採精手伝い

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不妊治療


 「失礼しまあす。」
 突然、看護婦がカーテンを開けずに持上げて顔を見せた。涼馬がさきほど手渡された新しい雑誌を傍らに伏せて置いたままなのをちらっと見る。
 「こういう場所で急に出せと言われて、出せない方もいっぱいいらっしゃいます。まあ、ふつうすぐに出せないほうが普通なんです。」
 目を上げると、微笑んでいるでもない、困った表情をしているでもない、真剣な眼差しの看護師の顔がすぐ傍にあった。
 「ちょっと失礼しますね。」
 そう言うと、採精室の入り口の境に付いているのとは別の、涼馬が横たわっている簡易ベッドの上を横断するような形で据えられている別のカーテンをさっと引く。どこかでそんな風景を見たような気がすると涼馬は思って、すぐにそれは妊産婦がお産を始める際に頭の方から下半身が見えないように隠すカーテンだったことを思い出した。
 カーテンが引かれて涼馬自身が自分の下半身の方が見えなくなると、看護師は涼馬のすぐ横に立って頭をカーテンの中に潜り込ませる。看護師が前屈みになるので、それでなくても短い薄ピンク色のナース服が少しずり上がって、太腿の後ろ側がかなりきわどい所まで露わになる。
 「あっ・・・。」
 カーテンの向こう側で、看護師が自分の陰茎を優しく包み込むように握りしめたのを感じた。

 <妄想小説 不妊治療より>





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