられるのを意識してしまう。
 「美津子さん、御免ね。僕にはどうすることも出来ないんだ。僕だって、君を抱きたい。こうして何も出来ない状態じゃなくて、あいつらなんかじゃなくて、君の身体を貫きたいんだ。でも、僕のペニスはもう言うことを聞かせることが出来ないくらいやつらに絞り取られてしまって・・。口惜しいけど、君の肌身に触れているというのに、どうすることも出来ないんだ。」
 文夫は必死で美津子に言い訳するように話しかける。猿轡を咬まされて文夫に応えることの出来ない美津子は、目だけで(いいのよ、分かっているわ。)という眼差しで思いを必死に伝えようとしている。
 しかし、美津子の身体は自分の意思とば別に動き出していた。裸の股間に勢いを失っているとはいえ、生身のペニスを押し当てられていては、それを求めてつい腰を捩って求めようとしてしまうのだった。
 「ああ、駄目。そんなにしたら、ペニスの先が痛くなってきてしまう。感じようとすると、ペニスの先が千切れそうに痛いんだ。」
 しかし二人の身体を繋いでいる縄はがっしりと二人の裸の身体を突き合わせて、身を離そうとすることを許してはくれなかった。そうなると、美津子はクリトリスのすぐ上の割れ目に沿って押し当てられている柔らかい肉の塊に刺激されて、ついつい腰を振って身悶えしてしまうのだった。
 「ああ、ああ、苦しい。・・・いや、違う、違うんだ。ちんぽが痛くて苦しいんじゃなくて、君を僕のもので慰めてあげられないのが辛くて苦しいんだ。」
 悲しそうな顔をする美津子の顔をすぐ真近にみて、つい文夫は言い訳がましくいうのだった。
 そのやり取りを聞きながら、少し離れたところで見下ろしていた女達の一人が遂に声を挙げた。
 「おや、あんたの恋人の美津子は、股間が疼いてしかたなくって、あんたの役に立たないふにゃちんのちんぽに腰を振って身悶えしてるみたいよ。何とかしておやりよ、この役立たず。」
 「くそう、お前ら。お前らが散々弄んだせいじゃないか。」
 「あら、あんただって、とても気持ちよさそうにしてたじゃないの。あたしたちにチンポいじられて。気持ちいいから射精までしちゃったんじゃないの。そんなに言うんなら、この可愛い恋人の為に、果てないで取っておいてやれば良かったじゃないの。」
 女達の愛撫で不覚にも果ててしまったのは確かだった。文夫にはそのことの後ろめたさがあった。しかも、最愛の恋人の見ている前で、イってしまったのだ。女たちに言われると、美津子を前にして、言い訳がもう出来なかった。
 「美津子のほうも何か言いたいみたいだから、ちょっと猿轡を取ってあげようじゃないの。但し、二人とも何も無しってのは駄目よ。」
 そう言うと、今度は無理やり文夫の鼻を摘んで口を開かせると、今度は文夫の口にボールギャグと呼ばれるゴルフボール大の玉に革紐を通した口枷を嵌めてしまう。口を閉じることが出来なくされると、文夫は聾唖者のように、「あう、あう」という喘ぎしかあげられなくなり、閉じることの出来ない口の端からはだらしなく涎が止め処なく垂れ出し始めた。そうしておいてから、美津子の口を割っていたタオルを漸く外したのだった。
 美津子は口の中がカラカラに渇いていて、すぐには声を出せなかった。咬まされていたタオルも美津子の唾液でぐっしょり濡れていた。
 「くふっ、・・・。ふ、文夫さん・・・。いいのよ、私は。・・・だって、・・・だって、私なんか、貴方に慰めて貰えるような女じゃもうないのだから。貴方に対して、おしっこを洩らしてしまったのよ。貴方の前で、うんちまでひり出してしまったのよ。そんな資格はないことはようく分かっているの。ただ、私の身体が変に火が点いてしまったようで、勝手に腰が動いてしまうの。ああ、はしたない。はしたないって、自分では判っているつもりなのに、もうどうすることも出来ないの。あ、あそこが、火照ってしまって狂いそうなの。ああ、私は今日、初めて処女を奪われて、それも天狗の面の鼻なのに・・・。ああ、それ以来、あそこが疼いて仕方がないの。あそこに、ああ、つるつるに剃られてしまった、ああ、お、・・・、おまんこに、ペニスがあたってるって思うと、居ても立っても居られないの。ああ、生まれつき、淫乱なのだわ。だから、だから・・・、こんな私は貴方に奪われる資格はないのよ。」
 一旦口火を切ってしまうと、堰が切れたように言葉が止まらなかった。言葉を止めてしまうと、恥ずかしさで死んでしまいそうなのだった。
 「そんなに結合したいのなら、させてあげるわよ。うふふふ。」
 いつの間にか美津子の背後に近寄っていた女が謎の含み笑いを浮かべながら、美津子の身体を引き起こそうとしていた。あっと言う間に縄が解かれ、二人の身体は引き剥がされてしまった。美津子は文夫の身体が名残惜しそうに、自由になった脚をばたばたさせて、身悶えを繰り返していた。
「何をがっついているの、このあばずれメス豚が。」
 女達は、蔑むような眼で美津子のことを見ると、身悶えしている美津子を後ろ手のところでテーブルの脚に結わえ付けてしまう。
 そうしておいて、もう動けないほどぐったりして蹲っている文夫の脚を女二人掛りで2mほどの鉄の棒に大きく脚を広げさせて括りつけてしまう。文夫は身ぐるみすべて剥がされた全裸状態なので、股間にぶらさがる萎えた陰茎と陰嚢が惨めなほど露わにされてしまっているのが、繋がれた美津子にも見て取れる。
 女達は、今度は文夫の身体を二人して持ち上げて、パイプ椅子の背の部分の隙間に文夫の首を通させ、腹を椅子に乗せる状態で、動けないように首を椅子の両側の脚に括りつけてしまう。身動き出来なくなった文夫は腹這いで、裸の尻だけを突き出すようにして乗せられている。鉄のパイプで脚を閉じることが出来ないので、股間にぶら下がるものは剥き出しで、その上に肛門の穴までが惨めに丸見えにされている。
 そんな格好に文夫を括りつけてしまうと、いつの間にか、小さな壜に入ったクリームを持ち出してきた。それは、美津子が天狗の鼻で犯して欲しいと言わせるのに使われたまさしく同じ掻痒クリームに違いなかった。その壜からたっぷりと指先に掬い取ると、美津子のほうへようく見えるように翳した後、文夫の剥き出しにされている尻の穴に突き立てた。
 「あっ、止めて。そんなこと・・・。」
 美津子は苦しめられたあの掻痒感を思い出して、大声を挙げた。
 「うぐうっ。」
 美津子の声にはっとなった文夫も、次の瞬間に思わず呻き声を洩らした。尻の穴に指を突き立てられるのは、もう二度目のことだった。しかし、だからと言って慣れるという訳にはゆかない。
 「な、何をするっ・・・。や、やめろっ。」
 文夫の強がりも虚しかった。女の指は、引き抜かれては、またあらたなクリームを掬い取って尻の穴の襞に奥深く塗り込めてゆくのだった。
 かっと熱い火照りが、尋常ではない掻痒感に取ってかわるのに、それほど時間はかからなかった。
 「あうう・・・。何なんだ、この痒みは・・・。」
 堪らぬ掻痒感に、文夫は腰を振って悶え苦しむ。脚を閉じれぬよう、鉄棒に括りつけられて固定されているだけに、出来ることは、尻を振って身悶えすることぐらいしかないのだった。腰を振る度に股間にだらしなくぶら下がる萎えきった陰茎がぶらぶら揺れる。その様があまりに情けないので、女達は声を挙げて笑い転げている。
 「ああ、痒い。堪らない。お願いだ。何とかしてくれっ。助けてくれえ。」
 縛り上げられた背中の両手を何とか押し下げて、尻を掻こうとするのだが、両手首の縄は、そのまま首まで廻されて繋ぎ留められているので、背中の真ん中から下へは下ろすことも叶わないようにされているのだ。
 「どう、あんたの大事な人、相当辛そうね。あんたもこのクリームの威力はもう知っているものね。」
 女達は、揶揄するように、美津子の傍にも寄ってきて、目の前の恋人の惨状に感想を求める。
 「鬼っ、貴方たちは、鬼よ。どうして、こんな酷いことするの。」
 美津子は、文夫の代わりになって、女達に詰め寄る。しかし、その美津子も全裸の上にきっちり縄が掛けられていて、何の抵抗も出来ない姿なのだった。
 「どう、痒みで堪らないこの男を助けられるのは、あんただけよ。こいつの痒みを癒してやれる?」
 「わ、私にどうしろと仰るの。」

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 「ふふふふ。」
 女は謎の笑みを浮かべて見せてから、おもむろに背後に隠し持ってきた物を美津子の目の前に翳してみせる。それは異様にグロテスクな代物だった。黒々とした太い棒状のものは、明らかに男性のシンボルを模っている。しかもその大きさは、情けなく萎えた文夫の今のものではなく、女達の手や口で弄ばれて、完全に屹立した時のそれなのだった。さらには、そのいきり立つような切っ先は、棒状の両側についているのだ。同性愛のレズビアン達が使うという、双頭のディルドーというものだということを初心な美津子はまだ知らない。
 「これで男になるの。あんたが男になって、こいつの尻の穴で繋がって、慰めてやるのよ。痒みが癒されるどころか、気持ち良くなって、昇天しちゃうわよ、きっと。」
 女は意味ありげににやりとすると、ディルドーの片側にもたっぷりと掻痒クリームを塗りたてると、美津子の下半身の割れ目に無理やり捻じ込む。美津子には逃れる術はなかった。ディルドウの真ん中には何本かの紐がついていて、女は、その紐でディドウを外せないように美津子の腰と太腿にしっかりと繋ぎとめてしまう。もう一人のほうは、先ほどまで文夫を天井から吊っていた首輪を引いてきて、美津子の首に嵌めてしまい、パイプ椅子に繋がれている文夫の尻に腰をつきだせばやっと届く長さに鎖を伸ばしていく。
 「さあ、恋人を慰めてやんな、美津子姫っ。」
 女はぴしゃりと美津子の裸の尻を掌で打って、美津子を促す。
 「ああ、そんなあさましい真似、出来ません。」
 必死にかぶりを振っては、嫌がってみせる美津子だったが、目の前では相変わらず文夫が痒みに悶え苦しんでいる姿を見せ付けられて、何とかしてやりたいという気持ちが次第に目覚め始めている。
 「ああ、いっそ、私のほうがお尻を突かれるほうなら、まだ耐えられるのに・・・。」
 思わず口走った美津子の独り言を、女達は聞き逃さない。
 「そうかい、じゃあ、お前の尻の穴は、あたいが冒してやろうか。」
 そう言って、女の一人がもう一本のディルドウを美津子に翳して見せると、美津子は身を竦ませる。
 「そ、そんな・・・。い、嫌です。」
 「なんだい、口先だけかい。ふん、恋人も癒してやれない癖に、大きな口叩くんじゃないよ。お前だって、ここが疼いてきてるんじゃないのかい。」
 そう言うと、女は美津子の股間に取り付けられたディルドウの棹の先を掴むと、いきなりぐりっとえぐるように、こね回す。
 「あうっ。」
 美津子自身も身体の中心が、自分の陰唇の奥に差し込まれた側の先に塗り篭められたクリームのせいでジンジン疼き始めてきているのには気づいていたのだが、そこをディルドウの先で掻き回される快感に、思わずよがり声を挙げてしまう。
 「さあさ、坊やの方も、姫に挿して欲しいっておねだりするのよ。」
 もう一人の女のほうは、パイプ椅子におぶさるように括りつけられている文夫のもとにしゃがみこみ、股間にぶら下がる陰嚢を手の中に握り締め、ぐいっと引っ張りながら文夫を促す。
 「ああ、もう気がどうにかなりそうだ。美津子さん、構わないから、突き立ててこね回してくれっ・・・。」
 尻を振りながら文夫が懇願するのを聞いて、遂に美津子も決意する。
 「いいのね、文夫さん。行くわよ。・・・・。ああ、届かない。この首輪が繋がれていては、文夫さんのところまで届かない。」
 「何、おしとやかにやってんのよ。もっと、腰を突き出せばいいのよ。」
 女はそう囃したてながらも、鎖を少しだけ緩める。
 「ああ、ああ・・・。」
 痒みで堪らなかった、ディルドウの先が菊座のまわりをつつくと、痒みが少しだけ癒される快感に文夫も声を挙げてしまう。
 「ほら、こうやるのよ。」
 女の一人が、美津子の後ろから裸の腰を抑えるようにして、美津子の身体ごと、文夫のほうへ押しやって、股間のモノの切っ先を文夫の尻の穴にぶすりと突き立てた。
 「あぎゃう。」
 あまりの痛みに、文夫は一瞬痒みも忘れて悲鳴をあげた。尻の穴は、もう何度も女達の指で抉られていたが、ディルドウの太さは指とは比べものにならない。
 「ご、ご免なさい、文夫さん。」
 「あ、ああ、いいんだ。抜かないで・・・。も、もっと深く、深く挿してくれっ。」
 美津子がおそるおそる更に腰を前に出すと、股間の黒い塊がずぶずぶと文夫の体内に沈みこんだいく。
 「ほらっ、こうやって腰を揺するのよ。」
 美津子の後ろの女が、美津子の腰を抱えて激しく揺さぶる。
 「ああっ、ああっいいっ。ああっ、たまらない・・・。」
 ディルドウの先が、美津子が腰を揺すって前後に動かされると、痒くて堪らなかった肛門の粘膜が心地よい刺激に癒されて、文夫もよがりの声を挙げてしまう。その声に励まされて、美津子も熱心に腰を振り始めるのだった。
 「おやまあ、なんてあさましい。まるで、ケダモノね。」
 吐き捨てるように侮蔑の言葉を漸く結合した二人に向かって浴びせ掛ける女達だった。
 「ああ、いい。いいよ、美津子さん・・・。」
 「ああ、私も気持ちいいの。堪らないわ。ああ、いい・・・。」
 二人が声を挙げて、リズミカルに身体の動きを合わせ始めると、もうお互いの惨状も忘れて、心地よい刺激に陶酔してゆくのだった。
 「あら、こいつ。また、あそこを立たせてるわ。」
 女の一人が、文夫のペニスが勃起し始めたのを目聡くみつけてしまった。
 「もう一回しごいて、最後の一滴まで搾り出させておやり。」
 リーダー格がすかさず顎をしゃくって命令すると、しゃがみこんでいた女がさっそく文夫の硬さを加えてきたペニスの棹を掌に包み込んで、激しく前後に扱き出す。
 「ああ、ああ、イクっ。イッてしまうぅ・・・。」
 「ああ、まだ。まだよ。先にイかないでえ・・・。」
 やっと感じ始めた快感を終わらせたくなくて、美津子も悲痛な声を挙げた。
 「ああああああ・・・・。」
 文夫は美津子のせがみにもどうすることも出来ない。美津子のディルドウで尻の痒みを忘れるほどの快感を後ろから、前では射精し過ぎて痛くなるほどのペニスをしごかれて、自分では上りつめるのをどうにも止められない文夫は、性の本能に身を任せるしかないのだった。
 「ああ、いってしまううう・・・。」
 文夫は最後の声を挙げると、ペニスの先からスペルマを放出させる。しかし、それはもう濁りの少ない、数滴に過ぎなかった。急激に硬さを失っていくペニスを、それでも女は面白がって放そうとせず、後ろから、跨るように尻の穴を突いている美津子のほうも腰振りを止めなかった。
 「ああ、もう駄目だあ・・・。」
 遂には文夫が白目を剥いて、身体をぐったりさせたので、漸く女はペニスを放したが、美津子は腰振りを止めたものの、名残惜しそうに、文夫の尻からディルドウを抜けずに居た。
 「何時までやってんのよ、この淫乱女っ。」
 女はそう言うと、壁のチェーンを巻き上げ、美津子の首輪の鎖を引くことで、漸く文夫との結合棒を抜き取らせる。
 「ああ、まだ、まだなのよぉ・・・。」
 ディルドウを抜かれてしまって、そこから得られていた強い刺激がなくなって、美津子は自分の中に点けられてしまった火照りを覚ますことが出来なくなって、身を捩るようにして堪えている。
 「お預けを喰わされて、随分辛そうね、淫乱美津子。」
 蔑むような目を向けながら、リーダー格の女が両手を縛られ、首輪で吊られて、オナニーで火照りを治めることすら許されていない美津子の前に立ちはだかる。
 「文夫の尻を犯すのが、そんなに気持ちよかったかい、美津子。」
 「ああ、もう身体の中がおかしくなってしまっているのです。この・・・、この、お股に挟まったものをどうか、どうか・・・、突いて、突いてください。」
 美津子には、もうどんなに憎い相手であろうとも、頼んで身体の火照りを癒してもらうしかないのだった。
 リーダー格の女が、ぐいっと美津子の股間の棹を掴んで捻る。
 「ああ、ああいいっ・・・。お、お願い・・・、放さないで。」
 そう言うと、美津子はリーダー格の女が押さえつけているディルドウを中心にして腰を廻し始める。
 「ふん、あたしに何させるつもりだよ。」
 そう言うと、ぽいっと放るように美津子の股間のモノを手放してしまう。美津子はつかの間の刺激にまだ十分癒されないで、名残り惜しそうに腰を振る。美津子の股間でペニスのように突き出たディルドウの先が美津子の腰の動きとともに、ぶるんぶるんと揺れている。文夫の尻を突いていた時ほどの激しい刺激は得られないものの、ディルドウが揺れるたびに、内部で繋がったもう一方の先が美津子の陰唇の中で暴れるので、微かな慰めになって、美津子は腰をふるのを止められない。
 「そんなんじゃ、イけないだろ。おい、お前たち、あのバイブでこの美津子も昇天させておやりよ。」
 手下の女達は二人掛りで、美津子の腰から双頭のディルドウを抜き取ってしまう。美津子の内部深くに沈められていた先は、もう愛液でべっとり濡れてしまっている。
 代わりにディルドウより一回り太く、イボの付いたバイブが持ってこられる。女がスイッチを入れ、ウィーンという音とともに、鈍い振動が始まって、バイブの先がくねくねと動き始めると、美津子はそのいやらしさに一瞬身をすくめるが、すぐに身体の疼きのほうが打ち勝ってしまう。
 「ああ、ああ、一思いに突き刺してくださいませ。」
 かしこまって二人の女にお願いする美津子だったが、そう易々とは楽にはさせて貰えなさそうだった。女たちはにやりと目配せすると、傍に転がって失神している文夫の身体を美津子の元に引き摺ってきて、美津子の脚を開かせて、足の間に文夫の顔を割り込ませる。
 「さ、そのまま立っておしっこを出してごらん。ちゃんと出せたらご褒美にバイブでイかせてやるよ。」
 「ああ、そんな・・・。ううっ。許して、文夫さん。」
 美津子が目を伏せ、顔を横に向けていきばる。待つほどもなく、美津子の股間から滴が垂れ出した。そのゆばりは文夫の顔を直撃していく。失神していた文夫は小水を掛けられて、たまらずに正気に戻る。
 「うわって、ぷふっ。や、やめてくれ・・・。」
 何事が起こったのか、把握していない文夫は縛られて身動き出来ない身を捩って逃れようとするが、二人の女ががっしり文夫の足の鉄棒を踏みつけているので逃げることが出来ない。強い利尿剤とともに、大量の水を呑まされている美津子は、先ほど放尿したばかりであるにも関わらず、ゆばりを迸らせ続けるのだった。

 「随分出したもんだねえ。馬か、お前は。」
 詰るような女の言葉に、もはや恥らう余裕させなくなっている美津子は、バイブを装着されるのをいつしか心待ちにしている。
 「さ、股を開きな。」
 女に指図されながら、濡れた陰唇を拭っても貰えぬまま、美津子は太いバイブを挿入され、抜け落ちないように紐で腰にしっかり結わえ付けられてしまう。
 「さ、天国へお行き。」
 女がバイブのスイッチを最強にして離れると、美津子はすぐに身体を振り始める。
 「ああ、ああ。いいわ、いい・・・。」
 膝を折るようにして、ハの字に股を広げて腰を振る美津子の姿は、その部屋へ連れてこられた時の可憐さを微塵も留めていない、あさましいものに変わり果てていたのだった。

あとがき
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