妄想画像
キャバ嬢サチ トイレのパンダ眼
廊下に誰も居ないことをトイレの扉をそおっと薄めに開いて確かめてから、幸江はさっと廊下に滑り出て、そのまま通路の反対側にある女子トイレのほうへ滑り込んだ。この階には女性が少ない。居るのは秘書だけであり、秘書も常時待機している訳ではない。担当の役員が在室している時だけ来て待機していて、留守の時は階下の総務部のほうで控えているのだ。おそらくは誰も居ることはないだろうと思いながら入った女子トイレは、やはりがらんとしていた。
幸江は入ってすぐ、鏡に映った自分の姿を見て呆然となった。髪の乱れは多少予想はしていたものの、鏡に映った顔は目の周りが真っ黒に汚れていた。アイシャドーが水で流されて、そのまま乾いてしまったのだった。唇も洗い流されて不健康そうな色をしている。
<妄想小説 キャバ嬢サチより>
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