京子 3
「やい、京子。どてっ腹に風穴を開けられたくねえなら、おとなしくお手々をう
しろへ回すんだ。」
自分はとにかく静子夫人の命を救うためには、自分が一旦、彼らの言いなりに
なる他仕方がないのだと悲痛な決心をした京子は、固く目を閉ざして、両手を背
後へ回すのだった。
銀子と朱美は手きびしい敵意のこもった眼で、京子を睨みつづける。
「こ、これ以上、私にどうしろというのさ」
京子は、涙にうるんだ美しい瞳をキッと開き、二人のズベ公を見る。
「詫びを入れろ、といってるじゃないか。商品に傷がつくと男達が困るという
んで指をつめさせたりはしないよ。実に、たやすい方法さ」
銀子がそういうと、そのあと、朱美がつけ加えていう。
「ふふふ、これから、お前さんをたっぷり可愛がって下さる男達にとっくり見
ていただくんだよ。お前さんが粗相をする姿をね」
と聞く。
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遠山静子夫人を救い出す為に葉桜団に忍び込んだ女探偵秘書、京子。
あと一歩で救出出来るところで、静子夫人を囮に捕られ、敵の手に・・・。
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