エッセイ


指原莉乃は美人か?


 AKB48の指原莉乃は美人かブスかという議論がよくある。それだけ評価が分かれる微妙な顔立ちではある。
 一般的には女性には人気が無い。女性からはブスとか弩ブスと言われることが多いようだ。一方、男性はというと、指原が好きだと公言する人は少ないが、内心では密かに心を寄せている人が結構居るようだ。その証拠がAKB総選挙で連続二回制覇と言えるだろう。
 この一件矛盾するような意見と結果が意味するものはなんだろうか。私が密かに思っているのは、指原莉乃の魅力は美人だからということではないのだと分析している。顔の各パーツ毎に観てみると、必ずしも美人の要素を多く持っているとは言えない。パーツ、パーツの全体の構成で言っても、どちらかといえばブス系の配置と言えなくもない。

 試しに指原のパーツを他の美人系の俳優と比較してみたい。対象として選んだのは武井咲だ。武井が美人かどうかは人によって意見が分かれると思うが、美人系であるのは間違いないと思うからだ。
 まず眼元を比較してみたい。

s眼    t眼

 どちらが美人かは甲乙決め難い。女性の眼というのは化粧で映える最たる物とも言えるので、眼で比較するのは難しいのかもしれない。ただ、左側のほうが、何か男を誘っている雰囲気を持っているとは言えそうな気がする。
 次は鼻すじだ。

s鼻    t鼻

 右のほうが明らかに高さはある。左はちょっと顔に埋もれそうで、鼻筋が通っているとは言い難い。美人の要素のあるのは明らかに右側だ。
 そして口元。

s口    t口

 どちらも口角があがっていて、微笑みが感じられる。しかし微妙な違いがあって、右は控えめなしとやかさがあるが、左は意欲的な積極性が感じられる。どちらが好みかは意見が分かれると思うが、日本人的な美人は右だろう。
 顔全体のバランスを観てみたい。

s輪郭    t輪郭


 まず顔全体の形だが、一般的に言って美人の順位は、一に瓜実、二に丸顔、三四が無くて五に長面と言われている。右は瓜実の典型、左は明らかに丸顔だ。両目の間隔だが、左は若干寄り過ぎているように見えなくもない。更に鼻が低くて印象が薄い割に口が目鼻の間隔に対して大きい。笑顔を印象的にさせていると言えなくもないが、下品さも感じられる。
 最後に顔の表情同士の比較をしてみる。

s元絵    t元絵


 どちらもいい表情の顔を選んでいるので、それなりに悪くはないが、どちらが美人かと言えば、だいたい意見は分かれないのではないだろうか。あくまで好きかどうかは別としてだ。

 私が指原の顔に見るのは、隙のある心が見え隠れする表情にあると思う。それが男の心をそそるのではないだろうか。それほど好きではない女の子と、いけないエッチな事をしてみたいと思い、誘ってみたら乗ってきそうな気がするような表情とでも言えばいいだろうか。こいつなら駄目元で試してみてもいいかもしれない、そんな風にちょっと自信の無い男達には思えるのではないだろうか。そう考えてみると、AKB総選挙で二年も連続でトップを取るというのは頷けなくもない。



 さて、その大前提の上で、指原を観た時、彼女ほどアイコラに合う被写体はないのではないかと思う。アイコラに合うという意味は、罪悪感を感じずに男をその気にさせるエッチな画像を作りあげた時に実にいいものが出来るというようなニュアンスである。
 ネット上に流布されているAKB48メンバーのアイコラを初めてみたのは、大島優子のものだったと記憶している。それは何とも後味の悪い作品だった。もっとも、指原を使ったアイコラが、どの作品も秀逸という訳ではない。むしろ、後味の悪い作品も少なくない。アイコラは状況と表情をうまくマッチングさせることが出来栄えを左右する。その意味で、指原の顔と表情にはアイコラを作る上でマッチングさせたい状況の画が多いということなのかもしれない。

大島アイコラ


 大島優子の初めて観たアイコラというのが、実に下品で本人を冒涜している感が強かった。指原のものでも、下品で冒涜している感のあるものも結構ある。しかし、表情と状況をうまく選びさえすれば、実に真に迫った緊迫感のあるコラージュが出来るのが指原莉乃ではないかと思うのだ。大島のものは、こんな事してはいけないという慙愧の思いが募るのに対し、指原のは妙に顔の下品さがシチュエーションをいかにもありそうに見せてしまうような気がする。

指原アイコラ




 女優武井咲と指原の顔のパーツと全体の構成を比較したところで本稿を終えようと思っていたのだが、その時このクール(2016年10月~12月)とても評判になったドラマ、逃げるは恥だが役に立つで一躍世の注目を受けた女優、新垣結衣を見ていてふと思うようになったのだ。ガッキーナは美人なんだろうかということである。それで同じ様に各パーツ毎の比較をしてみようという気になったのだ。

 まず眼元の比較から。

s眼    a眼    

 美人度合についてはさしたる差はないように思える。もしかしたら左の指原のほうが魅力的かもしれない。次に鼻だ。

s鼻    a鼻    

 どちらもさして高くない鼻で、鼻が魅力ポイントということはなさそうだ。そして口。

s口    a口    

 口角の上り具合、大きさ、歯並びともに遜色はない。同じ人物かと思ってしまうほどだ。次に全体のバランスを見てみよう。

s輪郭    a輪郭 

 大雑把に言えばどちらも丸顔タイプで、目鼻立ちのバランスは同じではないにしろどちらも甲乙つけがたい。

 そして最後に顔の表情の比較をしてみる。

s元絵    a元絵   

 どちらが美人かというのは愚問にしか思えない。好き好きなのだろうと思う。しかし、何か決定的に違うものを感じてしまう。それは美しさという観点では絶対無い。

 この二人の印象は何が違うのだろうとずっと考えていた。そして最後に思いついたのは愛らしさだ。守ってあげたいと思う愛おしさと言ってもいいかもしれない。新垣結衣にはそれを感じるのに、指原にはそれが感じられない。むしろ、指原のほうはどこか虐めてみたいという気持ちがどこかに湧き起ってくるのだ。嫌らしいアイコラを作ってみたいという気持ちは、新垣結衣には湧き起ってこない。なのに、指原のほうにはそれを感じてしまうのだ。

 最終的には女性の魅力には三要素があるということに気づいた、いや、気づかされたということになる。ひとつは美しさ、これは憧れと言い換えてもいいかもしれない。二番目には可愛さ、言い換えれば守ってあげたい気持ちだ。そして三番目がそそるというもの。下品かもしれないが言い換えればセックスしたいという思いだ。最近の言い方を使えば、エロいという表現が最も適確かもしれない。この三つの要素はあまり似ているものがない。同じ人物に同じ感情を抱くのは難しい。何が一番上ということもない。女性の魅力として必要なものだが、同じ女性に同時に感じることが出来にくい難しい感情の違いがある。どれを一番大事にするかで、男性に取って誰をパートナーにするかが変ってくるのかもしれない。

 で、つまりは指原は美人かという問いに対する答えはNOではあるのだが、だからと言って指原に魅力が無いということではない。指原には指原にしかない魅力があるということなのだろう。
2017.1.29

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