エッセイ
セクシーとエロい
少し前に「えっちの語源」と表題を付けたエッセイまがいの文章を記した。その中で、えっちに相当する英語は何だろうと考えて、sexyという言葉とeroticという言葉を挙げた。
その際にそれぞれの言葉の日本語訳をネット検索で調べてみて、それぞれsexyはセクシー、eroticはエロチックとしか出ないことを知った。つまりセクシーもエロチックも最早日本語なのだ。しかもエロチックは現在では、より日本語的にエロいという言い方に変化してきている。
しかし、セクシーとエロいは微妙にニュアンスが違うように感じている。勿論、今現在での言い方、ニュアンスにおいてである。何が違うのだろうかとずっと考えていた。人に説明しようとすると意外に難しいことが分かる。
ずっと考えていて思い浮かんだのは次の定義だ。セクシーは他人に言える性的感情、エロいは他人には言えない性的感情というものだ。
例えば、ミニスカートの似合う若いアイドル歌手とか女優が居るとする。そういうのに対して、「彼女は魅力的だよね。」という、この感触はセクシーと言えるだろう。
一方、例えば知り合いの女性がスカートのジッパーを引き上げておくのを忘れられていたとする。そのせいで、隙間から下着が覗いていたとする。それを見てしまった時の感情がエロいなのだろう。「ちょっと刺激的だね。」とは思っていても口には出せない。
これも少し前に書いていたエッセイ紛いの駄文で「指原莉乃は美人か」という文章がある。女性には三タイプあって、憧れる美女、守ってあげたい可愛らしい女、そしてそそる女だ。勿論、指原は三番目にあたる。ちなみに一番目の代表例としては武井咲、二番目の代表例は新垣結衣を先の文章では挙げている。
この場合、指原はエロいタイプとも言える。セクシーというのとはちょっと違うように感じる。逆にだからといって、武井や新垣がセクシーかというとそれもちょっと違う。方向性としては先に挙げた三種類の三番目にセクシーもエロいもあるのだが、同じ方向性でも微妙な差があるということだろうか。
それではセクシーの代表は例えば誰かと考えて、安室奈美恵が浮かんだ。女性誌の表紙を飾るような女性はおおむねセクシーであると言っていい。ある意味、上品さのあるのがセクシーで、下品なのがエロいということかもしれない。
男性誌ならいいが、女性誌の表紙に安室奈美恵なら許されそうだが、指原莉乃が選ばれたら、多くの女性からは反感を買うだろう。男性誌の表紙に指原が載っているのはいかにもありそうだが、これを人前で買うのはちょっと気恥ずかしい。指原に対する下心が透けてみえそうだからなのだろう。
セクシーでもうひとつ思い浮かんだ定義だが、セクシーは性的魅力は感じるが自分が実際にセックスをしてみたいとは思わないタイプ。エロいはチャンスがあれば自分はしてみたいタイプというのはどうだろう。安室奈美恵とセックスしてみたいと思えないのは何故だろうか。何か突き放されるようなものを感じているような気がする。
実は女優やアイドルの顔写真を多く集めたファイルを持っている。インターネットからダウンロードした画像だ。ファイルのタイトルは「記憶鍛錬」としている。何故記憶鍛錬なのかというと、数多くの女性人物画像をスライドショーなどを使って短時間ずつ流していって、画像が出ている瞬間に名前を思い出して口にしてみるというのに使っている。テレビなどで時々見掛けるぐらいの頻度の気になる女優やアイドルは、ぱっと写真を出されて名前をすぐに言えないことは多い。なので、これを流して名前を思い浮かべる訓練が記憶鍛錬になるという訳だ。
そのファイルを使って、セクシーとエロいに該当しそうな女優、アイドルを挙げてみる。
セクシー代表
篠原涼子 佐藤江梨子 リアディゾン リンチーリン 熊田曜子 佐々木希 山田優 若村麻由美 松下奈緒 上原多香子 沢尻エリカ 中谷美紀 藤原紀香 鈴木亜美 小雪 滝沢沙織 市川結衣 長谷川潤 河原亜矢子 米倉涼子 北川景子 上戸彩 黒木メイサ 長谷川京子 松嶋菜々子 蝦原友里 小沢真珠 比嘉愛未 高島礼子 新川優愛 ミランダカー 桐谷美玲 奈々緒
エロい代表
麻生久美子 田中麗奈 池脇千鶴 吉岡美穂 深田恭子 竹内結子 八木亜希子 夏川結衣 森下千里 星野真理 松本莉緒 蒼井優 戸田菜穂 石原さとみ 臼田あさ美 仲里依紗 井上和香 国仲涼子 夏帆 長澤まさみ 白石真帆 安めぐみ 内田有紀 横山めぐみ 本庄まなみ 三吉彩花
こうやって挙げてみると、法則のようなものを見出すことはかなり難しい。勿論、上のどちらにも当てはまらない女優、アイドルも居る。所謂清純派、例えば有村架純、知性派、例えば檀ふみ、男まさり、例えば天海祐希などがそうだろう。
セクシー代表をつらつら眺めていると、モデル出身者が多い。背が高くて痩せ形。顔は何故か爬虫類系が多いような気がする。身体つきが性欲を刺激するのだが、顔がタイプではないので、色っぽいがその気になれないというのかもしれない。
エロい系は所謂好みの美人が殆どいない。美人だと欲情してしまうことに遠慮があるのかもしれない。自分にとってこのくらいの女なら欲情して性のはけ口にしてしまっても惜しくはないという気持ちが働くのかもしれない。自分にとってのアイドル、すなわち憧れの的でないことは確かだ。何かの機会に一度貶めてみたいという感情が脳裏をかすめるのかもしれない。まあ、勿論これも人によっては違う感情になるだろうことは認めるという前提においてである。
エロい系であげた女優の中に、あくまでも妻個人の感想であるが、妻が好感を抱いている女優と毛嫌いしている女優がいる。前者は深田恭子、蒼井優、石原さとみ、内田有紀などである。反対に毛嫌いしている方に、吉岡美穂、八木亜希子、松本莉緒、長澤まさみなどが居る。男の自分にはどういう違いがあるのか判らないのだが、女性目線では明確な違いがあるのだろう。
2017.10.25