女BATMAN夜の行進2

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女BATMAN夜の行進


 携帯のイアホンを外し、首から掛けていた携帯ケースを外すとバットマン風の頭巾を手に取る。昼間様子は確認してあった。それを頭から被る。大きさは計ってあったかのように京子の頭にぴったりのサイズだった。首の後ろの部分に首輪が縫い付けてあって、それを前で締め、錠前を掛けて小さな鍵を抜き取る。首輪を引っ張ってみたが、ピクリともしない。それからマントを肩から掛け首の前で紐を縛って留める。後は手錠だけだった。T字帯の鍵、頭巾の首輪の鍵を揃えて置いた横に手錠の鍵を置くと片手に手錠を嵌め、それをマントの下に差し込んでもう片方の手首にも嵌める。家を出る前にもう一度姿見の前に立ってみる。頭巾の上半分は目だけが覗いていて、後は顔の下半分が出ているに過ぎない。最初から京子だと言わない限り、誰なのかは気づかれないような気がした。マントは少し前屈みにしていれば、股間のペニスがぎりぎり隠れるぐらいの丈だった。しかし前を閉じている訳ではないので、下手に動けばすぐに股間はおろか、胸の剥き出しの乳房まで露わになってしまいそうだった。それでも躊躇している時間は残されていなかった。後ろ手に家の鍵を取ると、玄関を出て手探りで施錠してから植込みの陰に家の鍵を隠すと京子は公園の前の暗い路地に向かって小走りになるのだった。

 「覗き妻が受ける罰」より





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