エッセイ
男性体操アシスタント
2021年10月から某公共放送を標榜する放送局の密かな人気番組テレビ体操のアシスタントがモデルチェンジした。男性アシスタントの起用だ。
常々思っていることだが、この某公共放送のプロデューサ達は何を考えているのかさっぱり分からない。その事は既に何度かエッセイとして書いている。主に女性アシスタントのコスチュームに関してである。
おそらく今回も世間の妙な風潮に押されてやむにやまれず男女平等に反すると断罪されない為に男性アシスタントを嫌々登場させたのに違いない。そこまでは百歩譲るとしても、その男性アシスタント達のコスチュームがいただけない。ひと言でいって醜いのだ。上下共にだぼっとした服で、下半身に身に付けるのは中途半端な丈の短パンでもなくズボンでもない妙な丈の所謂パンツ。サッカー選手が身に付けるウェアに近いと言えなくもないが、そんな服装にする必要がどこにあるのだろうか。
女性アシスタントのコスチュームがハイレッグのレオタードから、はっきり気づかれないように徐々に徐々にピタッとしたTシャツ風の上着と短すぎない短パンに変っていった。これも何がしたいのか意味不明だが、おそらくはセクシー過ぎないようにという配慮からなのだろう。私が思うにハイレッグのレオタードは特にセクシーには感じられないし、現在のピタッとしたTシャツと短パンの姿は適度にセクシーさを残していると思う。女性からセクシーさを排除はしたくないというプロデューサの下心というか本音で、ぎりぎり許容出来るといったところだろうか。
2021年に延期された東京オリンピックではドイツの体操チームが女性にレオタードを着用させないという奇妙な格好で出場させたのは記憶に新しいところだ。しかしこれは世界の趨勢では決してない。一部の頭のおかしな極左系とも言える団体の主張が世間の風潮を代表していると錯覚されて起こったことだろう。LGBTがマイナーであることを無視して正常なジェンダー感覚の人よりも重視されるべきというようなおかしな風潮にそっくり似ている。
体操選手からセクシーな部分を排除すべきという観点に関しては賛否が分かれるところだろう。私自身は排除すべきでないに一票入れたい派だが、そこは反対意見も尊重して過度なセクシーさは控えるぐらいで妥協したい。それよりむしろ人間の身体から美しさを損なうような格好にはすべきではないと考える。以前にも書いたことだが、人間は醜いものを観て自分も頑張ろうとは思わない。もうかなり前になるがテレビ体操のアシスタントの代りに中年のオヤジのトレパン姿を登場させたことがあるが、あれは観てて不快で体操を頑張ろうという気持ちを萎えさせる。身障者の為の運動も一緒に見せる為に椅子に座ったアシスタントも随分前から登場させているが、当初は健常者用アシスタントはレオタードで、身障者用アシスタントは無粋なトレパン姿だった。さすがにあれは身障者を侮辱していると非難されてコスチュームを区別しないようになったが、その時の過ちが全く生かされていない。
男性体操アシスタントのコスチュームの究極はボディビルダーのような格好で、むしろ鍛えられた身体を誇示するようなものであるべきだと私は思うが、女性が肌を露出するのを遠慮する様にレオタードからTシャツ、短パンに変えたのに逆行することになるのでさすがにそれは受け入れられないだろう。
ボディビルダーでなければ、男性バレエダンサーの格好はどうだろうか。最近は日本人の中にも有名な男性バレエダンサーが何人も現れて、以前より違和感がなくなったように思う。
股間もっこりのぴったりしたバレエ用タイツはさすがに私でも気恥ずかしさを憶えるが、身体の線が全く見えず下半身がとても短足に見えるだぼっとしたパンツよりはよっぽどマシだと私が思うのだが如何だろうか。
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